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ゴルフ用具販売市場と、中古ゴルフ用品市場

自動車でもそうだが、中古市場というのは、新品を売るケースよりも利益率は高いと言われている。ゴルフ用品も同様な事情がある。昨今、中古市場が活発化している「背景」としては、こんなこともあるようだ。

1つには大手国産メーカーは、ブランドイメージと価格破壊を避ける為(と、言っているようだが)、市場をコントロールしているようだ。ある地方ショップさんに聞いた話では、大メーカーの調査員がそのショップさんのネットサイトから安値クラブを購入し、どの卸から購入したものかをチェックしているのだとか。私などは「それって独禁法違反なのでは?」と思う。その点をショップの方に話すと、その方も同感なのだとか。しかしそれが出来ないでいるのは、間に立つ、問屋さんに迷惑がかかるからだそうだ。

さて、話しは戻って中古ゴルフクラブ市場。こちらはそうした縛りがないので、いくらで仕入れ、いくらで販売しても、まったく自由、という訳だ。ある筋に聞いた話では、ゴルフがまだまだ高値の花、という国(日本のお隣さん?)あたりの人が、新橋あたりの中古ショップで買い物を楽しんだりしているようだ。今後中古ショップは、中古自動車を海外に売るビジネスが盛んなように、ゴルフ用品も海外への販売が主軸になるのかも。

さて、ゴルフ業界のもう1つの課題は、やはり業界の慣習が根強いようだ。現在、実店舗におけるゴルフ用品販売は、

1.アルペン(ゴルフ5)    667.6億円
2.ゼビオ・ビクトリア    284.0億円
3.二木ゴルフ          220.0億円
4.つるやゴルフ      210.0億円
5.ヒマラヤ          87.8億円
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6.GDO            76.6億円 (インターネット専業)
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7.有賀園ゴルフ       58.0億円

こんな順番なのだとか。つまり、大手4社がダントツで、それ以下を大きく引き離している。大きく販売してくれる販売店さんに親切なのはどの業界でも同じ。中小ゴルフショップさんが、安売りをするのを規制しておきながら、こうした大規模店には、手を変え品を変えて支援をしているとか。


振り返ってみれば、多分野での例としては、かのヨドバシカメラなどは良い例かもしれない。かつて(昭和50年頃)は、新聞紙大の黄色い価格表を配り、サービスなど微塵もない横柄な売り方をしていた。「商品を見せてくれ?うちが一番安いのだから、見るのは他の店で見て、買うことが決まったら来てください」と。

消費者としては、不満ながらも、とにかくどこよりも安いのだから仕方がない。たまったものではないのは、我々消費者より、むしろ中小カメラショップさん。お陰で、新宿界隈のカメラショップがつぶれたり、中古カメラ屋に衣替えをして生き残りを図るしかなかった。「ヨドバシカメラ」以外にも「ビックカメラ」に「さくら屋」まで店舗を構える激戦区の新宿では、もはや普通のカメラショップは完全に淘汰されてしまった。

こうした現象の根源でもあるヨドバシカメラは、その後もどんどん成長。ついには変則的なルートからの仕入れに限界が出てきた。カメラメーカーにも別な思惑があり、価格破壊は困るものの、あの大量販売力は魅力として無視出来なくなった。結果は、マナーある価格に留めることを条件に、メーカーから直で仕入れることが実現し、現在に至っている。

さて、さて、話題が散漫になってきたので話しを戻しましょう。中小ゴルフショップが生き延びる方法は、かつてのカメラ屋同様、中古市場へ逃げる他ないのだろうか。中小ゴルフショップが元気な世界がある。


楽天のゴルフショップだ。楽天のゴルフ販売は、GDOが自社販売なのに対して、楽天はいわば大きな店舗は構えているものの、そこで販売するのは、すべてテナントさん。リアルな世界では、大都市でないとダメ、とか駅前でないとダメ、とかがあるが、ネットの世界では、地理的な場所は全く関係ない。実店舗ではハンディになる立地も、むしろインターネット販売の世界では、アドバンテージとなる。楽天のゴルフショップさんの会社プロフィールを見てみると、地方にある有限会社等、中小ががんばっているのが良くわかるはずです。 <管理人>


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