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394. 儲かるようにやれば、儲かる?(Part III) ・・・ (2023/03/19)       


  私がTradecarviewに加盟していた時代、羽振りのよい会員さんが言っていた言葉に「儲かるようにやれば、儲かるんですよ」この言葉があったのを思い出した。その時は、「コイツ、好調だからと調子に乗っているな」と感じました。 しかし今になって考えてみると、まさにこの通りだなぁ、と。

  儲かる人は儲かるような行動をし、儲からない人は(本人が気付かないまま)儲からないような行動をしてしまっているのかも?と感じます。今回も、そんなあたりを解説します。



 2010年に中古車輸出を始めてみて、当時、所得水準の低いアフリカの向け輸出をやっていたこともあり)利益の薄さに大変さを感じていました。その後、この仕事をやっていく中で、各種還付があることに気付き初め、順番に還付が受けられるように手続きを進めていきました。

1.自賠責保険の還付を受ける

 もしあなたがナンバープレートの付いている車を仕入れたとしたら、車検が残っているはずで、イコール「自賠責保険」も残ったままになっているはず。

 であれば、輸出先が決まり、陸運局で「輸出抹消」して貰い、その書類(コピーでも可)を持って、その自賠責保険の契約先である損保保険会社に行きましょう(電話で、送り先を確認した上で、郵送することも可能、その場合は左の伝票をあらかじめ入手しておくと良いでしょう)

 幸い、私は都内の中心部に住んでいるもので、ほとんどの自賠責保険の保険会社は近場にありますので、書類を持って直接「保険会社」を訪問をするのが一般的です。
 直接「保険会社」を訪問すれば、短時間待っている間に残存保険料を計算してくれます。あとは、あなたの銀行口座を伝えておけば、後日送金してくれますので。


 ※残存期間の保険料は、前の車のオーナーが、いつ保険契約をしたのかによりますので、いくら戻ってくるかは分かりません。場合によっては、新規に自賠責の契約をしたばかりなのに車を転売したケースなどでは、万円単位の保険料が(あたらしい所有者である自分に)戻ってくる場合もあります。






2.リサイクル料の還付を受ける


 車を買付ると、オークション会場より書類一式が送られてきます。その中の1つが「リサイクル券」です。

 家電の場合はこうした証明書は付いてきませんが、自動車の場合には必ず「リサイクル券」 が付いてきます。

 (始めての時は)まずは「自動車リサイクル促進センター」 に電話して、手続きのやり方と聞くと良いでしょう。

 輸出が完了したら、関連書類を含め一式を「財団法人自動車リサイクル促進センター」宛に郵送してください。後日、リサイクル料があなた宛に還付されてきますので。


 ※ 実績が出来てくると、財団法人自動車リサイクル促進センターから、ネット申請を認められるようになります。こうなると申請も簡略かすることが出来、さらに過去に申請した案件の進捗状況などもネットで確認出来るようになります。
 




3.(極めつけは)消費税の還付を受ける

 インターネットで「自動車輸出」 「消費税還付」と検索すると、次のタイトルが検索されるはずです。

  「No.6551 輸出取引の免税 - 国税庁

  事業者が国内で商品などを販売する場合には、原則として消費税がかかります。しかし、販売が輸出取引に当たる場合には、消費税が免除されます。これは、内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づくものです。


  消費税は、中古車を仕入れる際に、オークション会社を経由して一旦支払います(納税します)。しかし、前述の法律に基づき還付されます。そのためには、あなたが「消費税の申告事業者」になっている必要があります。

  通常、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者になりますが、それ以下の規模の法人(例えば私がアフリカ向け中古車輸出をやっていた時代には、課税売上高が1,000万円を超えていない青色申告事業者でしたが、税務署に申告をし、課税事業者になりました)

  この部分だけ聞くと単純にメリットだけのように思いがちですが、必ずしもそうではありません。お国としては、一旦納税されたものを「還付」するのですから、還付を受ける事業者の経理処理がきちんと行われているかどうかを確認すべく「あなたの事務所まで確認に来ます」


  通常は毎年3月に「前年分事業」の確定申告をすると5月頃に還付されてきます。この事業を始めて最初にこの還付を受けた時は、前年に550万円もするニッサンGTRの中古車をニュージーランドに輸出していましたので、この消費税還付額はバカにならない金額でした。

 きちんと経理処理をした上で、ぜひ消費税の還付を受けてください。(ちなみに、あくまで支払った消費の戻り(還付) ですので、自社の決算書の”売上”や”収入”とは別途に手にするお金です)



※ 「輸出大企業に消費税1.2兆円超還付 税率10%で1810億円増大

  ネットで検索していたら、こんな記事を見つけました。そうなんです、輸出による消費税還付の最大の受益者は「トヨタ」のようです。その意味で、この法律は既得権として変わることはなさそうですね。



