映画&TVドラマ 

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ER 緊急救命室 part I

 始めてこのTVドラマを観たのは偶然からだった。自宅を新築する関係で品川区のマンションに引っ越し、半年ほどそこで生活した。そもそもBSだのCSだのは関係の無い世界で観ることもないと思っていた。それが偶然ビデオに録画されていたのだった。どうやらテレビを繋ぐアンテナ端子の先、ビルの屋上にはBS用のパラボラアンテナも設置されていたようだった。私の感覚ではWOWOWのようにBSは有料であり、有料な番組まで観てテレビに時間を取られるのもなぁ〜、といわば食わず嫌いのような状態だった。それがDlifeという視聴無料のチャンネルがあることを知り、またそこで出会ったのが「ER 緊急救命室」 だった。毎回ビデオに録画して繰り返しみたくなるほど感動だった。1つには、手術シーンがとてもリアルだったこと。また出演者ひとりひとりを個別に主人公に仕立てドラマ作りをしていたので、飽きがこなかったこと。扱われているテーマは、保険制度などアメリカの医療制度の問題、ティーンエージャーの妊娠、ドラッグによる中毒、また犯罪がらみでは銃で撃たれた人間が次々に救急車で担ぎこまれた。アメリカ社会を現状をドキュメントのようにリアルに描いていることだった。

 恐らくこのドラマに魅せられた人は大勢いるだろう。そこに私のようなERというドラマを昨日、今日知った中途半端なファンがコメントを書くのもはばかられた。そこで、まずは監督のマイケル・クライトンがなにゆえ「ER 緊急救命室」 なるドラマを作ったのか調べてみた。図書館で彼が書いた小説が見つかった。そこにあった著者紹介を読んで納得した。彼はハーバード大学を卒業したのちハーバード・メディカルスクールに進学し医学を学んだのだった。卒業後勤務したのがマサチューセッツ総合病院だった。彼の「ER 緊急救命室」というドラマはそうした背景から生まれた作品だった。

 こちらがマイケル・クライトンが書いた本、表紙帯にあるように、超人気ドラマ「ER」の原点となった本だということだった。  こちらが私がこのドラマを見始めた頃の主要出演者たち。ジョージ・クルーニーはこのドラマがきっかけで有名になったのだそうだ。



 この本「5人のカルテ」は5つのテーマという意味だった。

 最初のカルテは健康保険制度にからんだものだった。マイケル・クライトンが病院に勤めていた当時はメディケア(老人医療健康保険制度)もメディケイド(低所得者医療扶助制度)などがなかった時代だった。そんな時代の患者の様子を描いている。
 また医学生から始まる人材の教育にも振れている。医学生というのは学士号を持ち、さらにMD(医学博士)を目指して卒業までの4年間大学に在籍する。さらに、ほとんどの学生は1年間インターンとして大学病院で過ごす。インターンを終えて、病院内でレジデントとなる。このあたりはドラマを見ているととても良く分かる。

 これは本の一部の説明に過ぎないが、具体的な内容はまさにドラマの中で紹介されてくる。その意味でも、この本が、マイケル・クライトンが描くテレビドラマ「ER 緊急救命室」 だということが分かる。

 かつてこれほど私の興味を惹きつけたテレビドラマはなかった。新築した家に戻ってきて最初の追加工事はBSアンテナをどこに付けようか、だった。録画して何度もこのドラマを観る私を、家内が私の背後から冷ややかに見ている(笑)、それほどお気に入りの番組なのだ。


<余談>
 YouTubeで見つけたドクターカーター役のノア・ワイリーの談話が印象的だった。彼が始めてERに出演したのが1994年、22才の時だったそうだ。そしてドラマが終了する2009年までカーター役を勤めたが、その時彼は37才、結婚して子供のパパになっていた。

 彼にとっても、このERは彼の人生の大きな一部だっただろう。


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