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  コロナによる自粛期間を経て、海外旅行の形が変わるのかも?  ・・・ (2020/09/27)


 マニアとまでは言えないが、かつて私はオーディオ関係のことに熱心だった時代もあって、真空管アンプを自作したりもしていた。初期のオーディオの世界の関係者は実際の音にいかに近づけるかに熱心だった。舞台でオーケストラが演奏し、それがいつの間にかアンプとスピーカーに置き換わっていても聴衆は気がつかないという設定までして、アンプとスピーカーの世界がついに実際の演奏の音に取って代わる時代が来たとアピールしたのだった。

 最近、脳科学者の中野信子さんの本を数冊読んだが、人間の脳というものは案外簡単に騙されることがあることも分かった。人間の感覚は、俗に五感といわれていて、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚があるが、いずれも騙しのテクニックの前には案外簡単に騙されるようだ。

 さて、この新型コロナウィルス沈静傾向(?)で、GO TO キャンペーンに東京も加え国内旅行もじょじょに戻るだろうが、海外旅行となると、いつになれば安全な旅行が出来るようになるのか。それは相手国があることゆえ、そう簡単には決められない。例えば米国合衆国やブラジルなどは今でもかなり危険そう。さらには新聞等で読むところでは、日本で免疫(抗体)を持っている人が海外へ行き、彼の国で感染してしまった、という話しも聞く。どうやらコロナウィルスには型があるようで、日本で感染経験を持ち抗体があるのだと信じていても、それが必ずしも海外の国でも有効とは限らないようだ。

 1年伸びた東京オリンピックがあるが、そのあたりを関係者はどう考えているのだろうか。現状の流れでは、なんとかワクチンが間に合いそうなこと。また選手は来日直後の隔離期間を設けずに到着後から練習に入れるように配慮するようだ。ただし、オリンピック参加選手のための宿泊施設以外に自由に歩き回れることまでは保証していない。あくまで限定した地域内での行動の自由を保障しただけのようだ。


 私は定年前には頻繁に海外にも出ていたが、定年後に自分で仕事を始めたが、海外の人を日本で案内することはあっても、自分自身が海外に出ることは創業時に仕事の調査を兼ねてアフリカ(ガーナ)へ行ったことを除けば3年に1度程度になった。

 ただ、いままでも旅行をするなら国内より海外に目のいく私は、自分が旅行する代わりにテレビで海外の観光番組を良く見るようになった。昨今の海外の観光番組を見ていて感心するのは、衛星画像やドローンからの空撮動画を多用するようになったこと。たとえ実際に自分がビクトリアの滝などに行ったとしても、ドローンから撮影したような雄大な絵づらは地上からでは見えようがない。つまりこの部分だけで言えば、リアル(実際に自分が旅行する)よりも、イメージ(画像)を通じて見た方が俯瞰的に見え、人によってはこちらの方が感動は大きいかもしれないのだ。上のリストにある五感という意味では視覚、聴覚まではリアルを越えてしまう部分もある。


 先のオーディオ機器の発展の歴史的に言えば、VRで見る仕掛けがもっとリアルになれば、スタジオのようなところで世界各地へ旅をすることで実際に旅行することのおおまかな意味での代替になるかも(?)しれない。すでにディズニーランドなどの施設でそうした試みがなされていて、それに大いに満足している客達がいて、瀑布から流れてくる霧状の風が肌に触れるしっとりとした感じもスタジオで十分に作りうると思っている。こんな具合に確実にバーチャルな世界は、リアルな世界の代替物となりつつあるのは確かなところだろう。

 ※ VR = バーチャル・リアリティ(英: virtual reality)とは、現物・実物(オリジナル)ではないが機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系。 ... 日本語では「人工現実感」あるいは「仮想現実」と訳される。

 「インバウンドを引き込もう!観光とAR/VR組み合わせの重要性とは」より



 実際の旅行には、季節と天気がからんでくる。たとえばウユニ塩湖。インスタで見るような鏡のような塩湖の表情は雨期でないと見られないようだ。また、季節はまだタイミングを合わせようがあるが、日々の天気となるとどうしようもない。海外旅行で現地に行ったものの連日雨、となったら参加者はどうするのだろう。今後、こうしたケースでは、参加者全員を大広間に集め、VR眼鏡をつけさせ、「本日、雨でなければ行くはずであった場所のリアルな仮想現実を見せて納得してもらう」といったことも出てくるのかも?


 さて、残るは何だろうか。私が海外に行って感じるのは、それぞれの国によって独特の臭いがすること。飛行場に到着しドアが開いた時に漂ってくるそれらの臭いを感じると、ああ、この国に来たのだと認知することもある。つまり嗅覚についてはまだまだ研究の余地があるのかもしれない。

 残りの味覚だが、海外の料理のほとんどは日本でも味わうことが出来る。ただ、その土地ならではの空気感があって、その中で食べるから美味しいと感じれる場合があることは否定しない。


 いろいろ書いたが、私が言わんとするところは、2020年以降に海外旅行が再開されるようになった時に、旅行者が旅行に求めるものが少し変わってきはしないだろうか、ということ。私が海外旅行に求めるとすれば、その国いるのだという空気感かもしれない。



<追伸>
 コロナで行けなくなった訪問先へ VRで「バーチャル修学旅行」   2020年11月7日 16時55分 放映
 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201107/k10012699951000.html

 コロナ禍で、旅行がしづらくなった。そんな中でVRの技術が出来なくなった旅行を補完するようになるのではないかと思っていたが、こちらNHKの放送内容によれば、まさにそんな動きが出ているようだ。


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