ホーム目 次 / 前ページページ       


149.「履歴」を知ることは、これから起こる危機を回避することに  ・・・ (2013/11/17)


 この日は小雨のしょぼつく秋の日、家内をスポーツセンターに迎えに行き5分ほど停車して小椋佳のCDを聞きながら待ちました。家内が出てきたのでエンジンをかけようとしたら、なんとエンジンが始動してくれません。先月、この車を中古で買い引取りに行った際にバッテリー上がりだったのを思い出しました。その後、何も問題なかったもので、交換をしていなかったのです。さて、外は雨だしどうしようかと考えました。機転の効く家内はやおら自動車保険のカードをグローブボックスから引っ張り出し読み始めました。「ねえ、バッテリー上がり、契約期間内に1回は無料って書いてあるわよ」と。



こんな感じのトラックが来てくれました

 早速、自動車保険の会社に電話を。まもなく最寄りの提携修理会社から”トラック”がかけつけてくれました。このトラック、(私の車が)バッテリー上がり以外の理由で動かない場合には、自動車運搬用のこのトラックに積み込んで修理工場へ持ち込む予定だったのだそうでした。

 幸か不幸か、私の素人診断は的中しエンジン起動の補助装置を使ってエンジンを始動することが出来ました。支援に来てくれたエンジニアさんに「このバッテリー、いつ交換しました?」と聞かれました。

 実はこの10月が以前乗っていた車の車検更新時期、しかも年明けで購入後14年目となり自動車税が上がることが分かっていたので、より年式の新しい中古車に乗り換えたところでした。そんなことで、前オーナーさんがいつ交換したものなのか「履歴」が分かりませんでした。
 まあ、バッテリーは消耗品ですので、エンジンを始動して貰ったその足で、自動車用品店へ直行し、バッテリー交換をして貰いました。これでこの車の「履歴」の一部を上書きをし、把握出来るようになった訳です。




 この出来事でふと思いだしたのが、アメリカにいる友人が言っていた言葉。彼女は、当時サンフランシスコ空港にある ICM(Intergovernmental Committee for Migration) で働いていました。この組織の本部はスイスのジュネーブにあることは聞いていました。最近あるテレビ番組で紹介されたアフリカの難民キャンプにこのICMの看板が出ていたのを見て、あらためて大規模に難民支援をしているのだなということを知りました。

  ※ ICM・・ 国際移住機関(日本事務所) 

 さて、アメリカは多くの移民を受け入れている国。この国に難民として到着する多くの人がこのサンフランシスコ空港から米国内に散って行き定住するのだそうです。彼女とは、私が1976年に米国東部の大学に留学していた時代の知り合いなのですが、再会のよもやま話をした際に、私が40歳で胆石で手術を受けたことを話しました。私の場合、父方の祖母も、また従兄弟も胆石の病歴を持っていました。どうやら遺伝子的に胆石になりやすい体質を受け継いでいるようです。

 そんな話を彼女にすると、「あなたはそうした「履歴」が分かっていて良かったわねぇ」と。彼女が受け入れ支援をしている対象には、赤ちゃんが多数含まれるのだそうです。赤ちゃんたちは、アメリカ人夫婦のところで受け入れられ養子として育てられるのだそうですが、産みの親から受け継いだ遺伝子に、私のようにある特定の病気になりやすい遺伝子があったとしても(なんらかの理由で親から離れてアメリカへ到着したこれら赤ちゃん達には)「履歴」もないのだそうです。せっかくアメリカ人夫婦に養子として幸せな成長を望まれているにも関わらず、そうした危険に対する配慮がなされることもなく、大きく成長してから遺伝的な病気が発症することがあるのだとか。


 病気そのものは遺伝しなくとも、その病気になりやすい体質を受け継いでしまうことがあります。今なら例え親からそうした説明を聞いていなかったとしても、DNA検査という方法で病気の危険性、「履歴」をあらかじめ知ることが出来るのでしょう。それが分かっていれば、なんらかの対応方法もあります。女優、アンジェリーナ・ジョリーのケースは記憶に新しいでしょう。彼女、乳がんになりやすい遺伝子を親から受け継いでいることがDNA検査で分かったのだそうですね。将来起こる可能性の大きいその危険を、あらかじめ手術により(乳がんが発生する部位を切除し)発症の危機を除去したのだそうです。


 バッテリーそのものの性能が上がり、長持ちするようになりました。今まで乗り継いできた車はすべて新車でしたのでバッテリー交換時期も推測つきました。またバッテリーが弱くなってくると兆候をなんとなく判断がついたものでした。今回のちょっとしたこの出来事であらためて感じたのが「履歴」の大切さ。車でも、人間でも「履歴」を知ることは将来発生しうるトラブルを回避するとても有効なのでしょうね。



ホーム目 次 / 前ページページ     

inserted by FC2 system