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413. 中古車輸出ビジネスをやってみたいと思っている若者へ ・・・ (2023/11/25) 


 私が2010年に中古車輸出を始めた頃は、アフリカ東海岸(日本と同じ右ハンドルの国々)向けの輸出が最盛期を迎えていました。しかし、この業界最大手の1社が、力に任せて大規模化を進め、あれよあれよという間に市場がこの会社によって席巻されていきました。個人事業主達はチリのように吹き飛ばされ、すべて撤退していきました(中にはタクシー会社に職を見つけた人も)。

 私はというと、ニュージーランド移住を考えていた中国の人と偶然のきっかけで知り合うことが出来、その彼のビジネスをお手伝い(日本での中古車調達しニュージーランドに輸出)することで、アフリカ時代をはるかに越える売上を上げることができました。もっともそれも、その後のコロナウイルス流行で(中国人の彼が、中国に帰国してしまい)、私のニュージーランド向け中古車輸出ビジネスもたった3年で一区切りを迎えることとなりました。

 コロナウイルスの流行で今までやっていけたことから撤退せざるを得なかったり、多くの人の人生が少なからず影響を受けたのだろうと思います。私のビジネス規模レベルでの撤退は、たいした問題でもなくやり過ごすことが出来ましたが。
 コロナ流行で世の中のビジネスが停滞した時期、私は静かに過ごしていました。私は映画が好きなのですが、映画館に行くのははばかられ、代わってNHK・BSで放送される映画を見てみたり、Amazonプライムビデオを楽しんだりして過ごしました。また、コロナ流行中の3年くらいは、図書館から本を取り寄せ、年間40〜50冊の本も読みました。こんな具合に時間を持てあますという状況にはならずに済みました。

 2023年(令和5年)5月8日から、新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」になりました。(https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html) これをきっかけに、どうやったら中古車輸出を再開出来るだろうか、と模索を始めました。

 再開を準備する中で、定年後起業をしたとき(2010年)以上の大変さを味わいました。多分、実際には2010年の定年後起業の方が大変だったのでしょうが、たぶん「のど元過ぎると暑さを忘れる」ということなのかすっかり忘れてしまっているもので、今回の再開の方が大変に思えました。(笑)



 その後の情報収集の結果、分かったことは、おりしもの円安・ドル高が“輸出”にはもってこいのタイミングだと感じました。お陰で私が個人的に副業レベルの売上を上げるくらいのことは、北米向け軽トラ輸出だけで達成可能との感触を得ました。

 北米向け中古車輸出の特徴は、アフリカ向けが製造から10年から15年くらいの車輌が対象となるのにたいして、なんと!製造から25年以上たった車が対象となっていました(アメリカが年式規制をしている関係)。始める前は、製造から25年もたった車でまともなものが仕入れられるのか不安でした。しかし、久しぶりに中古車オークション会場へ行ってそれらを見てみると、心配は杞憂だと分かりました。

 あらためて、いかに日本人が車を大切に長く乗っているのかということが分かりました。また、日本の自動車会社が作った車の優秀さの証明みたいなもので、25年たっても、十分使用に耐えるクオリティーを保持していました。さらにこれらの車を中古車オークションから調達可能だと言うことも分かりました。

 今回は初めてのアメリカ向け輸出ですので(軽トラが売れているらしいということまでは分かりましたが)実際にはどんな車種(どこのメーカーのなんという車種が)受け入れられるのかは手探りの状態。さらには、市場のニーズが分かったとしても、その商材を手頃な値段で仕入れられるかが問題なのです。



 ◎曰く、人は見た目が9割、中古車輸出の(成否は)仕入が9割、ですね。

 ではどうしたら良いのか?中古車の仕入れを会得するには、オークション会場を駆け巡り、覚えるしかないと私は考えます。私なりの言い方ですと「車に教えて貰う」という謙虚さが必要なのだろうと思います。なので、ネットに慣れた若者がいきなりネットで調達・仕入れを希望しても(中古車の見立てが分からないはず)、そう簡単にはいきません。

