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300. 定年というタイトルのつく本を読んでみて  ・・・ (2020/03/15)

  東京しごとセンターさんからのご依頼で、やらせて頂いた創業寺子屋塾3日目の「創業事例発表」が終わり、気分的にも楽になった。そこで再び読書生活に戻った。ここ最近読んだ本が(・定年後も働きたい ・「こころの定年」を乗り越えろ ・定年前後の「やってはいけない ・続・定年バカ)の4冊。


「定年後も働きたい」
  出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン
  ページ数:350ページ、1500円 (税抜)
  発売日:2019/11/28

著者: 松本すみ子

 早稲田大学第一文学部卒業。IT企業に20数年勤務後、2000年に起業。2007年には同世代が集うNPOを設立。行政・自治体・市民団体などにおいて、セカンドライフや地域デビューに関する講座の企画・運営・講師を担当、当事者目線での提言に特徴がある。企業や研究機関に向けてはシニア市場に関するアドバイスとコンサル、メディアなどではシニア世代の取材や執筆活動を行う。

有限会社アリア代表、「NPO法人シニアわーくすRyoma21」理事長、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、シニアライフアドバイザー。



  一読者の視点 ・・ とても真面目に時間をかけて編集したことが伺える。もし足りないものがあるとすれば、本のタイトルだろうか。「定年バカ」が続編を出していることからも推測できるのは時代に沿ったタイトル付け、つまりキャッチィかどうかかもしれない。

    ちなみに私だったらこんなタイトルにするだろう

         「定年、私の働き方改革」
 この4冊の中で一番お薦め出来るのが、松本すみ子氏著、「定年後も働きたい」でした。

 読んでいて、幅広い仕事経験を持つ方々にも押しつけがましくなく選択肢を提示してくれているのがこちら2つの図からも良く分かる。

 

 あなたが定年退職する前後に読んでおくとよい「参考書」のような一冊です。






「こころの定年」を乗り越えろ 
 
40歳からの「複業」のススメ
  朝日新聞出版
  ページ数:248ページ 858円(税込)
  発売日:2015年10月13日

楠木 新
 1954(昭和29)年神戸市生まれ。京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。勤務のかたわら、「働く意味」をテーマに取材を続け、執筆、講演、大学での講義などの活動に取り組む。著書に『人事部は見ている。』『サラリーマンは、二度会社を辞める。』などがある。

 読んでみて分かったが、ここでいう定年とは会社組織が定義する定年(60歳)のことではなく、タイトル通りの「こころの中での」という意味。ちなみに著者が言うこころの定年は40歳を想定しているようだ。

 ゆえに私が期待した定年・60歳の人向けとは意味が違ったが(会社で限界を感じる40歳代?)読んでみると面白い内容だった。

 この著者の特徴は、会社勤めと執筆業の2つを並行してやってきたことから見えたことを書いている。そこで見えたことを「もう一人の自分」と称しているが、以前の私のこのホームページで 、マイケルジャクソンの歌にかけて「another part of me」と書いたが、そうした共通点なども多く(定年の定義が60歳としてはいなかったが)読んでみて面白いものだった。


定年前後の「やってはいけない」
 人生100年時代の生き方、働き方
  青春運出版
  ページ数 192ページ  1045円(税込)
  初版年月日 2018年4月15日

郡山史郎(著)
 
 1935年生まれ。株式会社CEAFOM代表取締役社長。一橋大学経済学部卒業後、伊藤忠商事を経て、1959年ソニー入社。73年米国のシンガー社に転職後、81年ソニーに再入社、85年取締役、90年常務取締役、95年ソニーPCL社長、2000年同社会長、02年ソニー顧問を歴任。04年、プロ経営幹部の派遣・紹介をおこなう株式会社CEAFOMを設立し、代表取締役に就任。人材紹介のプロとして、これまでに3000人以上の転職・再就職をサポート。
 当然のことだろうが、人は自分の経験から見た視点でしかモノを語れない。(多分、私も)

 著者は一流大学を出て、一流企業におられた方。ご本人は挫折を感じたこともあったようだが私から見ればエリート街道をまっしぐらだった様子。

 著者から見るとどうやら私は失格のようだ(笑)。例えば、定年後の起業はやってはいけないいという。日経ビジネス誌の読者欄にも書いたことがあるが、こうした一流の経歴をお持ちの方にありがちな、起業するならそれなりのもの、つまり株式会社で従業員がいて立派なオフィスもあることを前提として捉えている様子。定年になっての起業はもっと自由であって良いように思うのだが。


続・定年バカ
   (SB新書)
  初版発行: 2019年11月

著者: 勢古浩爾

 1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に34年間勤務ののち、2006年末に退職。
 前作も読んだが、著者は今回も”定年”とタイトルのある本を片っ端から読んで、それについて反論を書いている。で、「とどのつまり私は働く気などない」、「定年だからといって何をあくせくするのだという」。

 しかし、この本を読んだ私の視点からすれば、これだけいろいろな本を読んで分析し、自身の出版物の続編まで出されているのだから、ご本人の行動は裏腹。しっかりとお仕事をし、しっかりと稼いでおられる。

 この方、もともと出版社におられた方だけに、タイトルの付け方だけは秀逸。それで売れただけの本というのが私の印象。

  



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