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289. 情報だけ武器にしろ(堀江貴文)  ・・・ (2019/11/10)


 特に私が堀江貴文氏の信奉者というわけではないので、そろそろ話題を変えたいと思うのですが、堀江さんの本は割とと気軽に読めて、また沢山本屋に並んでいるもので、つい次々と読んでしまうことになる。ちなみにこれらの本は区の図書館へネットでリクエストしておき、順番が来たら近場の図書館で受け取るのだが、その際に、予約をしている人の人数が分かる。この本も人気があったようで多少待たされた。
 そんな中で私が気になったのは、私の前にこの本を借りていた人のこと。というのも、通常次の予約者がいると貸出期間は2週間限定で延長は出来ない。にもかかわらず私の前に借りていた人は1月も返却しなかったようだ。冒頭にも書いたが、この本はこ難しい学術書ではないので、集中すれば1日もあれば十分読みきれる。それを1月も抱えてしまうような人では、堀江氏の言わんとすることに反し行動力が伴わない人ではないかと思ってしまう。(この本を読んでも御利益のなさそうな人?)

 書店に行ってみると堀江貴文氏の多数の著作が並んでいることからしても、多数の信奉者という人たちが存在するようだ。自分の信頼出来るオピニオンリーダーがいることは素晴らしいことと思う。ただ、堀江氏の信奉者には、堀江氏の派手さに目がいっている人が多いようだ。堀江氏自身も言っていたが、彼の講演会に熱心に参加する若者がいるという。そうした聴講者に、「前回聞いた私の話しの中から、具体的に何か実行をしましたか?」と。ほとんどの人は、話しに感心するばかりで行動が伴わないようだ。これでは信奉者というより、芸能人のファンと同じ気がするのだが。



 さて、この本の中から私が「コレは!」と感心したポイントを紹介したいと思います。

 たまたま僕の話を聞いて、「儲かるかも!」と思ったのだろう。最初から金ありきで「1000億円」なんていう人を、僕は好きになれないし応援できない。1000億は無理でも、自分の好きなことで1000万でも1億でも儲けられたら素晴らしいではないか。

 孫さんが19歳のときに「人生50年計画」を立てて、「30代で軍資金を1000億円貯める」という目標を課し、今や世界有数の資産家になったのは事実だが、その前に情報革命を起こしたいという誰よりも強い熱意があったはずだ。

                 中略

 熱意がなければ、やはり人は動かない。情熱がなければ続かないし、人にも伝わらないのだ。



 私は「情熱」とか「思い」といったものを若い男性に分かりやすい例えで説明している。好きな女の子が出来たとする。くどいたが、あえなく振られたとする。もし振られたことの理由を相手のせいにしたとしたら、これで失格(笑)。考え方としては、まず自分が相手をどれくらい好きだったのかを思い返してみるべき。くどいても振られたのであれば、それなあなたの思いが相手に伝わるほどでは無かった(思いが高まっていなかった)ということだと考えるべきだろう。


 古いテレビ番組の話しで恐縮だが、「101回目のプロポーズ」というドラマを事例にして説明してみたい。
 武田鉄矢演じる男性が、走ってくるダンプカーの前に飛び出した。急ブレーキをかけたダンプカーは鼻の先で止まる。そこで彼は言う、「僕は死にません! あなたが好きだから」と浅野温子演じるヒロインに向けて絶叫するのです。
 実は彼女にはかつて好きな人がいたが事故死んでしまった。これが原因で誰かを好きになることに躊躇うようになったのだった。

 後日談だが、あるゲスト紹介番組で武田鉄矢がこんなことを言っていた。自宅では、奥さんや娘から疎んじられ、ムサイ中年と思われているのだと。それがこのドラマの中で主人公を熱演したら、二人ともテレビの前で涙したというのだ、夫・父が出演しているにも関わらずだ。この時、武田鉄矢は「ヤッタネ!」とほくそ笑んだそだそうだ。まさに役者冥利というものだったのだろう。


 相手を動かすには、そのことを、自分自身が信じていないといけない。相手が自分を好いてくれているかどうかの前に、まずは自分が相手のことをどれほど好きなのか自分自身に対して確かめる必要がある。自分の熱意こそが相手を動かす最初の原動力なのだからだ。

 この本のタイトルは「情報だけ武器にしろ」だが、堀江氏は、「情熱が大事だ」と言っている。それがなんとも面白い!
 
 この本を読んでいて思いついたのはこんなこと。1月もこの本を手元に置いて読んでいた(読もうとしていた)人に、大いなる思い(情熱)があったとしたら、手元に届いたこの本を1日もかからず読んでしまっただろうと思う。若い人は堀江貴文氏の本を憧れを持って読んでいるのかもしれないが、読み手に、書き手と(同じレベルとまでは言わないが)人生経験が備わっていないと、きちんとした理解は難しいのかもしれない。
 


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