 ここ1ヶ月、私が加盟しているオークション数社を調査してみました。結果、1社の中古車オークション会場が目的の車輌を見つけ、落札出来る可能性が高い会場と分かりました。10月から通い始めてみて、たとえば今週の開催では下調べした対象車両は4台でした。広いオークション会場(駐車場)を行ったり来たりしながら、対象の車の「現車確認」をするのです。というのも、製造から年数のたっている中古車ですので、どんな不具合が隠れているか分かりませんので。
 ちなみに今週オークション会場へ行った日の万歩計の数値は10,000歩を越えていました(ほぼ、ゴルフで1ラウンドする歩数と同じレベル)。とにもかくにも最終的にはその中の1台を落札することが出来ました。


 軽自動車自体は展示会場のあちこちに展示されているのですが、赤枠で囲ったエリアは“軽自動車だけが”展示されています。



 実は10月から競りの状況を追っていて、これなら行けると思ったものの、11月に入って潮目が変わってしまいました。オークションの出品物には流れがあり、例えて言えば、釣りのようなものかもしれません。昨日までは順調に魚が釣れていたのに、同じ釣り場所なのに今日はまったく釣れない、ということもあります。目的の車が出品されてこないことには、買い付けしようがありません。

 魚が釣れない日は、ちょっと浮気してみて、いつもとは違う釣り場(オークション会場)に行ってみるのも良いでしょう。もしくは浮気をせずに、これと決めた同じ釣り場(オークション)で次こそはきっと釣ってみせると決意し、じっと待つしか方法はありません。


 今回の私の場合、ようやく目的の車輛が出品され出したのが11月も半ばになってからでした。しかしです、それを待っていたのは私だけではりませんから、めぼしい車の競り価格が目の前でどんどん競り上がっていくのを唖然として(そんな金額で買っちゃったら利益が出ないよう〜と)見守りました。

 皆さんがご存じのことでは、ササビーズによる美術品などの競りがありますが、中古車でも「競り」 というからにはこうしたことがしばしば起きます!

 結果、1番目狙いの車輌は落札出来ませんでしたが、低価格で競りにだされるカテゴリーに、これ、良いじゃない!という車を見つけ、競合することもなく落札することが出来ました。このあたりの現場でのアドリブ的な行動は、ある程度経験がないと難しいでしょう。(あせって買ってしまうと、問題あり車輌を買い付けてしまいかねませんから)



 こんな具合に地道な経験を積み上げて仕入れのエキスパートになっていくのです。ある中古車輸出サイト運営会社の社長が言った言葉、「もはや未経験者が中古車輸出を始められる時代ではなくなった」というのも頷けます。もしあなたが、こんな状況にあっても、中古車輸出をやりたいのだ、ということであれば「簡単ではないんだぞ」と覚悟してスタートすることですね。

 具体的に未経験者はどうすれば良いのか?どこかオークションに加盟して、しばらくそこに通い続けてみることで経験を積むという地道なことをやるしかないのかもしれません。(古物商ライセンス取得から、オークションへの加盟と、時間がかかりますので、準備に1年は辛抱する必要があるかも?)

 ちなみに、私は過去何人かのご指導をしてきましたが、いずれも相手がこうした地道な指導に付いてこれませんでした。

 私の年齢(年明けで74歳)のこともありますので、これ以上、どなたかを指導するつもりはありません。もし中古車輸出がやりたいのであれば、ご自身でノウハウを掴み取ってください。Help Yourself !

(堀江貴文さんのところには、経営指南を受けたくていろいろな人が問い合わせてくるのだそうです。しかしあまりに自分で下調べをすらしていない人も多く見受けられ、そうした人に対しては、思わず”自分でググれ!ボケ”と言いたくなるのだそうです)


※ 屋号のローガンは、60歳になっての定年起業だったもので、「老眼」をもじって、LOGANにしました。
 




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