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2007年07月14日  川上 義正さん 「西オーストラリアでゴルフ行脚・最終章」

  ※ そもそものお話しは「こちら」で

 <管理人> これまでの何年間かオーストラリアを周ってきたように、この4月から再び観光ビザで滞在可能な最大期間、90日をかけてゴルフ場行脚をし、その旅を終え日本の戻ってきていた。その川上さんにお会いすべく八王子にお尋ねしてきました。駅近くのファミリーレストランでランチをはさんで4時間、楽しくお話しをお聞きした。

  まずは川上さんが周って来た距離を実感してもらうために日本とオーストラリアの地図を並べてみました。オーストラリア大陸の地図上で左端のブロックが「西オーストラリア州」。日本と比べてその広さを実感して貰えるでしょうか。ここを、比較的人口の多い海沿いを皮切りに、徐々に内陸部の、それも恐らく今後数十年でも、まず川上さん以外の日本人が行くことのないであろう場所を含め、北から南まで、たった一人で、数年間に分けてゴルフ場行脚をしてきたのでした。

 移動手段は飛行機でもレンタカーでもなく、すべて列車、バス、部分的にタクシー、そして最後は徒歩だったというからビックリです。

Golfing Westralia
新風舎 ¥2,100

 西オーストラリア最大の都市パースを中心としてこうしたゴルフ行脚を始めた理由をお聞きしてみました。

 ・以前参加したパック旅行で決められたコース、日程をこなすスタイルだったことに飽き足らなかった。

 ・日本からの観光客誰もが訪問するオーストラリアの都市(シドニー、ゴールドコースト)を敬遠した。

 ・一旦、ゴルフ行脚を始めた以上、これまた旅行者が行きそうな数コースだけで良しとしたくなかった。

 このあたりは川上さんの反骨精神とも関係があったようです。エンジニアとしての仕事人生を終え、次の生活を始めるにあたっても、エンジニアとしてのスタイルを貫いたようです。


 現在、今回の旅行で撮ってきた写真やメモしてきた出来事を整理し始めたところだそうですので、順次、川上さんのホームページブログに紹介をしていかれるのでしょうが、今回、その旅行の断片をお聞きしてきました。それによれば、パースを中心とした都市部、つまり一般的に観光旅行者が行くようなゴルフ場と内陸部とではまったくその印象は違っていたようです。

 西オーストラリアへ行った人ならイメージできるかと思いますが、パースの中心部から1時間も車で走ると、そこは人影の見えない、牧場か畑が延々と続く状態になります。そんな中にある地方のゴルフ場を道路地図で探しては訪問したわけです。こうしたゴルフ場の多くが無料であったり、有料であっても、どちらかというと寄付程度の料金しか取らないところが多かったようです。

 つまりゴルフは膨大な土地のある彼らにとっては、もしかしたら日本におけるゲートボール程度に近場で簡単に出来るスポーツ/レクリエーションのなのかもしれません。町によっては、人口数百人というところもあったようですから、そうした町にあるゴルフ場の中には、メンバーたった二人、などという我々には想像も出来ないようなゴルフ場もあったそうです。そんなところはフェアウェイもグリーンも(実際にはブラウン/土だったようです)、使い慣れた農業機械を使った手作り的なもののようです。きんとした芝ではなく、野っ原であったり、土がむき出したままのフェアウェイも多々あったようですから、これはもう日本人が考えるゴルフ場のイメージとはかけ離れたものですね。

 こんな具合に、西オーストラリア州のゴルフ場行脚を始めた時は、(ご自身もおっしゃっていましたが)一見、自己満足のようなゴルフ場行脚でしたが、訪問の回数を重ね、多くの人に助けられ、現地の人と触れ合えたことが最大の収穫だったそうです。これも、たった一人での旅だったからこそ、現地の人も話しかけやすかった訳です。



 一般に、会社勤めの長かった人は、仕事は勿論、遊び相手も会社の人。そうした人が定年を迎え、会社という枠が無くなってしまうと、とたんに何も無くなってしまったと感じてしまうようです。幸いなことに、川上さんの場合は、サラリーマン経験2社のあと、自分で事業を始めました。自分で仕事も人間関係も切り開かなくては何も始まらない環境を経験していたので、こうしたことが出来たのでしょう。

 お聞きしたところでは、当初西オーストラリアのゴルフ場行脚を始めた時は、自営業の仕事があるからと日本から見守ってくれていた奥様も、その後他界されたとのこと。それでも初志貫徹し、今年ようやく西オーストラリア州にある、ほぼすべての18ホール(注)ゴルフ場を制覇したのでした。おん歳70才だそうです。

 今、川上さんは、「シニアの生きがい作り」といったテーマの講演をしてみようと考え始めているようです。川上さんの場合は、オーストラリアのゴルフ場を行脚する、ということがテーマでしたが、テーマは人それぞれであって良いはずです。どうやってそうしたテーマを見つけていくか、きっとすばらしいヒントを与えてくれることでしょう。

 今後の川上さんの活動に大いに期待をしています。本日は、長時間に渡ってお話しを聞かせていただき、有難うございました。

 

(注)ゴルフは18H周らなければならないと考える日本人と違い、目と鼻の先にゴルフ場があり、いつてもゴルフが出来る彼らにとっては、9Hが気軽だし、それで十分楽しいと考えると考えるのか、9Hだけのゴルフ場も多数あるようです。

 


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