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396. 現在ある海外向け中古車輸出サイトには、いくつかの疑念が ・・・ (2023/05/21)     


 こちらは静岡で複数の整備工場を経営されている会社の三代目のKWさんから、私宛のメール内容です。



  「以前、越境EC(TCVさん、カーディールページさん)に出展を試みたのですが、鳴かず飛ばずで会費だけ払っていた苦い過去があります。」


 
 ※TCVとは、かつて(2010年から)私が加盟していたソフトバンク系のTradecarviewが、中古車輸出サイトの運営から撤退、身売りした先の会社さんが名称変更されたもの。

   TCVの加盟説明文を見てみると、いまだにアフリカ向け輸出が可能なように書かれていますが、私の知る限りでは、アフリカ向けの中古車輸出は2パターンで、1つは大手中古車輸出事業者(ビィフォワードやSBT)、もう1つはパキスタン系シンジケートによるもの、の2つしかないと思っています。
 別な言い方をすると、以前のようにアフリカ向け中古車輸出を考えても、個人レベルでは販売は難しいでしょう。


 そんなことで、私に「中古車輸出をしたいのだけれど」と相談してきた方には、残る選択肢として(加盟にかかる費用も安そうだし、、、)CarFromJapanを検討してみては?とお話ししました。というのも、この会社の立ちあげには間接的にではありますが、支援をしてきて、当時を知っている自分としては、大丈夫だろうと思ったもので。(以下の写真参照)
 

こちらはCarFromJapanのサイトにあった写真。
私もこの中にいるのですが、創業者は前列中央でVサインをしている女性とその後ろにいる旦那さん。



 この会社に限らず、中古車輸出サイト(今風に言うと、越境ECサイト?)は大きく変わってきています。

 私が中古車輸出を始めた時に加盟していたソフトバンク系のTradecarviewは(現在は、身売りしてTCVの名称で運営)、大手輸出事業者、ビィフォワードに押されて、あれよあれよというまに凋落していきました。(このあたりの説明は、以前にも私のホームページに書いている

 考えてみれば、地元商店街がいくらがんばってみても、近くに大型スーパー(例えば、イオンやイトーヨーカドー?)が進出してきて、結果、地元商店街はシャッター通りとなった、という話しには枚挙がありません。それと同じでビィフォワードが社長の号令一つで方向が決められるのに対して、寄せ集めの商店街的なTradecarviewには勝ち目がなかった、ということなのだと思っています。最大手のTradecarviewですらこうなのですからカーディールページやCarFromJapanも同じだったはず。

 あらためてCarFromJapanが生き延びているのか?はたまた生き延びているとすればどうやったのか聞いたところ、創業メンバーから(奥さんの方から)私宛のメールとして以下があった。


 
 弊社は現在方向性が変わり、アメリカ市場で中心に活躍させて頂いております。アメリカ市場の仕入れは独特ですので、弊社の方向性に当てはまる加盟店様に集中して募集しております。そのお陰様で、加盟店様の数は多くはないですが、ビジネスはうまく行っています。



  つまり、ターゲットをアメリカ市場に絞り込んで輸出をやっているとのこと。

  以前の私の理解では、アメリカは日本からの中古車の輸入を認めていませんでしたが、その後の情報によれば、製造から25年以上経過している車輌については輸入を認めているとのこと。
  製造から25年もたった車がまともに動くのかしら?と思ったのですが、そこは製造立国、日本の面目躍如というところで、使い方次第では、25年経った中古車でも十分な状態のものがある、ということが分かりました。(実際に仕入れをやってみて、製造から25年も経った軽トラの走行距離が2万キロ以下のものがあったのには驚かされました)・・・ このあたりの説明も、前回の私のこのホームページに詳しく書いています

  結論的にいえば、アメリカが製造から25年たっていないと輸入を認めないのであれば、該当する車輌を市場から見つけることが可能だということ。特に、アメリカには存在しないカテゴリーの車、軽自動車、それも軽トラックが注目されていることが分かりました。(以前読んだ日本経済新聞にもそのことが紹介されたことがありました)


 
  これを信じ、中古車の海外輸出(対象はアメリカ向け)をされたいという人にCarFromJapanをお薦めし、Web掲載後3ヶ月待ちましたが、まずは1台輸出することに成功しました。それも、以前私がやっていたアフリカ向けよりの高い利益率での輸出が達成出来ました。(さすが、富裕国アメリカ!)

