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  自虐ネタは人を傷つけない ・・・ (2021/10/03)


 大学卒業後就職した会社の同期と時々メール交換をするようになった。これもコロナのお陰といっていいのだろうか?

 偶然見つけた共通の話題が「ヒロシ」だった。私は今でもYoutubeで「ヒロシです、、、」を時々見るが、何度見てもおかしさがこみあげてくる。
 最近はBSテレビで「ヒロシのぼっちキャンプ」も見る。人がいる場所が苦手といいつつ、テレビカメラに向かって一生懸命「ネ、いいでしょ!」的な同意を求める発言をするのが彼らしい。また彼の作るキャンプ料理をみていると、「この人、あまり良い食生活を送ってこなかったようだな?」と思ったり(笑)

 就職同期の彼が読み終えたこの本「ヒロシです。花も嵐も のり越えて」をわざわざ私に送ってくれた。内容は、「ヒロシです」のネタ本というもの。でも面白かった。送ってくれた同期の彼に感謝!!


 昨今のネットに関する話題の1つが、「誹謗・中傷」。内容を知ると、匿名だと人間はこんなことを言うのかとあきれる。私が芸人ヒロシの芸風が好きな理由は、こうした流れとはまったく逆なこと。ヒロシの自虐ネタは、他人を傷つけないのがいい。


 そこで思い出したのが、かつての上司(大学教授)のこと。この先生の専門は国際政治(インターネットが作る未来を語る)。確か読売新聞だったかにこの先生のことが紹介された際に使われた言葉が、「洒脱な語り口」だった。あらためてネットで”洒脱”を調べてみると、「俗っぽくなく、さわやかで洗練されて巧みなこと」とあった。

 この先生、いろいろな言葉が話せる上に話題が豊富、パーティーでの場持ちも良いようで外交官などが集まるパーティーに良く呼ばれていた。例えば、あるパーティーでロシアの人がいた時はこんな話しをしたようだ。「我々日本は、シベリアの森林地帯が生み出す大量の酸素を無償で享受させて貰っている。とても恩恵を受けているのにロシアからはまったく料金を請求されていない。なんとロシア人は大らかな人なのか」と。
 ロシア人にとってみれば、ある種褒められているわけだから怒る人などはいない。「我々ロシア人はおおらかな人種、日本人から料金を取ろうなどとは考えていない。どうぞ十分酸素を吸ってください」と返事されたようだ。

 この先生、東京大学法学部を卒業している。しかし親戚の多くが医学部を出ていることから、しばしばこんな話しをしていた。「私は頭が悪かったので医学部に行けなかった」と。本当にそうなのだろか?と東京大学を出た知人に聞いてみた。その人いわく、「少なくとも自分の知る限り、法学部と医学部、難易度は同程度だと思う」とのことだった。しかるにこの先生は、しばしば「私は頭が悪かったので医学部に行けなかった」と言っていた。

 自虐的という言葉を聞くと思い出すのはこの先生のことだった。ただ、ヒロシとこの先生はかなり違う人間だ。どうやら自虐ネタを話す人は2パターンあるようだ。1つは、自分に自信がなくて自虐的な発言をする人。もう1つは、自分に自信があるがゆえに自虐的な発言をする人。前者がヒロシで、後者がこの先生だ。そう考えると、私自身はなんとも中途半端のようで、どちらとも言えない立場の人間だ。




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