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   人を、何を成したかで見る ・・・ (2021/07/11)


 1976年にアメリカの大学に留学していた。その時の住まいは学生寮。基本、2人一部屋である。同室になった男の子は、勉強が出来て学期末ごとに今期の成績優秀者ということで廊下に張り出されるほどだった。彼が特に変わった生徒だった訳ではないが、年頃の男の子ゆえに、女子学生とのお付き合いもいろいろあったようだ。ある日私に「ドアに画びょうが刺さっていたら、お互い入るのは遠慮しないか」と提案してきたので、私は了解した。

 彼、特段女好きだったわけではなさそうだが、まあ20歳前の男子学生としてはごく普通だったのだろう。面白かったのは、彼の女付き合いの面から批判されることはなく、単に彼の能力(成績の良さ)で彼は評価されていたようだったことだった。他のアメリカ人学生に、彼のことを聞いてみたが、やはり予想した通りで、「だって彼の成績が優秀なことと、彼が誰とどう付き合うかは関係ないじゃないか」だった。

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 若い頃、フィンランドの若手国会議員の女性の来日時、政界、財界の方々との面談をセッティングし、さらに広島など歴史的に見ておいて欲しいところをご案内した。彼女は20歳前にして地方議員になったそうだ。ご本人に聞いてみると、「自分がどうやったら国の、さらには世界の平和に貢献できるだろうか」と考えてのことだったのだそうだ。

 その後、この方、国会議員になられたが(その上で日本にも来日した)、女性が活躍するフィンランドにあっても、抜きんでて若くして国会議員になったのだそうで、フィンランド人で彼女のことを知らない人などいなさそうだった。ゆえに、ある日、リラックスして貰うべく私が原宿竹下通りを案内して差し上げたら、向こうから歩いてくる屈強なフィンランド人男性(スポーツ選手集団)達は、彼女を見てすぐに「ああ、あの若手女性国会議員だ」と分かったようだったようだった。

 さて、この女性国会議員のご案内に際しては、私の考え方についていろいろ指摘された。その1つが、人について語る時、男性とか女性とかの前に、その人を「人間」として考えるように、と。当時でも私より10歳以上若い女性議員でしたが、さすが女性が活躍するフィンランドの国会議員だけに、言われたことは私の耳に痛かった。

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 最近ふと山尾志桜里氏のことを思い出した。というのも最近山尾氏がこう発言したからだった。「私には、政治家とは別の立場で新しくスタートしたいことがあります。そこで今回の任期を、政治家としての一区切りとしたいと思います」と(6月17日)次期衆議院選に出馬しないことを表明したからだ。

 近年、ネットの発達とともに、文春砲などというネット系報道が先行し、さらにそれに刺激されたかのような個人によるSNSによるバッシングが続く、といった傾向がみられる。

 その前にあった「宮崎謙介議員による不倫騒動」などに比べても、女性に対するバッシングが執拗に行われていた印象がある。 


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 フランスでは、シラク大統領、ミッテラン大統領(さら隠し子までいた)に愛人がいるのは「公然の秘密」だったそうだ。

・大統領でも不倫する、フランスの不倫・恋愛・結婚・男女関係事情http://francefrancais.com/2017/04/12/amour-francaise/

 私はフランスのおける恋愛事情など知らないが、恐らくは男性だから許容され、女性の不倫は許容されない、というものでもないような気がする。思い出したのが、シモーヌ・ド・ボーヴォワール (フランスの哲学者、作家、批評家、フェミニスト理論家・活動家)のことを。

 彼女、大学在学中に出会ったジャン=ポール・サルトルとは、実存主義の立場から自由意思に基づく個人の選択を最重要視し、婚姻も子どもを持つことも拒否。互いの性的自由を認めつつ終生の伴侶として生きたのだそうだ。こうした話を聴く限りでは、恋愛については、未婚、既婚、男性、女性といった枠をはめて、窮屈に考えることもなさそうな国だ。

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 アメリカ留学時代同室だった彼とはずっと会っていないが、もし日本の大人の男女関係のことを説明したとしたら「なんとまあ窮屈な世界だねぇ」と言ったはず。
もっと自由な発想にたち、一個人にすべての面での完璧さを求めず、ある側面が抜きん出ていて、それが社会の役に立つのなら、それを認めて活躍して貰った方が我々社会にとっても得な気がするのだが。

 不倫を肯定も否定もしない。あくまで個人の問題で関係者だけが論じれば良いことだと思う。日本では、いつになったら男女関係を画一的な見方から脱却できるのだろうか。


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 これは私一個人の意見ですとお断りする必要はないだろう。なぜなら、私個人のホームページ、ここに書かれていることは、基本、すべて私の意見なのだから。



 


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