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217. 自分の人生って自分で作るものなのだという認識と覚悟 ・・・  (2017/10/15) 

 「定年」を迎えるということは、誰かのために生きる時代が終わり、己が為に生きる時代へと入ったということなのです。そのことに「気付くこと」、そのために意識を変える転換点が「定年」なのです。


 1つエピソードを紹介します。私が初めてダイビングを経験したのはフィジーの小さな島、マナ島でした。空気の入ったタンクを背負って水の中に潜る。多分深さ3mくらいでしょうか、ふと上を見上げると、そこにはキラキラと輝く水面がありました。更に水面の上に青空が見えました。ああ、自分は
あの世界に居たのだと感じました。

 「人間は空気の中で生活している」なんて誰も考えないと思います。でも、こうして水中に潜ってみれば誰でもが「人間は空気の中で生活している」と気付く訳です。そうしてみると空を飛ぶ鳥は自分が空気の中にいることを知らないのかもしれません。同様に、水の中で暮らす魚は水の存在を知らないでしょう。なぜなら魚は自分のいるその世界から出てもう1つの異なる世界に行ったことがないからです。唯一人間だけがアクアラングなる道具を背負って水中に潜ることで、ああ自分は空気の世界で生活していたのだと再認識することになります。


 学校を出て以来、1つの会社に勤め、会社の業績に貢献してきた。それだけでも貴重なことだと思います。そうした達成を成し遂げた人が、もう1つ別な世界があることを知ったなら、その後の生活を充実させる糸口になるはずです。そしてその時、遅ればせながら気がつくと思います。あぁ、自分の人生って自分で作るものなのだと。この意識革命こそが、定年後、自分で仕事を始めることの最大のメリットだと考えます。

 
 繰り返します。本来「定年」とは、組織に生きるスタイルから自分のために生きる生き方への変更点。つまり生き方を変えるべき「ターニングポイント」が「定年」。環境が180度変わったのですから、自分の生き方も同様に変えなくてはいけません。それを変えないがゆえに諸々の歪みが出ます。

    気がついてみたら家の中は、奥さんの世界で、自分の居場所はなかった?

    食べること、たまに級友と会って酒を飲むのだけが楽しみ?

    周りとのコミュニケーションが出来ず、毎日図書館へ行って新聞、雑誌を読むのが日課になっている?

    いままで気にもしていなかった世の中の出来事に腹を立てるようになる?

自分の生き方を自分で決めるようになること、そうした意識を変えること、覚悟を持つことこそが「定年」の意味なのだと思います。




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