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酔竜 さんより

 あの初心者向けのクラブ選びのポイント を書いている酔竜さんより「50歳からのゴルフ」へアドバイスを貰いました。


 私自身はゴルフを始めたのが30過ぎてですが、50歳過ぎの方にはもう少し条件が厳しくなる面があるかと思います。でもこんなに楽しいスポーツはめったにないと思っていますので、始められる方が少しでも増え、そして嫌にならずに楽しんで続けていただければいいなと思ってこの文章を書きます。

1、目標を設定する
 シングルになろうと思ってはいけません。シングルになれる人はもともと運動神経がいいか、練習量とラウンド回数が多いかのどちらかが必要です。練習場は週1回、ラウンドは月1回では絶対に無理です。
 まずはゴルフをする目的を振り返ってみましょう。楽しむためにやるのですよね。私の場合は120を切るようになってからゴルフを楽しめるようになりました。まずは120を切ることを目標に置いてください。そしていつも100-110の間でたまに90台が出ればかなり楽しいでしょう。未体験ゾーンですが(苦笑)。
 ラウンド回数を増やせば、どんな人でも必ず100は(時々)切れます。月一でだめなら月二で、それでもだめなら週一やってみましょう。私もやりたいです。

2、いい仲間を持つ
 誘われてゴルフを始めるのでしたら申し分ありません。いつまでも付き合える、一緒にいて窮屈でない人とでしたら楽しくできます。お互いに向上心があればなおいいですね。そうでなければある程度うまくなってから(たまに100が切れるレベル?)ゴルフ場の会員になり、知らない人と回って知り合いになるというのもいいと思います。
 そしておすすめしたいのが、奥様も一緒に始めることです。悪い奥様でしたらおすすめできませんが、いい奥様でしたら今までより絆も深まることでしょう。ただし練習場以外でのスイング指導はけんかのもとですので御法度です。ワンポイントをポツリとつぶやくのは状況によってはOKです。練習場でも奥様の気持ちを考えながら。怒るのは厳禁です。あと、奥様の方がうまくなるのが大多数ですので、嫉妬したりくさったりしてはいけません。男の度量で、下手でもどーんと構えてください。

3、無理をしない
 他の方も書かれていますが、体を壊してしまうのは一番いけません。ゴルフで痛めやすいのは腰、首、膝、手首などの関節が一番ですが、その他心臓とか脳みそとかもいたわってやらなければなりません。
 まずは素振り、練習場、コースに限らずクラブを振る時は必ず準備体操をしましょう。大げさなものは続きませんから手首を振る運動、屈伸伸脚、アキレス腱延ばしくらいでも違います。あと最初からドライバーショットはしないで、アプローチから始めるか、短いクラブでショートスイングか7-8分の力でのショットからにしましょう。そして体が温まったらいつものショットに移るといいです。

4、健康管理
 心臓とか脳みそとかは、高血圧や糖尿病をお持ちの方にとっては重要です。タバコを吸われる方は動脈硬化がさらに進み、血管が縮まりますのでなおさらです。昼食でお酒をたくさん飲まれる方は心臓に負担がかかる上に脱水になりますので危険です。そして汗をかくと・・・。もうお分かりですね。血液がどろどろになると心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞など血管が詰まる病気になりやすくなります。
 対策としては、高血圧や糖尿病がある方はできればお酒とタバコのせめてどちらかは控えるのがいいと思います。そして何より重要なのがこまめな水分補給です。夏場はハーフで1リットルくらい飲んでも足りないかもしれません。水分と電解質補給を考えるとポカリを半分に薄めたものがおすすめです。

5、練習方法
 コーチに習うのがベストですが、自分に合ったフォームというのもありますので、誰にでも同じ方法で教える人は避けましょう。知り合いに習うのはそういう意味でもより危険ですが、うまくフィットすればかまいません。30年前の理論で教えられたらどうにもなりませんので、普段から現在の理論を勉強しておきましょう。自己流でも十分100は切れますのであきらめないで下さい。
 50歳過ぎの方(と私)は関節が硬いですので、スイングは小さい方がいいです。プロのようにトップでシャフトと地面が水平、と思うと体が壊れるか、オーバースイングになります。例えば坂田さんのショートスイングのトップが横から見て時計の11時くらいなら、1時くらいのトップで十分です。そもそもショートスイングでもフルスイングと1番手違いくらいの距離が出るということですので、それでも十分です。
 がんばって打とうと思ってはいけません。力を入れれば飛距離が伸びるというのは間違いですし、体を壊すもとです。金づちを打つとき全力では打ちません。ゆるゆるグリップで、腕はクラブの延長と思ってその他の部分に意識を持っていくといいです。ヘッドスピード測定器を購入して、どういうスイングでヘッドスピードが上がるのか実験してみるといいかもしれません。そしてダウンスイングで手首はこねないようにしましょう。手首をこねると飛距離アップとスライス矯正の効果はありますが、手首を壊す、曲がるなど失うものが大きいです。
 そもそもスイングが格好悪いとか、球が曲がるとか、飛距離が出ないとか、欲をかくとろくなことがありません。たとえば5Wで180y、7Iで120y飛べば十分100は切れます。いつも同じ曲がりをしていればゴルフになります。
 スコアアップにはアプローチとパットが重要ですが、練習があまり面白くありません。でもがんばってみる価値は十分にあります。2打目をグリーン周りのどこかに落とせばあと2-3打で上がれる、と思うと2打目が楽になります。

