ホーム目 次 / 前ページ次ページ  

204. 定年後の仕事はどうやって決めたの? ・・・ (2016/12/11) 


 12月7日、ゴルフ仲間だったMさんを偲んでゴルフをすることになった。いつものようにFさんの車(BMW、直6のワゴン)に同乗させて貰った。Fさん昭和33年生まれで現在外資系企業の社長をしている。「65歳までは仕事をしなくちゃね」と言っていた。

 そんなことから通常の60歳定年後の身の振り方について話しがおよんだ。私が「Fさんは幾度かの転職を経験されているので分かると思いますが、自分の棚卸が出来るかどうかなのでは?」と言葉を投げてみた。大学を出て、1つの会社で定年まで勤めた人の、定年後の展開の難しさ、実はここにあります。

 自分は何をしている時、楽しいと感じるのか。自分に何が出来るのか。自分が得意とすることは、価値(給与)としてはいくらの価値になると思っているのか、などなど。実は幾度かの転職を経験している人は、自分でこれらをやってきている。履歴書に自分の”売り”を記述。それも自己満足ではなく、雇い主にとって魅力と感じてくれる提案でなければならない。ちなみにキャリアとは、転職の回数のことではなく、超えてきた困難の数とは、あるヘッドハンティング会社社長の言葉だった。同感です。ここを面接の際にきちんと説明出来ることが必要です。

 まあこれらを一言で言えば、自分の棚卸が出来るかどうかです。これを言うとFさんは「良く理解出来ます」とのこと。

 考えてみれば、皆、自分のことが良く分からないのが普通。でなければ、池袋の母や、銀座の母のところへ相談に行く人などいなくなるだろう。皆、こうした有名な易者のところへ行き、「私って結婚出来るでしょうか?」、「私って出世出来ますか?」などを聞くという。なんだよ、それって全部”自分のこと”じゃないか。だったら自分でこうするって決めれば良いようなもの、でしょう?。
 しかし、案外自分のことを客観視出来ないのが普通。幾度か転職をしていると、自然とそれらが身につく。反対に、身に着かないと、いつまでも成長した転職など出来ない。


 話しを戻して。定年後何をするのか。ここでも実は同じことが求められる。大学を出てそのまま定年まで同じ会社にいた人はここが難しいのだろうと思う。やるべきことはまず、

1.自分は何をしている時が楽しいと思えるのか。

2.かつて勤め人として働いてきた仕事を分解し、要素にわけてみて、そのうちどれが今後の仕事に再利用出来るか考える。

3.自分は何をしたいのかをはっきりさせる

あたりだと思う。

 1.ちなみに私の場合は、人に使われるのは楽でいいが、小規模でよいから自分で出来ることはないかを考えていた。今の仕事(中古車の輸出)のアイデアに辿りついたのは定年後アフリカ旅行をしてみたところから得たアイデアだった。つまり、解らない時は、”まず行動を起こしてみること”だと思う。迷っても、悩んでも、結論は得られないように思う。

 2.要素としては、広い意味でのコンピュータ利用技術、そしてそこそこレベルの英語力。ここで抜けている貿易実務については研修を受けた。また英語も半年間、スクールに通った。

 3.当時、母がすでに90歳代になっていたので、出来れば自宅にいても出来る仕事をということで選定していくと、中古車のネット販売(輸出)に辿りついた。

 余談だが、この関連セミナーで私より少し年上の人と出会った。この方、型から入るようで、何をやるのかも決まっていないのに株式会社を立ち上げていた。私にしてみれば、器は中身が決まってからで良いと思うのだが。私の場合は個人事業(青色申告事業者)で十分と判断した。さらにこの方、「○○さんなら分かってくれるでしょうが、この年齢でまる一日フルに働くのはイヤ」なのだそうな。で、申し上げたのは、軌道に乗ればそれも可能でしょうが、何事でも立ち上げは一番力が必要な部分、全力を傾けてやらざるを得ない、と。

 たとえで言えば、滑走路を離陸する飛行機みたなもの。エンジンをふかし、ブレーキをはずし、滑走路を走り始める。離陸に必要な所定の速度に達しないと離陸出来ない。離陸したあとでも、しばらくは気が抜けない。エンジンを全開にし所定の高度までがんばる。気を抜かず所定の高度(1万メートル?)に達することが出来れば、自動操縦に変えて、ひたすら目的地に向け飛行する。つまりこの段階までいけば、「半日程度のワークで事業を維持し続けることが出来る」


   .   ちなみに現在の私がこの段階。2010年秋から仕事を始め、何度かの存亡の危機を超え、今は毎日半日程度の仕事時間でも業務レベルが維持出来ている。

 まもなく67歳。いつまで続けるのか、ここは自然に任せてもいいかと思っている。現在は仕事を厳選し、過当競争で利益の出ない東アフリカ向けから抜け、ニュージーランド向け1本に絞っている。それも1社のためだけの商材(中古車)調達の代行をしている。ゆえに、彼の仕事が続けば私も続けられる。ずっと続くようなら私の方から「終わり」を宣言することで終れる。

 体調と相談だが、一つの目安は、自分で車の運転が出来るあいだは続けようと考えている。別に中古車輸出ビジネスに車の運転が出来るのかどうかは関係ないが、ひとつの目安としたいと思っているだけ。



 曽野綾子さんの本によれば「人類は有史以来、死ぬまで仕事をすることがあたりまえだった」のだそうだ。



ホーム目 次 / 前ページ次ページ 
 

inserted by FC2 system