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354.  「定年ひとり起業」 大杉 潤 著 (Part I)  ・・・ (2021/12/05)



 著者は、
「定年後の三大不安」と言われる「カネ」「孤独」「健康」をいっぺんに解決する最良の方法が、「85歳まで現役で働く」というのが持論とおっしゃる。本書では、70歳まで働く時代を迎えて、50代からいかに準備をして「定年ひとり起業」という新しい働き方に移行するかを具体的、実践的に解説しています。

 また著者いわく、セカンド・キャリアは定年後の「雇われない働き方」で、「定年ひとり企業」が誰でもハードルが低い選択肢になってきました、と。


 私はここが大きなポイントだと思っています。今まで大学を卒業して40年前後、ずっと雇われる働き方をしてきた人が、「雇われない働き方に切り替える大事なターニングポイントだからです。

 またあらためて紹介したいと思いますが、コロナ前から中古車輸出ビジネスが休眠状態となりました。71歳になっていますので、別にこれで仕事は終わりにして、好きなゴルフに明け暮れても良いのでしょうが、続けるにしても、終わるにしても、その区切りをつけたいと思っています。具体的には「ガーナへの旅行」がそのきっかけと思っています。
  で、大事なのは、コロナ時代にあって、繋ぎでアルバイトのようなことをしてみて思ったのは、指示どおり動けば良い楽さとは裏腹に、自分で考えて行動することが出来なくなった窮屈さを感じました。窮屈と考えたのは、一時期であれ(たかが10年ですが)、 自分で考え、自分で行動をし、すべての責任を自分で取る生活をしてきたからでした。

 つまり、定年後もどこかに属して働いたのでは、こうした感覚を味わえなかったでしょう。ゆえに、この著者が推奨する「雇われない働き方」に共感したのでした。


 試みに、私以外の人たちが、この本を読んでどんな意見を持っているのか知りたくなり、Amazonの読者レビューをのぞいてみました。するとこんなことが書かれていました。




 余談ですが、Amazonの読者感想を読むと、その多くに否定的なコメントが目立ちます。どうやら、「あらためて読まなくてもいいよね」という心理が働くのか、どちらかというとネガティブな書評に同意する人が目立ちます。私もこの本を読んでみて、確かに一流大学を卒業し一流銀行に勤めていた人ならではの考え方のような点もありました。しかしだからと言って、読んでも意味はない本とは思いませんでした。

 ちなみに1番目の人が、「この著者、趣味がないんじゃない?」はあきらかに違うと感じました。老後が長くなったお陰で、趣味だけで余生を退屈せずに済ますのは無理だと思うからです。たとえば、ゴルフが私の趣味ですが、行きたいと思うのに、行けない中で時間のやりくりをしてゴルフをするから楽しかったのだと、定年後、ふんだんに時間が持てるようになってから気がついたからでした。やろうと思えば、毎日でもゴルフが出来る生活の中でのゴルフなぞ、さほど面白くなくなること請け合いです。


 2番目の人のコメントも、分かる気がします。多分、この著者に限らず、1冊の本を出すとなると、いろいろ調査し、情報に抜けがないようにと幅広い情報を盛り込まないと本としての厚みが出てこないだろうと想像します。
 つまりこの著者の書いた文の中から、どこがこの著者の言いたかった部分なのかエッセンス部分を中心に置き、それ以外は、プラスアルファの部分と割り切った方が良いのかも?と思います。

 私が読んだ中では、やはり一度「雇われない働き方」を経験してみませんか?という部分を中心軸に置いて、それ以外の部分は、必要であれば参考にする、くらいで良いのかな?と思いました。



 ちなみに私が何かを加えるとすれば、皆さんがこの本に対して反論してきたようなエリートでもないし、まして金融関係の 仕事などしたことのない、ごく普通の人間だったこと。そしてその私に起業出来たこと。しかも、私自身は 定年退職した時点でハローワークに通っていたくらいで、起業願望など 意識にもなかった私が、、です。

 何が道を分けたのかと言えば、単純に「行動に起こしてみたこと」です。具体的には、40年も前のアメリカ留学時代の友達を訪ねてアフリカ・ガーナに視察旅行に行ったことです。これが起業のスタート地点になりました。
 いつも言う 例えは「丘に上がってご覧なさい、そうしたら向こう側の景色が見えるで しょ?」です。反対に行動を起こさない人は「例え東大卒のエリートでも丘の向 こう側の景色は見えませんよね」と。

 そこでこれまた毎回繰り返す言葉が「悩むより、迷うより、まずは行動を起こし てみて」となるわけです。そして、私が自分で事業をすることに求めてきたも のは、お金のみではなく(お金はいわば成績表のようなもの、あとから付いてきます)、前に向かって前進しているという充実感(多分?)な のだろうと思っています。

 私は(クリスチャンで作家の)曾野綾子さんの言葉、「人間は有史以来、死ぬま で働くのがあたりまえだった」、が好きです。





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