6、クラブ選び
 簡単なクラブがおすすめですが、曲がりを矯正してくれるクラブだけは私は嫌いです。スイングが固まったベテランにはいいのですが、これから始める方には悪いくせがつく原因になります。ただしトップダフりのミスをカバーしてくれるクラブは大賛成です。
 一番重視していただきたいはシャフトの材質です。体力のある人が軽いカーボンシャフトのクラブを使うと、手打ちの悪いくせがつきます。逆に体力のない人が重いスチールを使うとうまく振れません。これは説明するのが難しいので試すしかありませんね。軽量スチールというのが一番の妥協点ですので、最初はそちらから入った方がいいかもしれません。硬さは最初はRがいいでしょうか。ヘッドスピードだけでは決められないようですのでこれも試すしかありません。見栄はってS、というのだけはやめてくださいね。
 ヘッドはキャビティとか中空とか、要はスイートスポットを広げたもので上下のミスをカバーしてくれるものがいいです。ただナイスショットをしてもミスしても同じ感触というのだけはやめましょう。難しいヘッドはゴルフがいやになりますのでこれもだめです。
 そして最後に。100を切るまではクラブは何を使っても結果は同じです。そうすると見た目がいいとか、打った感触がいいとか、音がいいとか、そういう選び方もしてください。

7、クラブセッティング
 5W、9W、6I、8I、PW、SW、パター。それだけで十分です。5Wと9Wはユーティリティでもかまいません。それぞれ180、150、130、110、90、70yくらいの見当でしょうか。このセッティングの場合、飛距離の迷いはほとんど出ません。手前から攻め、距離が足りないくらいで狙うといいです。ただそこにバンカーがあればもっと先を狙います。これで十分100は切れますので、その先はまた考えましょう。アイアンのバラ売りはほとんどやっていませんので難しいですが。

8、コースにて
 一番考えないといけないのは、他人に迷惑をかけないことです。素振りを何回もする、アドレスで固まる、パットのラインを時間をかけて読むなどはスロープレイで厳禁です。セカンド以降はクラブを3本持ってボールのところに行きましょう。状況に応じて9W、6I、8Iのセットか、はたまた8I、PW、SWかと考えましょう。私の場合は130y以内は8I、PW、SWですべて対応できます。8Iはランニングアプローチにも使いますし。
 飛んで曲がるクラブ(打ち方も)は使用禁止です。スコアを崩すもとでもありますが、ボール探しが大変です。走って丘を登ると突然死が待っていますし、時間がかかると楽しくありませんし、同伴者にも迷惑がかかります。曲がるクラブは最大180-200yに留めましょう。そう考えると、ドライバーよりも5Wの方が曲がらないですし、普通の人だったら飛距離もほとんど変わらないと思います。
 アプローチはできるだけ転がしましょう。使用するのは8I前後がいいです。SWで上げて止めるのはかっこいいですが、トップして大オーバーという危険もはらんでいます。SWを使うのは100を切ってからです。
 最大の敵はバンカーです。バンカーだけは避けましょう。池とか谷底は落としてもスコアが悪くなるだけですが、バンカーは延々と打ち続けるはめにもなりますし、トップしたらOBもありますので、気分は最悪です。
 そして、一喜一憂するのはいいのですが、クラブを地面に叩き付けたり、キャディさんのせいにしたり、悪態をつくのは最悪です。同伴者にぜひまた回りたいと思われるようなゴルファーでいてください。

9、楽しめるゴルフとは
 いいスコアが出るだけではいけませんし、そうするとスコアが悪いときにはどうにもなりません。コースの景色がきれいで食事がおいしいところを選んで行くとか、いい仲まで行って楽しくしゃべりながらプレーするとか、帰りに温泉に寄って一泊して帰るとか、いろいろ楽しみを見つけてください。私の場合なかなかそれができませんので、もっぱらクラブいじりに楽しみを見つけています。

 

<編集者> 私同様に50歳を過ぎてゴルフを始められるなら、無理をしないで楽しむためのこれらのポイントに留意したいものですね。また「ゴルフクラブ選び」についてはさすがに良いアドバイスをしてくださっていますねぇ。有難うございました。

 


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