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ER 緊急救命室 partIII

ジョン・カーターはもっとも永くERに貢献してきた医師

 

 右側のリストはInternet Movie Database からの引用だが、ERのキャストを見てみると、出演回数がもっとも多いのがドクター・カーター。いわばERの看板男優と言ってもいいだろう。

 彼にまつわるエピソードで私の記憶に残っているのは2つ。1つは、カーター財団を運営しているおばあさんが孫のカーターに期待を寄せて、医者を辞めてカーター財団をついで欲しいと希望を伝える。しかし結局、おばあさんが亡くなり遺書により委嘱されるまではカーターは医者を辞めなかった。おばあさんは亡くなる前に遺書を用意していたが、それによれば息子(カーターの父親)ではなく、孫のカーターに財団を任せると書き残した。

 もう1つのエピソードは、ルカの影響を受け、アフリカに医療ボランティアとして参加する。そこで何度も死にかけながらも医療を続ける。そんな中で将来の奥さんになる人を見つける。やがて彼女はカーターの子供を妊娠。カーターは彼女を連れてシカゴへ戻り、そこで出産させようとするが、理由はわからないままだったが死産だった。落胆のどん底でアフリカに戻る彼女を追って、カーターも彼女と一緒にアフリカで暮らすことを決める。(カーター財団の資産は病院を建てることで完了させる)

 カーターがシカゴカウンティ病院を去るシーンはグリーン先生が病院を去るシーンとオーバーラップさせている。ERの玄関口で出会ったドクター・モリスに「今後は君が中心になってやれ」と言い残して去っていく。これはかつてグリーン先生がカーターに言った言葉だった。

 


ER 緊急救命室 part II
マーク・グリーン先生の存在は大きかった

 いまでもビデオレコーダーにグリーン先生にまつわるドラマ、消せずに残してあります。

 左の写真はS8#18「空に輝くオリオン」の最後のシーンです。いつものようにあわただしい一日が終わりかけた時、待合室で長く待たされていた小さな女の子の治療(手に刺さったトゲを抜いてあげる)をします。
 そこで我に返るのかのように、残る時間を何に使うべきかに気付く。病院の出口ですれ違うカーターに、「君がERの中心になれ」と言い残して病院生活を終える

*写真をクリックするとYouTubeが起動します。
 
 
 続く#20は「手紙」、#21は「託す思い」。脳腫瘍が再発した彼の最後の時間の使いかたがメイン。バケットリスト(棺桶リスト)つまり人が死に直面した時、残る時間で何をしておきたいかをリストアップする。
 その中で最後の最後にやらなければいけないと思ったのが、多忙な前妻(弁護士)と多忙な医師である彼にほっておかれた娘、タバコと麻薬に手を染めていた。この娘を「諭すこと」がだった。
 子供の頃、米軍で働いていた父とともに過ごしたハワイへ娘を連れていく。手動変速付き車の運転を教えながら、自分の最後の時間に付き合わせる。そこに流れるハワイ出身の歌手、イズラエルが歌うSomewhere over the rainbowがとても胸を打つ。

余談ですが

・バケット・リストは、映画「
最高の人生の見つけ方」でも最大のテーマでした。

Somewhere over the rainbow は映画「ジョーブラックをよろしく」のエンドロールでも流れていた素敵な歌(イズラエルの声)でした。



ER 緊急救命室 partI


 思い返してみると(Dlifeの放映を観たのは)今頃だっただろうか。登場人物の一人、ルーシーが入院患者に刺されたのは。

 ルーシはとても明るい子で、頑張り屋。カーターを先輩と慕っている。何か分からないことがあるとカーターに相談するのだけれど、カーターは忙しさから、そしてまだ自分にゆとりがないのか、ルーシーを邪険にしている。そんな中で起きた事件だった。
 
   
 入院してきた患者の言動がおかしいので、カーターは精神科にまわせと指示するが、ルーシーは精神科の担当がなかなか来ないので患者に付き添っている。そんな中で起こった事件。彼女が患者に刺されたのだ。

(左の写真をクリックするとYouTubeが開きます)


 ERというテレビドラマのリアリティーは手術シーンに現れているが日本の医者ドラマと根本的に違ってとてもリアル。私のマイケルクライトンが描くERの世界にすっかり飲み込まれ最初の出来ごとがこの写真にあるルーシーが狂人に刺された回だった。そして次に続く回で医者仲間たちが必死に彼女を救おうと手術室で努力をしたが、ついに亡くなってしますというシーンにショックを覚えた。このドラマを観ていなかった家内に「昨日ルーシーが刺されて死んだんだよ」とつぶやいた。当然、家内は「何の話し?」という顔をしていた。

 TVドラマの中の出来事を現実と捉えるなどありえない自分なのだが、なんだかドラマの世界ではなく、一時生活したことのあるアメリカ・シカゴの病院で、あたかも実際に事件が起こったのかの様な感覚になったのを覚えている。視聴者にこうした錯覚を起こさせただけでも、このドラマ制作者の術中にはまったと言えるだろう。


 


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