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383  中古車輸出ビジネスを始めるための各ステップで越えていかなければいけない課題たち ・・・ (2022/12/11)  

中古車輸出ビジネスを始めるための各ステップで越えていかなければいけない課題たち(過去の数件、立ちあげを指導した経験から)

 1番目に、この仕事を始めるには「古物商」という資格を最寄の警察署で取得する必要があります。基本、犯罪歴などがなければ許可が下りるようです。 私の場合、2010年と10年以上も前に申請して許可を得ているので、当時どんな書類を提出したのかを正確には覚えていなかったので、インターネットで調べたのが以下のような内容です。

警視庁の古物商許可申請についてのページより
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/tetsuzuki/kyoka.html

■個人許可申請の場合
略歴書
本籍が記載された住民票の写し
誓約書
身分証明書
(ネット系の場合)URLの使用権限があることを疎明する資料


■法人許可申請の場合
法人の定款
法人の登記事項証明書
略歴書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
誓約書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
身分証明書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
(ネット系の場合)URLの使用権限があることを疎明する資料

 1点、案外引っかかるのが、店舗として使えることの証明資料、つまり看板を掲げたオフィス正面の写真の提示でした。私の場合、親の家でしたが、戸建てでしたので、看板でもなんでも取り付けて写真が撮れたのですが(インターネット店舗があるのであれば、それを撮影、プリントアウトすれば良いのですが)、問題は、マンション等集合住宅の場合。住居専用であることを了承して入居している人は、店舗としての看板を掲示して写真を撮る訳にもいきません。つまり、中古車輸出ビジネスを始める最初の段階から躓いてしまうケースもありました。

 まあ資金的にゆとりのある人は、別途オフィスを借りれば良いのでしょうが、まだ収入も発生していない段階で、オフィスの賃料は負担になるでしょうね。



 2番目は起業の前提としての「起業資金」の用意。実は以前日本に長く居住されている外国籍の方へのご指導をさせていただいた際、かなり指導が進んでいて、あとは起業するのみ、というところで終わってしまいました。それは、「生活資金”以外に”所定の金額が用意出来るか」がクリアできず、終わってしまったケースだったもので。当時、その方(彼女)には二人お子さんがいらして"生活資金とは別に"(例えば中古車輸出であれば)100万円程度が用意出来るか、ということなのです。
 ですので、中古車輸出ビジネスで起業したいという方からアドバイスを求められたら、私でしたら、まずは起業資金について聞いてみて、用意が出来ていなければ、まずは起業資金の準備からして頂くようアドバイスさせていただくでしょう。(お金がないと起業出来ません。特に初期は投資ばかりが続き、回収は早くで数か月先になるでしょうから、起業時に大事なポイントです)



 3番目に、中古車オークションに加盟する際に求められる保証人を用意出来るか、ということ。
 一般に、eBayなどで活躍しようが、日本のヤフオクで活躍しようが、そうしたケースで保証人を立てろ!と言われることはありません。しかし、中古車を買い付けるために必須となる中古車オークションへの加盟では、@独立生計を営んでいて、A不動産を所有する保証人を”1〜2人”にたてることを求められます。
 ここは私の推測ですが、もともとこの業界は、自動車整備工場主が中心になって立ち上げた世界のようです。彼らが、古い車を引き取った場合、自社に展示場を用意してそこで販売するだけでは効率的ではありません。そこで、業界が中心となって中古車の売買が出来る「中古車オークション」の会社を立ちあげ、そこで取引が行えるようにしたようです。ですので、そこに加盟したいと思うのであれば、それなりの信用保証をしてからにして、ということなのでしょう。




 ただ、現在のようにネットでの取引が増えてきた時代では、ネットだけで完結出来る、仕入れ方法があります。主立ったものでは、以下の2つでしょう。

オートサーバー(ASNET)
https://www.autoserver.co.jp/admission/condition/
 法人と個人で入会時に求められるものが違うようで、個人の場合は保証人を求められるようです。また法人ですと保証人は求められませんが、定款に中古車もしくは自動車の売買が入っている必要があります。

アイオーク(i-AUC)
https://www.iauc.co.jp/index.html#guide
 こちらが、加盟に際しての敷居が一番低いかもしれません。(いち早く、中古車の買付が出来るようになると思います)

 いずれの場合も、特定のオークション会場に併設されたものではありません(自立した個別企業)ですので、中古車を調達しようとするあなたとオークション会場の間に介在します。別な言い方をするならば、手数料がダブル(中古車オークション会場、プラス、これら仲介会社の手数料)でかかるということです。

 私の場合、最初の数ヶ月間はアイオーク(i-AUC)に加盟し、独自に中古車オークションと契約(勿論、保証人を立てた)が出来た時点で退会しました。つまり多数のオークションへの網羅性よりも、特定のオークション会場だけで良いので、少しでも低コストで商材調達が出来る道を選んだわけです。



 4番目に、
売り先についてはどう考えていますか?

 かつては、一番売りやすい(輸出しやすい)国々は東アフリカの国々でした。理由は簡単で、日本と同じ(左側通行)右ハンドルの国々だったから。つまり中古車オークションで仕入れた車を何の改造もすることなく、そのまま輸出出来たからです。それが、私の記憶では2015年頃から、大手中古車輸出企業のビィフォワード社が輸出量を急拡大させ、あれよあれよという間に個人事業者は淘汰されていきました。(名刺交換をした3〜40名の方がすべて消えていきました)

 まずは以下の本を読んでみてください。それでもなお、中古車輸出をなさりたいというのであれば、この会社に対抗してどういう対抗策を持っているのかがカギとなりますので。



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 最近、私に直接指導をして欲しいという要望が届きます。しかし私などはこの世界では(私などは年は取っていても新参者で)、また業種もこの世界ではマイナーな「中古車輸出」のみをしている事業者、さらに実績といってもたかだか10年ちょっとです。それでもなお私のアドバイスが欲しいという方には、前述のような事柄がクリア出来るかご自身で確認いただいてから、直接ご指導をすることもお受けしています。


 中古車輸出の世界、大手が席捲してきている世界で、どうやって私が生き残ったかと言えば、英語が出来た私は海外にディーラーさんを見つけ、そこへの輸出を手がけたから。当初はウガンダ、その後はニュージーランドに代理店を持ちました。

 一部、繋ぎ的には、アメリカ留学時代の同級生でガーナ人の友達が、日本まで来てくれ数台の車を買って行ってくれたりがありました。持つべきは友達ですね。


 まあどの世界で商売をするにしても、それなりに苦労があるかと思います。この世界、流れがつかめさえすれば、私(60才までは外資系ソフト会社でセールスを担当していた)にでも中古車輸出で起業出来た訳ですから、私以外の人に出来ないという理由はないでしょう。ビジョンを持って取り組んでみてください。




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