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318. コロナで撤退したお店、コロナでも立ちあげたお店 ・・・ (2020/09/06)


  地下鉄南北線、白金台駅出口のほど近くにあった洋菓子屋が閉鎖した。理由は知らないが、コロナ禍で客足が減ったことでトドメを刺されたのだろうと推測している。少し時間を置いて、この店舗の解体、改装が始まった。何が出来るのかと眺めていると、なんと同業種、別な洋菓子屋が出店してきた。(その写真が以下)



  ある日家内がこのお店へ立ちより買ってきたのがワインだった。それも最初にボトルを買って、以降はリフィル(中身の詰め替え)タイプの販売方式だとのこと。私の年代だと記憶があるのが(昭和30年代かと思うが)お酒や醤油は「瓶」持参で買いに行き、中身を買って入れて貰う、という販売方式を。(今だってワインを買うということは、瓶代も負担していることになる。しかも飲み終えたら、資源ゴミとして捨てるだけなのに)

  単に瓶代が(2回目以降は)タダになるメリットだけでなく、もう1つメリットがある。それは「酸化防止剤」無使用ということ。輸入ワインの裏ラベルを見てみれば必ず書いてあるのがこの酸化防止剤(亜硫酸塩)混入の文字。少量なら無害だというが、こうした添加物、無ければ無い方が良いに決まっている。






  さて、以前撤退したのが洋菓子屋であるのを承知した上で、あらたに洋菓子屋が出店した。何で差別化しようとしているのか考えてみた。

1.添加物(酸化防止剤)無しの「樽だし生ワイン」を販売すること。好みの味かどうかの確認に試飲もさせてくれる。

2.ワインの販売方法が、初回購入した「瓶」持参で、中身のワインを「リフィル方式」の販売だということ。

3.開店記念なのか、8月一杯有効なスタンプカードを発行してくれる。

4.夏場の開店だからか、焼き菓子(フィナンシェ か マドレーヌ)を中心とした販売となっている。





  繰り返しになるが、このメリットは、輸入ワインには必ず入っている「添加物」を気にしながら飲んでいたワイン愛飲家にとっては無添加ワインが飲めるのは嬉しいだろう。
  
  また、店側にしてみば、ワインショップ特有の棚一杯にボトルを並べるスペースが必要無くなる。代わりに置くのは、ワインサーバ(赤と白用に)2樽、そして、お客に試飲して貰うための、ミニ樽だけ。



  開店記念かと思うが、スタンプ2つで(実際には3つ目にも貰えたが)焼き菓子(フィナンシェ か マドレーヌ)を試食用にプレゼントしてくれる。
  味わってみて、美味しいと言ってくれるだろうという自信があるのかもしれない。これも有効だと思う。かくいう、私も、試食してみて美味しかったので、別途購入して、コロナで東京に里帰り出来ないでいる娘と孫のために買って兵庫県に送ったのだから。

  スタンプ4つで、もう1本分のワインを無料で提供してくれる。ただし、これには瓶を買う必要がある。これも店側からすれば、瓶を別途もう1本分購入して貰える。つまり客側が、赤と白用に、それぞれのワインボトルを揃えてくれるというメリットがある。悔しいが(笑)、にくい仕組みである。


  全般を見て感じたのは、「資本力」と「組織力」、「企画力」ということ。以前のお店よりも、客足は伸びているようだ。キャンペーンのスタンプカードの仕組みも有効に働いているようだ。ただ、まだ1月たっただけ。今後も継続して客足を伸ばすには、更なる仕組み(企画)が必要になるだろう。楽しみに通ってみたいと思う。


※ こちらがこの洋菓子屋のホームページ。見て分かったのは、八ヶ岳に工場があり、都内に何店舗かを構えている規模の会社だということ。



編集後記:
  多くの店が、コロナ禍にあってGive up してしまったが、こうしてコロナ禍にあえて出店する企業もある。資金力と市場の読み、なのだろうか。皆さんにもけして出来ない訳ではないように思えるのだが、いかが?





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