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74.最初の1年は失敗と経験の1年と割り切っています ・・・ (2011/05/22)

この仕事を始めてから、いろいろな人に出会うことが出来ました。情報交換をしていて、その人なりの視点、ものの見方に大いに刺激を受けたものです。特に、既に経営者として別分野で活躍している方(兼業として中古車輸出を始めた方)からのお話しは、自分が今、サラリーマンから経営者へという視点への切り替えをしている最中なもので、とても参考になります。

その中のお一人、 さんは「最初の1年は失敗と経験の1年と割り切っています」とおっしゃる。聞けば、意識して、売るのが難しそうな車を仕入れています。たとえば、大きくへこんだ車を、「へこんでますよ〜」と宣言した上で、相手がどんな反応をするか見ています。同様に、あえて20万Km以上走行した車も仕入れています。発売されて10年以上、10万Km超えているだけで日本人なら買うのを尻込みしそう。それをあえて、売るのが難しいと思われる商材を仕入れ、販売にトライしています。というのも、我々が考える価格 vs 品質と彼らが求める価格 vs 品質とはかなり違いがあるからです。単純化すれば、価格というファクターが我々が考える以上に重要だという事実でした。

「失敗は買ってでも経験したい」ということのようです。その背景には、初年度は経験がないのですから、上手くいかなくてあたりまえ。そんな時期に、いろいろな困難を経験、蓄積しておけば、2年度以降が楽になるということのようです。なるほど〜、でも出来そうで、なかなか出来ないですよね。特に、私のようなディテールにこだわり過ぎてしまう人間には、頭で理解していても、いざ実行するとなると難しいですね。

その昔、週刊朝日の名編集長だった扇谷正造さんの著書に「経験こそ我が師」があったのを、ふと思い出した。この本を読んだのが20代のことだったもので、書いてあった内容は忘れてしまいましたが、恐らくは、言わんとすることは同じだったのでは? と思う今日この頃です。


余談ですが、アフリカに中古車を売る、という仕事は釣りに似ています。(と言っても、さして私が釣りに詳しい訳ではないのですが)。例えば、昨日までイソメで釣れた魚が、今日は釣れない。ならばと海老を餌にしてみると釣れたりする。また、釣り同様、ただボーっと釣り糸をたれていれば良いわけではないのです。釣れないのであれば、糸の長さを、深さを変えてみるとか、場所を変えてみるとか、などいつも「どうやったら釣れるのか」を考えていないといけません。

たとえ釣り糸に魚がかかったからといって喜んではいけません。用心深い魚ゆえ、海面に魚の姿が見えたからと急ぐとバレでしまいます。船に上げるまでは気を抜かないことです。中古車の輸出も同じで、「買う」と言ってくれていても、待てど暮らせど送金がない、ということもざらです(私の場合は、前金で貰っているので実害はないのですが)。入金があってから喜びましょう。

相手先アフリカでは、中古車を販売するディーラー網が整備されていない様子。また、インターネット時代の特徴ゆえに、わざわざディーラー経由で高値で買わなくても、個人がインターネットを使えば、ディーラー同様に日本から直接車が買える時代です。後者の場合は、相手も海外取引の素人、こちらも素人、ということで、ことの他手間がかかったりします。


この仕事、やってみると手間が多く、大規模組織でやるのには効率が悪そう。台数をこなすのは大変そうで、薄利多売ならぬ薄利少売、といった感じです。専業でやっている若い方をみかけますが、かなり大変だろうなと思うことしきり。時間のたっぷりあるシニアの人、英語なら多少は出来る、一度貿易なるものをやってみたかった、といった人には面白いかもしれませんね。ただし、儲かったら海外旅行を、といった夢は持たない方が良いかも(苦笑)。むしろ国際交流のボランティア、くらいに思っておいた方が良いのかもしれませんね。



この車、1998年10万キロ走っていますので、日本人は買わないでしょう。
日本は国土が狭いのでこの程度の距離で済んでいます。また車検制度の
お陰で、程度の良いものも多いのです。本来、廃車になる運命のものがア
フリカで第2の人生(?)を送ることになるわけです。             .



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