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 ロシア(プーチン)はウクライナ侵攻をどう終わらせるつもりなのか?  ・・ (2023/05/28)


 硬直化したかに見えるロシアによるウクライナへの侵攻、今後の方向を推測する拠り所になりそうな記事が日本経済新聞の掲載されていましたので、ご紹介します。2023年5月25日(木)日経新聞社のコメンテーター、秋田氏によるものです。(興味を持たれた方は、是非、日経新聞のデータにアクセスし、原文を読んでみてください)

この中で私が注目したいのがこちら。

1.バルト3国は、かねてプーチン政権の「拡張主義」を警告していたが、世界は十分、耳を傾けてこなかった。結果、現在の状況が生まれたのだと。

2.そんなバルト3国の1つ、ラトビアの首相が語るには、「欧州に恒久的な平和をもたらすにはロシアを徹底的に敗北させ、1945年以降のドイツのような内部変化を起こすしかない」と。

3.米欧のロシア研究者からは「拡張主義」は帝政ロシア以来の体質であり、リーダーが交代しても(プーチンが今の座から降りたとしても)消えないとの指摘が聞かれる。

 注1)2を読んで思い出したのは、日本が大東亜共栄圏を構想し第二次世界大戦突入したが、戦後は一転して卑屈なまで(?)に不戦へと突き進んだのは、完膚なきまでに戦いに敗れたからだと。
 であるなら、ロシアにも同様に大きな歴史的な転換を求めるなら、(上記2にあるように)再度侵略への道に歩もうとは思わないであろう程にコテンパンに負け、国民レベルから新しいロシアを再構築したいと思うようなステージになる必要があるのかもしれませんね。

 注2)ロシア軍事の評論家、小泉悠が語るところによれば、ロシアを称して「ロシアほどの軍備を持つと、いつか使いたくなる」と。軍備にかける予算を国民の生活レベルの向上に向けようとする動きがないと、再度、同様な侵略が起こるのかもしれませんね。


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 こちらは、中央日報/中央日報日本語版からの紹介だそうですが、メールニュースによれば、ワグネル首長の警告「ウクライナ軍最強…このままではロシア革命が起きる」のだそうです。

 ロシアの傭兵企業ワグネルグループの首長、エフゲニー・プリゴジン氏は、ウクライナ軍が世界で最も強い軍隊であることを認めつつ、ロシア軍の損失が増え続ける場合、1917年のロシア革命のような体制転覆が起こる可能性があると警告した。同氏は、ロシアの侵攻目標の一つであるウクライナの非武装化に失敗したことによって、戦争が逆効果を生んだとも指摘した。そのうえで、ロシア政府に対して戒厳令と追加動員令を下すべきだと訴えた。

 ただ、ここで言う「体制転覆」は、恐らくは軍とFSB(KGB)が結託してプーチンを倒し、新しい体制を作る、という意味であって民衆をベースとした体制転換ではないのでしょうね。つまり、年数がたてば再び、プーチンのような人間が上にたち、帝政ロシア以来の体質である「拡張主義」へと戻ってしまうのでしょうね。


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