ゴルフ用品のインターネットショップで１社で大きな展開をしているのが、出版（ゴルフダイジェスト誌）というメディアを武器に展開している「ゴルフダイジェストオンライン（ＧＤＯショップ）」。これなどを見ているとインターネットの特徴が良く分かるが、紙ベースのメディアとインターネットのメディアは、競合関係にあるのではなく、むしろ相互補完関係にあるのが良く分かる。
ＧＤＯショップの特徴は、購入した人のコメントが掲載され、試打せずに購入するリスクを減らしていること。また、商品発送のタイミングはインターネット時代を反映し、一部例外商品を除き、オーダーを受けると即日発送する態勢にある。
インターネットを使う利便性は、メールの伝達速度に見るように、即時性にあるので、それにシンクロ出来る出荷態勢が大切。あとは、既存の宅急便が長足の進歩を遂げて、早いデリバリーだけでなく、ネットでその商品の配達状況までトレース出来る点は、インターネットエイジを感じさせる素晴らしさだ。
楽天は、日本で最も早く、大規模にインターネットショッピングを手がけて成長した会社。ゴルフダイジェストと違うのは、単一店舗ではなく、テナント方式で、多数の中小ゴルフショップを束ね営業している点だ。普通なら、地方の有限会社から高額商品を買うとなると、いったい本当にきちんとした商品が届くのかと心配になるところだが、楽天という信用の上で商売をしている安心感がある。
反対に出店しているゴルフショップの方も、商品購入の決済方式が楽天方式で統一され、楽天を通じた安心感が得られるのだろう。また、楽天共通のポイント制度やクレジットカードまで用意してくれている。
ただ、出店する各社にとっては安心とともに、楽天からの縛りもあるようだ。当然のことながら、各社ページから外向きのリンクなどは、お客を囲いこもうという楽天の思惑とはズレるので、禁止だそうだ。
ここでショッピングをしていると興味がわいてくるのは、低額で商品を提供してくれるのが地方の有限会社が多いこと。大量生産品では、どこで買っても商品は同じなので、あとは価格勝負となる。そうしたケースでは、地方で家族経営のショップががぜんコストの点で有利になる。また、楽天内では横並びに比較が簡単に出来てしまうので、一部の店舗では、海外から他店では販売していないような独自商品を仕入れ独自性を出しているお店もある。
「つるやゴルフ」、「シントミゴルフ」、「二木ゴルフ」など、実店舗でのゴルフ用品販売をしてきた老舗が、インターネット時代を反映して、ネットショップを展開したもの。
各店舗、強みがあるようで、例えば「つるやゴルフ」や「二木ゴルフ」などはキャロウェイの出物が出品されることがあるが、これなどは実店舗での取引実績から海外メーカーにそれなりの交渉力が、ネット店舗にも反映したのではないかと想像している。
面白いのは、「有賀園」や「コトブキゴルフ」で、独自サイトを構えているが、別途「楽天」内にもサイト「有賀園ゴルフA-NET」「ＫＧ−ＮＥＴ」を構えている。これなどを見ていると、「楽天」のショッピングモールような構成が作り出す"集客力"や"店舗運営ノウハウ"には得がたいものがあるのだろう。