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 いつの時代も、、、証券会社を例に (2008/07/27)

  私の同僚の一人は、かつての山一証券に勤めていた。一流大学を出て勤めた、これまた一流企業であるはずの証券会社の実態は、かなりいびつなビジネスをしていたようだ。大手企業には、株価低下による損を証券会社が補填していたのだとか。証券会社はその帳尻合わせを個人投資家に負わせた。損をすると分かっている株を個人投資家に薦めたのだ。

  彼は良心の呵責に耐えかねて上司にこう訴えた。「あきらかに損をすると分かっている株を個人投資家に売りつけるのはイヤだ」と。すると上司は「生意気なことを言うんじゃない、自分の給料分も稼げないくせに」となじった。ある日彼は仕事の途中見かけた交番にふらりと立ち寄った。若い警官がそこにいた。ふいに涙が流れてきて「こんな仕事はもうイヤだ」と警官の前で泣き崩れた。それからしばらくして彼は、山一証券を辞めた。

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  PRGRは、今でもネット販売は認めていないのだという。自社がネット販売しないだけではなく、販売店が、ネット販売はおろか、客寄せの為の「モニター価格」で出品しても、猛烈にクレームを言ってくるというのだから、かなり強行。それでいて、ゴルフ5のような大手には、売りたい本音がちらつき、妥協もしているのだとか。証券会社に限らず、大手に妥協するのはどちらの世界も同じなのだろう。

  どうも値引きには過敏なようだ。インターネットなら、止めようがないだろうと思うのだが、そこはしつこいようだ。ネットショップが「モニター価格」で販売しているものを、個人名で買い取って、流通経路を探り、問屋筋に「今度、同様なことがあるなら品物を出荷しないぞ」と脅しをかけているそうだ。なんだか私のような法務初心者でも、「これって公正取引法違反?」と思うのだが。

  実際には、ネットショップは泣き寝入りしている。というのも、法的手段に訴えても、間に立ってくれている問屋さんに迷惑がかかるからと、だ。なんだかゴルフ用具業界も、けっこう旧態依然としているようだ。


  現在、国産ゴルフ用品メーカーの中で元気なのはSRIスポーツ(ダンロップ)。それでも、昨年ほどにはXXIOは売れていないようだ。それ以外のメーカは押してしるべし。ブリヂストン、ミズノは、どうなんだろう。メーカーの名前にあぐらでもかいているのだろうか。

  私の場合、以前はすべてXXIOで統一していたが(パターを除く)、知人のクラブを試打させて貰って分かったその性能から、まずはドライバーをテーラーメイド(バーナー)に変えた。続いて、パターも、テーラーメイドにした。次はアイアンも変えてしまうかもしれない。

  若い人は、国産になんぞこだわらない。私の周りでも、テーラーメイドやナイキを使っているゴルファーは多い。(キャロウェイだけは、日本かを薦め、値段まで日本水準の高値を維持しようとしている印象があるが) インターネットは、国境も、業界も超えてしまう。早晩、旧体質の企業は衰退していくだろう。

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  医学の分野の専門家から聞いた話し。ガン細胞は、けしてルール無く増殖している訳ではないと。ただ、問題なのは、ガン細胞同士にのみ通用する「クローズドなルール」で増殖している点だった。人間という個体全体のルールを無視して、ガン細胞(自分たち)が増殖させ、ついには人間本体を滅ぼしてしまう。

  このセオリーは、案外、身近な分野にも共通するのではないだろうか。



 


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