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139.タンザニアをベースにビジネス展開している日本の若者 ・・・ (2013/05/16)

 ご本人にお会いする機会がありました。5月16日(木)の夜、池袋西武デパート内のカルチャースクールで講演をされるというので(現在、タンザニアにお住まいの彼と会う数少ない機会)行ってきました。


 金城拓真:1981年沖縄県生まれ。海外企業家。日本における「アフリカン・ビジネスの第一人者」のひとり。
 25歳である理科でビジネスをお越し、4年で「年商300億円」を実現した講師に学ぶ「非エリートなグルーバルキャリアのつくり方」

 以上は、私が金城さんにお会いした池袋コミュニティカレッジの紹介文です。



講演のメモをあらためて見てみるとこんな感じ。

1.小さく始める ・・ いきなり大きなものを構築しようとせず、出来るものをまずは始める
2.ライバルを調べる ・・ 外国人の参入には難しい問題が沢山あるが、一旦入り込めると、どんどん仕事が広がってくる
3.利益を上げすぎない ・・ 自分は現地ではよそ者に過ぎないのだと認識し、儲けの還元を考える
4.(コアとなった)ビジネスの周辺を広げて行く ・・ タンザニアに中古車を持ち込んだが売れず、思いついたのがタクシー会社だった
5.3〜4つ、同時にビジネスをする ・・ 上手く行ったら進める、ダメならやめる(途中でやめたビジネスも多数ある)


 アフリカでのビジネスは、日本のようにいろいろなものが整備された国でのビジネスとは尺度がまったく違うようです。多分、敗戦後、ヤミ市があった時代のような感じかと推測しています。つまり、チャンスは無限にころがっていて、どこか早いもの勝ちのような世界だと推測しています。

 あまりに沢山のことをお聞きしたので、自分の頭の中の整理が出来ていないのですが、ポイントだけメモしてきましたのでご紹介します。

10年アフリカでビジネスをしていて感じたのは、
・裏切られるのは自分に魅力がなかったから
・人に必要とされることが大事
・頼られたい
・目的は無し
・信じてくれる人を裏切らない
とまあ、とても人間、信頼、といったことを大事にされている

 現在、タンザニア以外の東西アフリカ諸国に進出しているが、進出先をを見定めるのは、
・外国資本を受け入れている国かどうかを見る
・外国人が過半数の株を持てるのかどうか
・日本への送金は可能?
といった項目をチェックし、これらが許される国に進出する


 まあこのあたり詳しいことを知りたいと思われれば、彼の本を読むのが一番です。ということで、ここでは、講演を聞いた私の印象をご紹介します。

紹介:
 今読んでいるところですが、こちらが金城さんの最新の著書です(前回はライターさんの執筆、その意味で初めて彼自身が書いた本だそうです)

 「世界へはみ出す」
 金城拓真著、ディスカバー・トゥエンティワン刊
 1200円

 発売は5月20日だそうです。 

 まだ読み始めたところですが、講演でお話をしてくれた内容が、網羅されているようです。




 ご本人にお会いして第一印象は、小柄な優しそうな人。彼の著書、1冊目(彼自身が書いたのではなく、ライターさんが書いたもの)を読んだ時に感じた疑問は、当初から今をイメージして走って来たのだろうか、ということ。講演を聞いて分かったが、けして今をイメージして一直線に走ってきたのではなく、その時、その時の出会いやチャンスを大事にし、現在に至っていること。

 例えば、自分が成功していること(現地スタッフの雇用機会を沢山作っていること)を聞きつけた、近隣の州の知事が相談に来た。自分のところでも同様な会社をやって欲しい、と。それを成功させると今度は、学校建築(改築)で困っていると相談を受けた。ならばと建築会社を立ち上げ、仕事を引き受けた。3ヶ月で出来上がると想定していたが半年たっても半分しか出来なかった。調べてみると、資材、たとえばブロックなどは近隣の農民が農業の合間に作っていたり。ならばと、今度は資材調達会社を作り、お得意の日本車(トラック)を武器に資材調達に走り回る、結果、建築をスムースに進めることが出来た。


 その時々の決断をさせた要素を推測すると、人に頼って貰ったら、それに応えるべく一生懸命やる、ということのよう。社長としてどう仕事を進めているのかと言えば、スタッフが仕事をやりやすいように環境を整備するのが社長の仕事と思っていること。こんな具合に、構えて取り組むのではなく、人に必要とされることを手がけ、またスタッフに仕事をスムースに進めて貰えるよう環境を整備するのが自分の仕事と思っていることのようだ。


 この日の参加者は30〜40人でしょうか。講師の「アフリカでビジネスをしたい人、手を挙げて」との声に10人程度の人が手を挙げていました。この日は、金城さんのことを知り、彼のようになりたい、と思う人が集まった場だからでしょうが、私の推測では、今の若い世代が、モノがなく、生活レベルを大幅にダウンさせなければならないアフリカという国に、わざわざ苦労をするようなことをするのだろうか、でした。

 日本でもそうですが、ベンチャー創業の基盤作りに成功する人は、独身であること(守らなくてはならないものが少ない)、あまり構えて考えるのではない勢いで進める人、そんな感じがします。最後に。この日の参加者の中で、私が最年長のようでした。定年後、最初にしたのがアフリカ(ガーナ)旅行でした。アフリカでビジネス、今でもやってみたい気持ちはあります。




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