 その後、相手の輸出サポート担当(ベトナム人女性)とのやりとりに疑問を感じたもので、あらためてCarFromJapan自体について確認してみました。



こちらはCarFromJapanのホームページにあったもの


 まずは、どんな体制で運営をされているのが、岩本町のオフィスにお尋ねしてみました。しかしそのビルの7階にあったのは「株式会社イーシエンス イーオフィスAKIBA5番館」という会社でした。あとで確認してみて分かったのですが、この会社は、レンタルオフィスを経営している会社でした。



株式会社であれば登記内容がネットで確認出来ます。


 あらためて会社のFAX番号(03-6735-4633)にこちらの都合と、当方への連絡先を明記して送っておきました。


私が送ったFAXは、いったい何処に届いているのでしょうねぇ?


  返事が無かったので、再び同じビルの7階に行き、レンタルオフィス利用の会社名に、CarFromJapanがないだろうかオフィスのレンタル企業名を探しましたが、やはり株式会社CarFromJapanの名前はありませんでした。


 そこで、上記コーポレートオーバービューにあった番号、050ー5578ー0494に電話して、「私は今、御社が登記されている岩本町のビルに来ているのだけれど、会社が見つかりません。会社はどこにあるのですか?」と尋ねました。電話口に出た人の音声がなんとも聞き取りにくかったので、「どこで私のこの電話を受けていますか?」と聞くと「ベトナムです」との返事。(話しをしていて分かったのですが、なんとこの人、輸出サポートをしている人で、バンという名前の人でした)

 いくつかのやりとりの末に分かったことは、登記上のオフィスは”かつては岩本町に有った”が今はテレワークに切り替えたので、そこにはオフィスはない、とにことでした。
 コロナ流行の期間中にあって、社員をテレワークに切り替える企業は多数ありますが、社長を含め「全員を」日本から国外に移してしまったというケースはあまり例がないと思います。

 なんだか昨今流行のネット詐欺を連想させるような現状に不安を感じながら帰路につきました。すると私も知っている社長のイナムさんから私の携帯に電話がありました。それによれば、「自分は日本とベトナムを行ったり来たりしているので、次回、日本に行く時に連絡しますので、食事をしながら説明させて貰います」とのことでした。




 以前貰った創業メンバー(社長の奥さん)からのメールに、

 加盟店様の数は多くはないですが、ビジネスはうまく行っています。

 とあったので、自分でも確認しておきたくて、CarFromJapanの加盟店リストから、加盟店をカウントしてみました。

 それによれば、登録加盟店は「567社」でした。既に退会された会社さんもそのまま消し込まず残しているようなので(一部、私の知っている会員さんもいて、既に輸出はやっていないことも知っていたので)それらを除外してみると、加盟会社のプロフィール写真が掲載されている加盟店(らしき存在?)は「265社 」でした。
 さらに、実際に輸出事業を行っていそうな加盟店は、(出品している車輌からの推測では)この1〜2割程度かな?、つまり「25〜50社前後 」と推測しました。これであれば、創業者(奥さん)が言われていた、「加盟店様の数は多くはないですが、」の言葉にフィットしそうです。


 現時点での私の印象ですが、実績として1台、中古車をこのCarFromJapan経由で売っていること(実際に入金もあった) なので、まったく架空の詐欺的な存在ではないことは確かなようです。

 ただ、ビジネスをやる体制としては、かなり家内工業的で、前述の050ー5578ー0494に電話した時に電話口に出たベトナムの女性は、なんと、普段メール(vannc@carfromjapan.com)のやりとりをしている人そのものでした。
 どうやら、数人で運営しているようで、しかも全員が(創業者の母国でもある)ベトナムに在住、ということのようです。確かに加盟店数が25〜50社程度なのであれば、社員数は数人でないと会社を維持出来ないでしょう。(Webの更新、メーリングリストなどは外注しているのでしょう)


  実は、このサポートのベトナム人女性からは、「(松本は)メールのやりとりをするにも、理屈っぽく(?)日本語の返信メールを書くのに手間がかかりすぎるので、相手をしたくない」、と社長に進言しているのだとか。ところが、実質この女性しかサポート担当がいないので、人員が増えない限り私は受け入れて貰えなさそうなのです。汗


 とまあ、現時点までで私が把握出来たのはこんなところです。あとはイナム社長が日本に戻って来る時にでも確認してみたいと思っています。ちなみに、電話口で私が彼に質問したのですが、「どうも、あなたの奥さんとのメールのやりとりで感じたのは、事業を縮小したい(事業を畳みたい)という印象だったのですが?」と聞くと、彼(社長)としては「けして縮小したいわけではなく、可能ならば再び事業を拡大したいと思っている」とのことでした。

 さて、さて、今後どうするつもりなのやら。





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