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254. 起業に必要な考えを3つの言葉で表現すると ・・・  (2018/09/28)  


 「希望と勇気といくばくかのお金」とはチャップリンの映画、ライムライトに出てくる言葉。では定年後、自分で仕事をしようと思ったらどんな言葉が必要なのだろうか。

 2010年、外資系コンピュータソフト企業を定年退職した私は、まだ一度も行ったことがなかったアフリカ大陸を目指して飛行機に乗った。現地ガーナでは米国留学時代仲の良かった友人が迎えに来てくれた。滞在時の印象を一言で言えば、まるで映画「3丁目の夕日」を見ているようでどこか懐かしかった。

 「卒業旅行」ならぬ「定年旅行」を終えアフリカから戻った私が考えたのは自分で起業をすることだった。輸出をやってみたいと考えたのは多少英語が出来たから。また中古車を選んだのは輸出経路がすでに出来ていて買付さえ出来れば東アフリカに車を売り込めることが分かったからだ。



 起業時、自分のアイデアに抜けがないか相談に行っていた先が「東京しごとセンター」だった。相談員の先生に聞いて貰うことで方向性に大きな間違いはないと思えた。

 その後も折に触れ仕事の状況を報告に行った。するとある日「あなたがやっている苦労は、これから起業しようとしている人にも役に立つ、創業寺子屋塾で話しをして欲しい」と依頼された。結果、8年間に4回お話しをさせていた。

 回数を重ねてもネタが尽きなかったのは仕事に大きな浮き沈みが続いたお陰(?)。中古車だろうが何だろうが、輸出は相手国の政治・経済状態に振り回される。さらにどの分野でも同じだろうが、市場が大きくなると大手が本格参入し、結果、中小・零細事業者は駆逐されることになる。

 勤め人時代から人脈には恵まれていた。東アフリカ(右ハンドル国)向け中古車輸出が先細る中、ガーナ人の友人が来日してくれた。事情を知った彼は日本からは輸出の難しい自国(左ハンドル国)ガーナ向けの試験輸入をしてくれることに。 そうした中、再びそれなりの輸出規模が見込まれる新しい対象国が出てきた。偶然知り合ったのはニュージーランドへ移住を予定している中国人ご夫婦だった。彼等の依頼で中古車を調達しニュージーランドに送ってあげることになった。

 こんな具合に、沈んでは浮かぶという仕事のパターンを繰り返して8年がたった今、定年後起業に必要なことは何?と聞かれれば「覚悟」と「コミュニケーション力」と「行動力」だと答えるだろう。










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