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360.  もしあと1年で人生が終わるとしたら? 小澤竹俊 著 ・・・ (2022/01/30)

 
 過去10年超、「定年」「起業」といったテーマで図書館の本を検索し、取り寄せては読んできていた。

 たまたまこんなタイトルが目に止まり、借りてみることにした。読んでみて、より本質的な部分に触れることが出来た印象だった。



 私のこのホームページはメインに、「定年」「起業」といったテーマで話しを繋いできているが、もっと根本を考えるなら、起業しようが、しまいが、本人が納得いく人生を送っているのなら、起業などしなくてもまったく構わない。つまり、他人の人生に何かを言うのは、大きなお世話かもしれないからだ。

 なので、起業する、しないから一度視点を離し、より大きなテーマとして「人生」を考えてみると良いのだろう。
 で、人生を論じるにあたって、何か軸となるものがあった方が、より自分と照らし合わせやすいだろうと考えた。そこで今回はこの本を取り上げてみた。
   
 そもそもこの著者はどういう人なのかを確認してみよう。奥付によれば、ホスピス、つまり本人の望まぬ治療をするのではなく、少なくなった命の残り時間をどう過ごしたら良いのかを本人の希望を聞きつつ医療の視点からお手伝いしている病院、そしてそこに医師がいる。

 この医師は多くの人を見送ってきた中で、いろいろ後悔する人を多くみたが、それらの人に寄り添って、彼ら彼女らの声に耳を傾け、死に行く人がより自分を見つめ、残り時間を充実させていくことを願ってきた。

 そんな著者ならではの視点がこの四箇条に集約されている。


 人生の最後に「より後悔がない人生だった」「より良い人生だった」と思えるために必要な条件を挙げるならば、次の4つだという。

・自分で自分を否定しないこと

・いくつになっても新しい一歩を踏み出すこと

・家族や大切な人に、心からの愛情を示すこと

・今日一日を大切に過ごすこと


 ここが生き方の基本にありさえすれば、起業のことなど関係はなく、あの世に旅立つ際に、後悔することなどないだろう。


 ちなみに、私は定年に際してこの四箇条に似た思考を経て、一説によると「定年後の時間は8万時間」を考え、定年起業したと言える。
 つまり起業するかどうかを考えるまえに、この四箇条ときちんと向き合っていけば、おのずと結論も、そして必要な行動も出てくるだろう。

 ぜひご一読をお薦めします。








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