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 なぜ多くのアメリカ国民がトランプが言った「ウソ」を「真実」と信じたのか? ・・・ (2021/02/28)





 これは昔のアメリカ映画で良くみかけた、子供が自転車に乗って新聞を各家庭に配達している様子。テキサスに住んでいるアメリカ人に、こうした新聞配達は今でもあるのか聞いてみた。それによれば、こうした新聞配達は、今はもう無いという。


 日本であれば、大手数社の新聞は日本の何処でも買える(定期購読できる)。一部のページが地方仕様になっていることを除けば、基本的には、日本の地方でも東京でも、同じ紙面を読んでいる。ところがアメリカはそうなっていない。これは単えに広さの違いによるものだろう。日本列島の大きさは、アメリカで言えばカリフォルニアくらいのサイズなのそうだから、同じ新聞(紙ベース)のものを全米に配布するなんて大変だし実用的ではないようだ。
 確かに、私がアメリカに留学していた1976年時点ですらフロリダの書店で見つけたニューヨークタイムスを買おうとしたら紙面に書いてある金額より高かった。店の人に、値段が違ってるけど?と言ったら、「フロリダまで持ってくる発送料が加算されているから」だと言われた。


 話しを戻してテキサスのアメリカ人に聞いた話しでは、地元の新聞もあるが、とてもローカルな情報、例えば地元の高校が行っているイベント、といった特定地域の話しが中心だそうだ。では、区のレベルでの政治の話しは?というと、ネットに頼るのが現代。今のインターネットは利用技術が格段に進化している。


 さて、「ターゲット・マーケティング」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

 ※ ニーズが多様化した市場に対応していくためのマーケティングの手法。市場の多様なニーズに対応するために、市場全体を細かく区分し、その中の1つないしいくつかにターゲットを絞り、自社の製品をその標的市場の特有のニーズに適合するように位置づけていく。

 こいつが結構くせ者のようだ。つまり消費者(市民)が好ましいと思うような情報を発信元から引っ張ってきて、希望する消費者(市民)に届けるネット技法。つまり、テキサスに住む彼の周りもトランプ支持で、トランプが発言したものは正確な情報かどうかを問わず彼のところに届く。同様に、トランプを擁護する発言も、彼のところに届くようになる。こうなると、彼はそれら多くの情報がすべてトランプの言うことは正しいとなるので、もう疑うことをしなくなる。
 たとえは違うが、第二次大戦中の日本国民が、大本営から発表される情報しか得られなければ、それが真実だと思ってしまうのに近いのかもしれない。


 こうしたことを、日本の専門家、学者が解説してくれると良いのだが、今のところ誰もこうした分析(なぜトランプ支持者は、トランプの発言のウソを見抜けない状態になったのか?)が出てこないのか不思議だ。




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