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209. ベンチャービジネス、創業後の生存率 ・・・  (2017/03/12) 


 ネットで調べたら、「設立5年で約85%の企業がなくなり、10年以上存続できる企業は6.3%」 という数字が出てきた。真偽のほどは不確かながら、まあそんなものなのかな?という印象。


 2010年定年になって、今後何をしようか考えた。分からない時はまず行動を起こしてみるのが私流。で行ったのがアフリカは西海岸のガーナ 。アメリカ留学時代の同級生がガーナに帰国していたから(プラス、アフリカ大陸に行ったことがなかったから行ってみたかった)。 この時得たヒントは、品質の高い日本製品は中古になってもその価値が色あせないということ。では何を商品として扱うかだが、特にこれでなければいけない、というものは無かった。(定年までは外資系IT・ソフトウェア会社に勤めていたので、それ以外であれば何でも良かった)

 中古車輸出を手掛けてみようというと思った理由はシンプルだった。中古車輸出ルートが確立されていて、一旦そのルートに乗せることが出来れば、未経験者でもなんとかなるというものだったから(プラス、少しだけ英語が出来たから)。まず中古車の購入場所、中古車オークションが日本国内に多数存在すること。次に買い付けが出来ればそこからは流通経路に流すだけ。まず中古車専門の「陸送会社」が多数存在する。中古車専門の「乙仲」さんがいて、中古車専門の「船」まであるのだから、かつて私が一般人だった頃には知りえなかった流通ルートの存在があったのだった。



 こういう言い方をすると軽く感じるかもしれないが売り方は「ネット販売」。コピー用紙を買うのも、中古車を買うのも、ネットでの販売という意味では特に大きな違いはないように思う。スタートするにあたって、中小零細事業者がネット販売するにはどこか「楽天」のような仲介してくれる大きな場を見つける必要がある。当時は、個人事業者が中古車の海外向けネット販売をするには、ソフトバンク系の「トレードカービュー」といものがあり、唯一の選択肢だった。加盟する人も、中古車輸出は始めてという、いわば素人が多かったので、「トレードカービュー」のメインの仕事は、教育といっても良いかもしれない。自分に経験の蓄積が出来てから振り返ってみてみると、彼らはマーケティングを武器に事業を展開している企業であって、中古車の、もしくは輸出の専門家ではなかった。

 あとで分かったことだが、個人の中古車輸出ビジネスには私が始める前に10年程度の流れがあったようだ。私はその終盤に流れに合流したようだった。2010年の定年後に事業をスタートさせ2013年をピークに下り坂となった。理由はよくあること、中小・零細が開拓し、市場が大きくなったところで大手が参入し、資本力を武器に席巻したということ。私は2015年に中古車輸出ビジネスからの撤退を考えたが、冒頭に紹介したガーナ人の同級生が私を頼って来日してくれ、ついでに「自分も中古車を買いたい」と言ってくれた。私はそのお手伝いをしたことでなんとか息継ぎが出来た。それが更に、偶然の出会いから始まった次のステップ、ニュージーランドへの中古車輸出へと繋がっていた。



 さて、冒頭の話題に話を戻しましょう。2010年「トレードカービュー」の加盟者募集のセミナーはいつも盛況でした。それから7年経った今、当時出会った同業者は20〜30人は今は何をしているのでしょうね。若い人は再度サラリーマンに戻り、50代の人はタクシーの運転手さんに転職した人もいました。
 中古車輸出ビジネスはこんな具合にある時点を境に事業者数が減ってしまった。しかし、聞いてみると中古車輸出ビジネスが特殊なわけではなく、ベンチャーの生存率はそもそもこんなものなのだそうだ。

 


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