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423. 東京しごとセンター 主催、創業「寺子屋塾」で講演をして ・・・ (2024/03/10) 


  私が定年退職したのが60歳の年。すでに老眼でもあったので、ローガンを屋号にしました。

 これを聞いてお分かりのように、起業ということをそれほど難しく、申告には捉えていませんでした。 
 会社勤めの時代、特に50歳頃からの転職は、相手企業の社長(そのほとんどが知り合い)からの依頼での転職でした。
 切れ目無く転職をしてきた私でしたので60歳にしてい始めての「失業保険」を受け取るためにハローワークに通い始めました。

 並行して、定年後の就職先探しをしましたが、ハローワークのデータベースにある会社に興味を持てる先も少なく、またあったとしても(履歴書を送ってみても)返信すらありませんでした。

 なんとしても仕事をしていきたい、と思うのであれば自分で事業を始めることしか方法がありませんでした。
 皆さん、ご自身で事業を始めようと思ったら、何をやるか、どうやるかは自然と考えておられることと思います。

 案外大事なのがBの何のためにそれをやるのか?です。

 長く事業を続けていくと、思い通りにならないことや、アクシデントに出会うことがあります。
 そんな時に、その困難を越えるエネルギーの元となるのが、「私は何のために、この事業をやろうと思ったのだっただろうか?」です。
 言葉を変えて言えば、自分が事業を始めたことの原点に回帰して、あきらめるのか、はたまた再起動するのかを考えるきっかけとなるのです。
 起業を考えている方々とお話しをしていると、起業テーマを固定的に考えている人が多いようです。
 それはそれで良いのですが、私の意見では、起業テーマは弾力的に幅広く決めて良いのではないかと思います。

 私は定年前は、外資系IT企業(ソフトウェア)で働いていましたので、その時点では「中古車輸出」と結びつくものはありませんでした。
 しいて言うならば、たまたま英語が出来たので、漠然とですが「貿易」には興味がありました。

 ここでのポイントは、次のステップに進む機会となるのが「行動を起こす」ことです。
 定年直後、アメリカ留学時代の同級生とコンタクトし、彼の了解を得てガーナ(西アフリカ)に旅行することを決めました。

 そこで目にしたのが、日本から届いていた大型トラックでした。
 地球の反対側であるアフリカのガーナに日本のトラックが輸出されているのを目の当たりにして、感動したわけです。

 
 これは大学のゼミの先生が言われていた言葉なのですが。

 必要なのは、チャンスが巡って来た時に、そのチャンスを掴みとれる用意を日頃からしているのかどうか、ということでした。

 振り返って考えてみると、何かをやろうとして貯金をしていた訳ではないのですが、当時社内預金にしていた「300万円」が、チャンスを掴む糸口になったのでした。
 あとは、1つのきっかけが、次のステップへのきっかけをくれる、という感じでした。
 繰り返しますが、起業テーマは馴染みのある分野で構わないのですが、反対に「今までやたことのない領域で」ということでも構わない訳です。

 スタート時に個人事業として始める場合ですが、「人は雇わず一人で起業」、「まずは自宅をオフィスとして」と考えると、起業の難易度はぐんと下がります。
 また、起業直後の荒波に耐えることをより容易にしてくれます。

 固定費を低く抑えておくことは、コロナ倒産・廃業を見てわかるように、環境変化により耐えうる状態を作ってくれる、ということです。
 本日の聴講者で「中古車輸出」を考える人はいらっしゃらないと思います。また特種な領域ですので、馴染みがないと思いますが、ざっとだけ紹介しておきたいと思います。
 このビジネスで一番難しくする要因が仕入れが「競り」にならざるをえないことからです。

 ササビーズにより美術品の競りをテレビでご覧になったことがあるかと思いますが、何かを買い付けたいと思っても、それが「いくら」で買い付けられるのかは分からない、ということがこの事業の最大の難しさになっています。

 ある程度経験を積むことで難しさは低減出来るのですが、やはりこの事業の難しさは、この「競り」による仕入れ方法があるからでしょう。
 さて、現在74歳の私は、コロナで3年休眠し、中古車輸出を再開したばかりなのです。

 従来とはまったく異なる輸出先として、北米市場に向けて「軽トラック」を輸出することを決めたところなのですが、どこまで続けられそうなのかは現時点では何とも言えないのです。

 当面の目標としては、今年のお正月番組で見た番組に紹介されていた大間のまぐろの1本釣り漁師、小浜文雄さんが、88歳で船を下りるまで漁師を続けてきたことに感動をし、(88歳まで、は難しいそうですが)せめて84歳までは、と考えています。
 このスライド部分は、ここに書かれているとおりです。

 3つ目の項目について私がどうしてこれを項目に加えたのかだけ解説しておきます。
 車が好きで儲からないビジネスをしてしまう人がいます。
 あなたが好きな車種が必ずしも買い手が欲しい車種とは限りません。
 ”売れる車”を仕入れるのが原則です、あなたが好む車を仕入れると、えてして儲からないお仕事になりかねません。ご注意を!!
 下調べが通り一片で終わってしまっているケースをよくみかけます。もっと深く調べたら、別な結果が見えてくるのではないかと思うことがあります。
 特に、ネットが得意な人はネットに依存しすぎる傾向があります。
 直接人と接触して、別な角度からの情報を得てみることをお薦めします。

 
 今回のこの講演の内容についてですが、素材は、ほとんどが私のホームページに紹介されているものです。

 「良く調べてみて!」でも言ったことですが、もしあなたが中古車輸出をやってみたい、と思うのであれば、私に何かを質問する前に、私のこのホームページのバックナンバーを読んでみた方が良いでしょう。質問項目に対する答えは、どこかに書いてあるはずですので。


編集後記:
 振り返って考えてみると、事業は、1つの丘を越えると、こちら側にいたのでは(たとえ天才でも、想像は出来ても、実態は)見ることが出来ない景色を自分で見ることが出来るということ、かと。

 そして、1つ丘を越えると次の丘が見えてきます。1つ越えたことのある自信が、次を越えてみようという動機になります。こうして1つ1つ事業を拡大していく活動が「経営すること」なのかな?と思います。

 私の知る限りでは(よしんば経営に失敗した経営者であったとしても)経営(社長)をするのは面白いぞ!と言うかと思います。そうなんです、私が何故事業を続けてこられたのかを考えると、事業をやっていくことの面白さを知ったからです。それは、誰かに「やれ!」と指示されたからではなく、自分がやってみたいと思えばこそ生まれたちょっとした感動のような気がします。


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