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2008年1月27日   城山 三郎 著  「ゴルフの時間」より 

  <管理人> 正月休みに読みたいと思い年末に購入していた。ようやく読み終えたが、なんだか私には定年後の生き方を示唆しているような気がしました。私が感じた、城山氏からのヒントをご紹介します。 


 
 .   
第四章 組織や群れから離れて

 ”万年ブービーメーカー”と呼ばれ、ゴルフ自体に物申せる技量のない私だが、ただ、長年ゴルフをしているから、ゴルフをやっている人間について語ることは出来ると思っている。


  自分の属する組織や群れから離れ
   「無所属の時間」を持つ


  ゴルフに限らず一般的に、人はあらゆる場面において、社会的地位や名声に属する組織によって、その人物を評価し、接する態度を決めてしまいがちなものであるが、私は、そうした日常から解放された空間の大切さを説き、自分の属する組織や群れから離れ、「無所属の時間」を持つことを薦めている。

  余暇時間が増大するとともに、自分の時間をどのように充実させるか、いかに深く生きるかということが重要になってきている昨今、この「無所属の時間」の使い方次第で、その人の人生は大きく変わる。


  英語に「Where there's will, there's a way.  (意志のある所に道あり)」という諺や「Capacity never lacks oppotunity (能力のある者にチャンスはめぐってくる)」という言葉があるが、「無所属の時間」を持ち、人間としての能力を磨く努力を惜しまぬ者に、道は拓けるものである。


 <管理人> 思うに、定年ってまさに自分の属する組織や群れから離れることかと。人生80年とすれば、あと定年後に20年もの時間が残されてしまいます。まさに、この城山氏言うところの「無所属の時間の使い方次第で、その人の人生は大きく変わる」ように思えてきます。私もそんなことを考え、定年前に準備をしておかなければ、、、、。

  ちなみに、転職経験豊富な私の経験則から言えば、今の職がある間に次を考え、決めておくこと。辞めてから次を探すと、交渉で足下を見られたり、自分を安売りせざるを得なくなりますよ。ご参考までに!



  さて、これ以外にも私が”同感”と思うことがあった。


・当時の文士の多くがそうであったように”流行モノ”であるゴルフをバカにしていた。

  → 私もかつて上司にゴルフを薦められ、「ゴルフなんてブルジョアの遊びだ」と言ったら、
     今の時代に”ブルジョア”なんて死語だなぁ〜、と笑われた。
     何度も誘われたので、30歳から始めたテニス、年の加減でボールのところまで疾走出来なく
     なったら転向します、と。そう言っていたら、ある年代になったら本当に走れなくなった。


・今にして思えば、ゴルフのお陰で命拾いをしたことになる。

  → 50歳でゴルフを始める前は、医師に「このままだったら確実に成人病になります」
     と言われていた。父親を思い出してみると、遺伝的にも太り安い体質のよう。私もゴルフを
     していなかったら、本当に成人病になっていたかも、、、、、。
 

・ゴルフ場にまで、会社などの上下関係を持ち込んでいる人達をよく見かけますけど、文壇
 ゴルフにはそれがない。大作家が若造と対等に付き合ってくれますからね。


  → 私は外資系といえど、中小ベンチャーに属している。社長から新入社員にいたるまで同じ
     サイズのパーティション内にあるデスクで仕事をしているという企業カルチャー。
     しかもソフトウェアに関係するエンジニアは30歳代の若い人ばかり。上下関係なんて振り
     回したって仕事は回らない職場。そんな組織にいるお陰で割と誰とでも分け隔て無く付き
     合えています。この部分については困ることはなさそう。



  最後に、著書から私が感じた言葉の数々を巻末にあった「城山三郎箴言抄」からリストして
この本の紹介を締めくくりたいと思います。<管理人>


  人生の持ち時間は限られている。その中で、時間を忘れるほどの陶酔をどれほど多く持ったかで、人生の価値が決まるような気がする。
                                  「ねむくなる番組」

  人は健康になるために生きているのではない。楽しく生きるため健康でありたい、というだけのことである。
                                  「途方もない夢」


  通勤苦ひとつとってみても、組織の中で生きるとは、たいへんなことである。
  ときには、やりたくない仕事をやらされ、好きな仕事には就けぬ。顔も見たくない上司に仕え、蹴飛ばしたい思いのする部下にも耐えねばならぬ。
  人見知りはするし、好き嫌いの激しい私など、半年と続かぬ気がする。
                           「四十代最後の年に(続編)」


  碁でも、ゴルフでも、決して思うようには行かない。人生には、失敗や行きどまりはつきものということを、趣味がときには教えてくれるんですがねぇ。
                                    「創意と工夫」






もしこれを読んで興味を持たれたら、是非この本を買って読んでみてください。

ゴルフダイジェスト
ゴルフダイジェスト新書 「城山三郎ゴルフの時間」 

価 格

¥900 (税抜¥857)
  ゴルフダイジェストオンラインからの注文は「こちら icon」から




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