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321. 「定年楽園」  大江英樹 著を読んで ・・・ (2020/10/18)


 ※以下、本の目次から説明すると一番分かりやすいように思えたもので
   目次に沿って私なりの意見を追加してみました。


第1章 齢をとっても働く人が増える   
 高齢社会の本当の問題点は…、働く高齢者、問題がいっぱい!、中高年は、会社でどう働く? 
  
第2章 老後の3つの不安   
 不安に感じること、いろいろ…、誰もが感じる「健康の不安」、実はそれほどでもない「お金の不安」   
 最大の不安は「孤独になること」  

第3章 これだけ知っていればお金の不安はなくなる   
 “わからない”ことを“わかる”ようにする、ホントはいくら必要なのか?、年金、破たん寸前か? 百年安心か?   
 退職金と企業年金ってどこが違う?、知っておきたい6ヶ条、「支出の見直し」も順序を間違えないように   
 え! 年金15万円で暮らす?  

 もと野村證券に勤めていた方だけあって、定年後のお金の問題を正確に分析、アドバイスしている。この3つの章での説明を単純化すれば、そんなに不安がらなくても大丈夫ですよ、ということかと。


第4章 60歳からの多様な働き方   
 働き方には3つの方法がある、同じ職場で働き続けるということ、転職は無理なことではない、これだけは大切!  

  次の章で、著者は起業を勧めているが、それ以外の選択肢についてもここで触れている。必要なかたは読まれたら良いかも。


 さて、定年後10年がすぎた私にとってはここからが面白そうと感じたところ。著者もご自身が定年後起業をした方だけに、一番のお薦めは、定年後の起業という選択のよう。

第5章 起業は定年楽園への近道   
 不安も不満もなし
 

   起業でも、「現役の起業」と「定年後の起業」では全く意味が違うと。私もその通りだと思います。一般的には、子供の養育も終え、住宅ローンも終え、よほど巨大な事業投資でもしない限り、楽しんで起業をすれば良いのだ、と思う。

 起業に向く人、向かない人 

  私の考えでは、「”自分でやりたい”と考える人が起業に向く人」と定義したい。ゴルフ仲間で40歳になってから起業した人と話していた中で彼が行っていたのは、学生時代に生徒会長や文化祭実行委員長をやった経験のある人は「向く人かも」。別な視点でいえば、一人旅をしたことのある人。つまり自分で企画し、自分で実行、旅の途中で発生する小さなトラブルを乗り越えて無事帰ってこれる人も「向く人」だろう。
 

 3つのやること、5つのやらないこと 
 誤解しがちな“起業で大切なこと”
  

   著者は、まっさきに「自分のやりたいこと」と定義している。その通りだと思う。なので反対に言えば、自分がやっていて好き・楽しいと思えることがないとすると、起業のテーマ選びに苦労するかも?


 何を決めておくか


  ここでは、個人事業主か法人か?を決めることを言っている。私の考えでは、どちらでもよい、と。それはやろうとしている仕事が求めているものに沿って行動していくと自然とどちらかを選択するようになると思うので。

  ちなみに、私が定年後10年やってきた中古車輸出の世界で言えば、個人事業主も多いことから、法人か個人かで区別(差別?)されたことはない。あるとすればビジネスを行っていくなかで得た信用、たとえば約束事をきちんと守るとか、支払をきちんとする、といった当たり前のことが出来るかで信用を積み上げさえすれば、どちらの法人形態かは関係ないと思う。


 それでも起業が良い理由
  

   著者も、私も、「定年後には起業するのが一番良いというのは」、やってみたからこそ言えること。また本の「はじめ」の部分にも書いておられたが、定年してのち、何もやることがない人がトラブルを起こす(キレて駅員を殴ってみたり)傾向が高いと。

  私の印象では、ずっと雇われる立場を続けていたら、人生で見えてこなかったことがあったのではないかと思うことがいろいろあったから。

 

第6章 自分の居場所をつくる…とは? 
  
 「定年後の10万時間」のウソ、趣味を楽しむために必要な5つのこと、「生涯学習」は最高の贅沢、それほど簡単ではない地域活動   
 「勘違いボランティア」に気をつけよう、大切な家族・友人とのコミュニケーション
  

 この6章については、私は起業した人間なので、何もしたくないという人に何かを伝えることなどしても意味は無いと思っている。あくまで私が信じた
シニアライフなだけで、これが唯一絶対だとは思わないが。


●カギは”自分でやる”ということ

  おっしゃる通りだと思う。組織から離れ、一個人の戻ったのだから、何でも自分で決めて、好きなようにやれば良い。もとより人生は自己責任なのだから。それが面白いと思えるのが起業。

  余談ですが、定年後、なんでも自分でやってきたお陰で、親が亡くなった時の相続の手続きも、税務署に何度も通い(署員に面倒くさがられながらも教えて貰い)すべて自分でやった。もし税理士などに相談していたら、それなりの費用を支払うことになっただろうと思う。

 

終章 定年楽園への道   

  著者は、定年後を楽園にするために一番大切なことは「60歳以降も働き続けること」と言っておられる。私も同感です。もう少し追加するとすれば、そもそも人間は有史以来、死ぬまで働くのがあたりまえだったからだ。お百姓さんだって、漁師さんだって体が続く限り仕事をする。本来は仕事とはこうしたものなのだろうと思う。

  この本を読み終えてあらためて思ったのは、「あなたの人生です、お好きなように生きられたらいいじゃないですか」ということ。だって、自分の子供の人生(一生)だって保障なんかしてあげられないのに、まして他人の人生をどう出来るというのですか?

  どうぞお互いに自由に生きましょうね、そして自分でそれを選んだのだから、不満など言わないことですね。

 


PS
 日経新聞のWebにこの本のことが書かれていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0502V_V00C14A6000000/

 


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