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393. 儲かるようにやれば、儲かる?(Part II) ・・・ (2023/03/12)       


  私がTradecarviewに加盟していた時代、羽振りのよい会員さんが言っていた言葉に「儲かるようにやれば、儲かるんですよ」この言葉があったのを思い出した。その時は、「コイツ、好調だからと調子に乗っているな」と感じました。 しかし今になって考えてみると、まさにこの通りだなぁ、と。

  儲かる人は儲かるような行動をし、儲からない人は(本人が気付かないまま)儲からないような行動をしてしまっている のかも?と感じます。今回は、そんなあたりを解説します。


 

 中古車の競りに参加する方法には、「会場内」での場合と、「会場外からインターネット経由」で競り参加がありますが、今回解説するのは、もう1つの分類の、「指値」「POS」についてです。

 まず、ネットで「指値」について調べてみました。多くの場合、この言葉は、株への投資に使われているかと思います。

指し値/指値注文 (さしね/さしねちゅうもん)

 希望する売買価格(買いの場合は上限価格、売りの場合は下限価格)を指定して発注する方法。 例えば、株式の売買において、「A株式を500円で1,000株買いたい」とか、「B株式を500円で1,000株売りたい」などといった注文を指値(さしね)注文と呼びます。


 中古車売買の場合でも、○月○日に開催の特定のオークションで、出品番号○○番の車を買いたいとします。その車についての、自社にとっての妥当な仕入れ金額が、例えば10万円だとします。オークション会場の各座席ごとに用意されている端末から、もしくはオークション会場が用意してくれているネット画面から、指値金額を入力します(ネット経由での指値には少額の手数料がかかります)。あとは、実際に出品番号○○番の車が競りにかけられ、その結果を待つだけです。


 POS押しによる競り合いへの参加

 POSとは「Point of Sale」の略称で、一般的には「販売時点情報管理」と訳されています。 スーパーに行くと、商品に付いているバーコードを読み取り、それが小売店のサーバーに集計され、販売された時点の商品情報が管理されるアレです。

 「競り合い」については、時々テレビなどで紹介される、美術品のサザビーズ(Sotheby's )を思い出して貰うとイメージしやすいかもしれませんね。サザビーズでは、競り手がパトロンからの電話指示を受け、セリ会場で美術品を買い付けるべく、値段の吊り上げ合いをしているあれです。


 さて、中古車オークションの場合ですが、基本は同じです。違うのは、各座席にある長さ15cm程度の棒状のものにコードのついた押しボタンを手にして(もしくはオークション会場が用意してくれているネット画面上のボタンで)競り合い/ボタンの押し合いをします。
 (実際にはより多くのレーン、たとえば8レーンとかで並行して競りが行われますが)画面上ではそんなに多くの競りレーンを表示出来ませんので、その中の2つのレーンを選び、そこに出品される中古車を競り合いますので、POS押しボタンも、画面の右と左、2セットが 用意されます(通常は赤いボタンと緑か青のボタンの1セット)。


 大量に買い付けをする企業などでは、担当者をオークション会場に派遣して、操作画面から大量の「指値」 をインプットしていくのが一般的なパターンです。というのも彼らは1回のオークションで大量の中古車を買付ようとするので、リアルタイムでのセリに参加し、すべてをPOS押しするのが(同時並行で多くのレーンが動くので、買付の漏れが発生してしまう可能性がある)タイミングを取る意味で難しいからです。
 また、彼らは膨大な過去データから、経験則で、「当該車輌はいくらなら買うべし」としたしっかりとした裏付けを持っているので、たんたんとそれに従って買付を進めるわけです。

 かたや、私のように零細事業者の場合、特定のオークション開催日に会場に出向く時に、それほど多くの台数を競り落とすわけではなく、確実のその日のターゲット車輌を落札したいわけです。であれば、指値でやるよりも、必要に応じて多少高くてもPOSを押しながら、とにかく買い付けてしまう方が確実です。
 というのも、前述の指値の例で、ある業者さんが、特定の車輌に10万円で買付をしたいという「指値」 を入れていたとします。反対に私は、多少高めであっても、何がなんでもそれを本日仕入れたいと思えば、POSボタンを他社より数回余分に押せば(競合相手より数千円だけ高めで)ゲット出来る可能性があるわけです。

 かつて同じオークション会場で毎回出会う社長さんが言っていた言葉が印象に残っています。「買えなく(落札出来なくて)て後悔するより、買って後悔する方が勉強になる」 、と。

 「POS押し」 は欲しい車輌を着実の買い付けるメリットがある反面、慣れない人がやると、高買いしてしまう危険性もあるわけです。ただ初心者の場合は、高買いしてしまうことよりも「こんな金額で買ったら利益が出ないかも」と心配になり、POSボタンの「押し負けしてしまう」 ことの方が多いかもしれませんね。
 「指値」で行くか、「POS押しで競るか」、どちらが良いかは、その時に状況、そしてオークションに参加する人の「慣れ」「好み」 次第なのかもしれませんね。



※ 初心者が、i-AUCなどで指値をする場合、高買いしたくないと用心することから相場ぎりぎり、もしくは買えたらラッキーとばかりに安い金額の指値をすることが多いようです。こうなると、なかなか仕入れが進まないことが多いようです。また、1回ごとの「指値」に少額の手数料を取られますので、慎重にならざるをえません。
 そこで、賢い利用者は、○○オークションは本日指値手数料無料です、といったアナウンスがあったタイミングを狙って、まとめて多数の車輌に「指値」 をするようです。ただ、この場合は必ずしも、期待していた対象の車だけを買い付けられるとは限りません(意外な車を買い付けてしまう、など)。


 という具合に、「指値」が良いのか、「POS押し」 が良いのかは、状況次第ということで、必ずしも、どちらが良いという訳でもないのですが、ただ、中小零細の私などの場合のように、月に数台仕入れられれば良いのであれば、会場に出向いて、まずは現車確認をしっかりして(この状態の車なら、いくらいくらまで吊り上がっても競り勝つ意味がある、などが判断出来るため)、その上でPOS押しに望むパターンが確実でしょうね。

 落札出来たら、ついでに車輌の写真も、好みのアングルで撮影しておくと良いですね。海外向けに輸出するには、まず海外にいる買い手は写真を見て、買うかどうかを決めています。業者さん(乙仲さん)でも、有料で写真撮影を代行してはくれますが、やはり通り一遍のものです。自分で撮影していくと、車の別な姿が見えて勉強になります。何事も効率だけで考えるのではなく、1つ1つが勉強と思って対応していく考え方が大事ですね。



 


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