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 オフィシャル・ランゲージって何?  ・・ (2023/06/18)

 カナダ・ケベック州の英語、フランス語、そして先住民のためのクリー語の3か国語表示の停止標識。(wikiwandより)

 その昔、アメリカの大学に留学していたことがありました。ある時、ドイツからの留学生の女性にこんな質問を受けました。あなたの国のオフィシャル・ランゲージは何?と。オフィシャル・ランゲージ、つまり公用語なわけですから、「日本語です」と答えました。すると、再び彼女が質問してきました。「それ以外の公用語は?」
 意味が分かりませんでした。日本なんだから、公用語は「日本語」に決まっているだろう、と。


 何年かの後、質問の意味が分かりました。世界には複数の公用語を持つ国が沢山あるのですね。例えば、私が好きな国、フィンランド。フィンランドの公用語は2つあって、1つは「フィンランド語」でもう1つが「スウェーデン語」なのです。どうやら歴史的な背景もあり、隣国スウェーデン系の人たちが多く住む地域もあるようです。結果、フィンランドでは、交通標識など公的なものは、すべて2カ国語で表記をしなくてはいけないと決められているようです。


 一般の方には、フィンランドより、皆さんにとって、もっと分かりやすい国があります。それはカナダです。ご存じの方も多いかと思いますが、カナダの公用語は、「英語」と「フランス語」。これも建国に至る過程で、イギリスとカナダがそれぞれ勢力を競いあって、カナダが生まれ、その後は両方の民族を大事に扱うという考え方から、2カ国語が公用語になったそうです。

 話題はそれますが、歌手のセリーヌ・ディオンさん、もともとはフランス語で歌っていたようです。ただ、広く認知されるためには英語で歌った方が有利、ということで英語で歌うようになったのだそうです。恐らく、YouTubeなどで探すと、彼女がフランス語で歌っているシーンを見ることが出来るかと思いますよ。


 以前、竹村健一さんがこんなことを言っていました。「日本の常識は世界の非常識、世界の常識は日本の非常識」と。なるほど、うまいことを言いますね。



追加情報:2023/07/23

 こちら本日スマホ宛に届いた日経新聞の注目ニュースのタイトル部分です。

 これによれば、日本の人口に占める外国人の割合が増えた中で、公用語に、日本語プラス、英語を入れる必要があるのでは?という意見だ。


 海外での、例えば東南アジアでのトップ会議などの様子を見ていると、日本以外のトップは英語を駆使して意見交換をしているのを見かける。かたや、日本のトップは、通訳なしには意見交換も出来ないようだ。


 かつて同時通訳の草分けである國弘正雄の言葉によれば、もはや英語が話せるというのは「呼吸」が出来るというのと同じで、あたりまえのことだ、と。
 反対に英語が話せないとなると、それは「呼吸」が出来ないのと同じなので、死滅してしまうのだ、と。
 同感である。





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