401．もはや未経験者が、いきなり中古車の輸出など始められる時代ではない（Part
III) ・・・ (2023/07/02)
開始時の苦労の中に喜びを見つけることが出来れば、ずっと続けられるのだが、、、
その仕事のコツを会得するのには時間がかかるが、いったん会得してしまえば、たまにしか使わなくともずっと利用することが出来る経験。どこかスポーツと似ているかもしれない。
例えば、私の好きなゴルフ。前傾姿勢でボールを打つという動作、プロ野球選手でも、初めてクラブを握った時には空振りすることがあるのだそうだ。しかし一旦コツが分かると、本来野球の選手が持つ「棒」をもって「球」を打つという動作と共通するものを見つけ、一般人とは格段に違う飛距離を実現してくれる。
私の友人の中に「以前ゴルフを始めたいと道具を揃えてみたが、あまりに上達しないので、その後止めてしまった」が数人いる。これなども、ある到達点まで行けば、面白さが見えてきて、続けられるのだが、そこに来るまでに挫折感を持ってしまうと、もうそれ以上続けようという意欲が沸いてこない、ということのようだ。
これはあくまでたとえ話だが、どうやら中古車輸出ビジネスも同じ感じなのではないかと思い始めた。なぜなら、この仕事を始めるにあたっては、
①古物商のライセンスを取得、
②中古車オークションに加盟するために保証人を見つけなくてはいけない、
③起業であるからには起業資金が必要となる、
ここまでの苦労が、６０歳を過ぎてから起業した私には無難に超えることの出来た「壁」だったが、若い人には大きな負担になることのようだ。だとすると、ここまで苦労しても生活していけるだけの稼ぎがコンスタントに出るのでなければ、当然のことながら、やりたいとは思わないだろう。
※
７０％の売り上げに貢献してくれる数社、数十社だけを相手にしている方が効率が良い
６月３週目に入ったところでCarFromJapanのイナム社長から電話があり（日本に戻ってきているので）「会いたい」とのこと。浜松町でランチを一緒しながら１時間ほどお話をした。その趣旨が表題にある言葉に象徴される。
具体的な数字を聞いた訳ではないが、彼が言っていることを要約すると「CarFromJapan加盟店の大手数社、数十社だけをが売上の７０％に貢献してくれている」。以前から加盟している中小零細数十社なら残り売上３０％であっても手間がかからないのでそのまま居てくれて構わない。しかし、全体の売り上げの３０％部分を確保したいがために、中小零細の新規加盟店を募集するのか？それはあまりに効率が悪く、さらに歩留まりがすこぶる悪いので（初めてみても、その多くは早々に辞めてしまうので）あえて積極的に加盟店を増やすつもりはない、ということのようだ。
最近のトヨタ・オート・オークション関東の営業さんと話をしていても、新規加盟店を増やそうという意欲はまったく感じない。以前なら、新規加盟店募集のプロモーションをし、紹介してくれた会員さんにはプレゼントをするなどのこともしていたのにだ。（私も新規会員を紹介して小型すールケースを貰った）
また別の例だが、以前はＪＲ稲毛駅前からオークション開催日に送迎(小型)バスを運行していた。それをコロナの流行を理由に止めてしまった。ではここへきてコロナが収束しつつあるなかで、復活するかというと、どうやらそうするつもりはなさそうなのだ。
これなども、お得意会員さんは皆、自分の車で会場に来る。一部の中小零細加盟店さんだけが電車でやってくるとする。この部分の人は、売上に大きく貢献してくれる訳でもないので、あえてコストのかかる送迎(小型)バス運行再開しようという積極的な動機付けにはなりにくい、ということのようだ。このあたりはまったく私の推測だが、案外当たっているのではないかと思っている。
ECサイトを運営する経営者としては、儲かる事業に会社のパワーを集中させるというのは常識的な判断なのだろう。
また反対に加盟店側の視点で考えてみよう。昨今の若い人の考え方からすれば「簡単に経験が持てて、それを持って副業が出来る」というのが好まれる仕事像なのかもしれない。
いずれにしても「簡単に始められるのがネットビジネスに求められる要素」という仮説からすると、少なくとも多くの若い世代の目には「中古車輸出」は苦労が多く、稼ぎは（苦労の割には）大きくないのかもしれない。
しかし考えてみてほしい、ラーメン好きが高じてラーメン屋の開業を考えたとする。繁盛する店にするために、個性的な「スープ」であり、「麺」であり、を追求していくのだって、そんなに簡単なはずはないのだが。
どうも若い世代には、頭で考えただけでブレークスルー出来そうなものが良い仕事なのだろう。多分？