 注)このほか、(東北の大震災以前からこの仕事をしている人だけが対象ですが)輸出時に自動的に検査され、請求されてくる「放射能の検査代 」を東京電力が還付してくれる仕組みもあります。


 私が還付を受けているのは以上ですが、申し上げたように、輸出先国によっては(例えばアフリカのように)所得水準が低く、買ってくれるのは古くて安い中古車ばかり、となると、表面上はアフリカ向け輸出は労力の割には儲けは出ないような感じでした。それでも事業を続けてこれたのは、こうした還付を得てなんとか息が継げたからです。




<解説の最後に>
 私の解説は、副業と考えた場合の中古車輸出(私の場合は、定年後起業として、年金の足しにというレベルでしたが)。これで食べて行こう、生活を立てていこうと思うと、もうワンランク仕事のレベルを上げる必要があるかと思います。ここからは私の推測ですが、

 1.まず乙仲さんへの保管料を節約する意味で、自前の保管場所(ヤード)を持つ必要があると思います。というのも、2010年に定年後事業として中古車輸出を始めた時、初年度の決算をしてみて驚いたのは、思いのほか乙仲さんに払っていた車輌の保管料が多く、利益を圧迫していたことが分かりました。
 通常乙仲さんでは無料期間(一般的には1ヶ月)とそれに続く期間での保管料とに期間が区分されますが、保有車輌の中には、なかなか売れない車もあったりします。そうした場合、保管料がかさむのを避けるために”売り急ぐ”必要が出てきます(俗にいう「損切り」が必要となってくるわけです)。そんな時、自前の保管場所さえ持っていれば、損切りしてまで売り急がなくても済んだのにと思ったものでした。

 2.直接エンドユーザ向け輸出をやっているのは大変なので、パートナーを海外に持つ必要があります。アフリカメインでやっていた時代には、(私は英語が出来るので)ウガンダにパートナーさんを作りました。パートナーさんのお陰で、売れる車だけを仕入れていたのでとても楽になりました。ただ、ビジネス規模が大きくなった時、通常は先払いで支払を受けて輸出していたものを、支払は後でよいから、と先に車を送った(輸出した)ことがありました。アフリカの人向けに「後払いで輸出」は絶対にダメですね。結局、車は輸出したものの支払をして貰えなかったという苦い経験もしました。

 3.より利益率を確保出来る市場にパートナーを持つ。これまた私が英語が出来るもので、ニュージーランドに新しいパートナーさんを見つけることが出来ました。前述のトラブルでアフリカ向け輸出に見切りを付け、ニュージーランド向け輸出に専念しました。この時期は、年間売上が2000万円を越えました(それ以外に、数十万円規模の消費税の還付もありましたので、また生活経費の一部を事業経費として処理も出来るので)、独身であれば食べて行けるレベルではあったかと思います。

 4.Tradecarview時代に名刺交換した40人程度の事業者で、いまも事業を継続している人が一人だけいます(あとはすべて撤退していった)。彼は、何年かがんばったものの大手に押され、輸出はあきらめて、ヤフオクを販路に中古車の国内売りをしています。生活はしていけるのでしょうが、それほど優雅な生活は望めないのではないかと推測しています。

 そんなことからすると、望むらくは、国内向けでも、輸出向けでも、どちらでもいけるような車種を仕入れ、さらに自前の保管場所があれば、国内・国外のいずれでも、売れる方に売る、という方法が採れるかと思います。


 ここまでは個人で事業をやるレベルの話しです。私が生き残って来られた理由の1つが、オフィスは借りず自宅でお仕事をし、人は雇わず、外部の力を借りてやってきたことが存続出来た理由と思っています。
 法人として、事務所を持って、人も雇ってとなると私には経験がないので分かりません。ただ、現在のように大手さん(ビィフォワード、SBTなど)が大きな市場、例えば東アフリカ市場を席捲していますので、法人にしたとしても、小規模なものは、よほどの人脈を持ち特定市場との結びつきでもないと、コンスタントに売上をあげられるビジネスは難しいかもしれませんね。


 私は、一時期、留学時代の友達との縁で、ガーナ向け輸出をやりましたが、小さな規模でしたが、楽しいお仕事が出来ました。今後も、こうした個人人脈で、小さなビジネスは出来そうですが。(私のやり方は、あくまで英語が出来ることが前提で、かつ人脈作りが上手いことが前提となります)

 今回、私のホームページに紹介した内容は、私という一人の人間が経験した範囲での話しですので、あくまで何かのとっかかりとして参考にし、あとはあなたのビジネスセンスでより大きな流れを作ってみてください。ご検討をお祈りします。




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