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302. 「定年プチ起業」を読んでみて  ・・・ (2020/04/12)



 「定年プチ起業」 田口智隆 著、水王舎 刊 1400円(税別)
  サブタイトル: 初期費用ゼロで始める
            一生稼ぎ続ける賢いやり方

 冒頭のイントロページにこんなくだりがあった。

 あなたは何歳まで働くつもりですか? 65歳? 70歳? それとも75歳?

 今勤めている会社で、あなたはその齢になるまで働くことが出来るでしょうか?
 そもそも、そんな齢になるまで、誰かに雇われて働きたいですか?

 私は、からだと頭が許すかぎり、「人は一生働くことができる」と信じています。
                 中略
 第2の人生では、自分が自分のボスになる。それが「定年起業」です。


   なるほど、おおむね私の定年時の考え方と一緒です。

 略歴を拝見すると、どうやらファイナンシャル・アドバイザーのよう。そんな背景のある著者が、投資は避け、定年後も働くことが一番のセーフティネットです、とおっしゃる。私もそう考えて起業しました。定年までさしたる投資などの経験のない人が、なけなしの金を投資に向け、虎の子を失ってしまう、といった話しも聞きますので、安全、確実、有利なのは、”自分で稼ぐこと”だと思いますので。


 私はこの本の読みどころは、第2章だと思っています。

・初期費用ゼロ円で始める

・お金をかけずに時間(手間)をかける

・法人化は考えない

・カタチから入る人は失敗する

・定年起業は一人でやる

・ノウハウコレクターにならないで

・結果を早く求めすぎない

・本気でやらないと成功しない

 まあ、初期費用ゼロというのは「手がける分野にもよるのでは?」と思うが、それ以外はその通りだと思う。特に ・法人化は考えない ・カタチから入る人は失敗する、は過去私が言ってきたこととも符合する。 →「こちら」日経ビジネス誌に投稿した内容を紹介したが、1.個人事業でスタートするか、株式会社でスタートすべきか?に書いたとおりだ。


 第3章は、あなたにぴったりのビジネスがある という内容。ここの部分はあまりに選択肢が広いので、私などはどう言って良いのか分からない。ただ、この著者のように、本にするからには何かを書かなくてはならないだろう。そこで大まかにまとめたのがこの章だろうと推測する。

 この部分、最近の私は別な見方をするようになってきた。皆さん、起業しようかという人は、なにかのこだわりを持っている。持つことそのものは悪くはないのだが、手持ちの資金と照らし合わせてみて、いったいその資金を使ってどの程度の期間で損益分岐点超えるのか(投資した資金を回収して利益が出始めるタイミングを迎えられるか)を考えるかにもよる。つまり、起業に「夢」は必要だが、もう一方、「算盤」がなりたたないと、失速して墜落してしまいますから。


 最近日経ビジネスで読んだのが丸亀製麺を創業した社長の話し。この方、最初に手がけたのは運送の下請け(トラックの運転手)。これをずっとやるつもりはなく、まずは何かで創業資金作りをしなければ、と選んだのがこの仕事だったようだ。なので同様に、もしあなたが大きな「夢」を描いての起業なら、まずはそれに見合う資金作りを先にする必要がある。その資金作りには、必ずしも「夢」と一致しないかもしれない。まずは「算盤」がなりたつための資金を用意する方が先、という考え方に私も賛成だ。


 最後までこの本を読んで感じたのは、この著者は何をされている人なのだろうか?と。略歴を拝見すると、ファイナンシャル・アドバイザーのようだが、自分がこうしてファイナンシャル・アドバイザーになったという説明がない。奥付に自身のプロフィールがあり、その最後に ●著者への講演・執筆依頼、とあることからして、どうやらこの方が現在やろうとしていることは、自分の経験をベースに、人に教えるお仕事をされたいようだ。

 確かに私なども中古車輸出の仕事を10年やってきたので、この部分を教えることをサブの仕事に出来ないだろうか?と考えたこともあったが、私が中古車輸出を始めた2010年頃と、現在の状況があまりにも変化してきている。今ではガンガン儲かる仕事たりえないと思っている。実際、そんなにガンガン儲かる仕事ならば、人になどに教えずに、自分がガンガン走っているだろうから(笑)。






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