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88.長続きしないのは、本当にやりたいことと出会っていないから ・・・ (2011/09/25)


 初めて青木先生の講義を聞いたのは、確か1997年だったかと思います。外資系企業に採用され、それも20年ぶりの営業職に就くことになったもので、ボスに頼んで、あらためてセールスという仕事について勉強させて貰うことにした時でした。確かタイトルが「トップセールスマン養成講座」だったかと思います。場所は商工会議所が持つ白樺湖の研修所で、泊りがけの講座でした。

 詳しい内容は覚えていませんが、いまでも覚えているのは、この講座は「How to」を教える講座ではなかったということ。ここで教えられたことは、トップセールスマンになるための「正しい考え方」を中心とした講義内容でした。

 どんなに努力したとしても、正しい考え方が出来ていなくては、けっして良い結果にはなりえない、ということからスタートした講座は、当初、How toを山ほど勉強させられるのかと思っていた私にとって、とても意外で、また、これは面白いぞと感心させられるものでした。

 講座の中でいろいろロールプレイングをしたのですが、青木先生は目を合わせてお話しをすると、彼の世界に引きづりこまれるのではないかと思うほど、魅力的な話し方をされる人でした。



 さて、さて、前置きが長くなってしまいましたが、そんな青木先生の著書と書店で久しぶりに再会したのです。このホームページでも紹介していますが、1年前に始めた中古車輸出の仕事を、放射能汚染問題から、一旦中断したわけですが、自分で決めたにもかかわらず、再開できるかに一抹の不安もあったのです。そんな状態だからこそこの本に目が留まったのでしょう。


 以下は、目次です。

第1章 人はなぜ続けられないのか?―― 快適感情が人を動かす
第2章 続けるための原点――自分の「願望」を明確にする
第3章 続けるプランづくりのアイデア ―― 早く限界突破を経験する
第4章 続けるテクニック1<姿勢・取り組み>
第5章 続けるテクニック2<時間管理・行動管理>
第6章 続けるテクニック3<情報・メモ>
第7章 続けるテクニック4<人>
第8章 モチベーションが下がったときの対処法

 ノホホンと生きてきた私なんぞと違って、苦労の末に現在に至った青木先生とは月とすっぽんの違いがあるわけですが、不思議と、ここに書かれていることは、私と考えを同じにするものでした。恐らくは、セールスをやってきた人間に共通する理解があるからなのだろうと思います。


 この本の中でのユニークさの1つが、長続きしない理由を、意思の弱さから、と結論付けるするのではなく、むしろ本当にやりたいことと出会っていないからだと言い切る点でしょうか。

 サラリーマン生活を終え、自分で「中古車輸出」の起業に至り、1年間続けてこられた仕事ですが、振り返ってみて、また、今後の再開・継続を考える時、この仕事が「本当にやりたいこと?」ということに、大いに関係があると思っていましたので、この切り口から入る入り方は、とても受け入れやすいものでした。というのも、誰からも、これをヤレとは言われなくなる定年後。いざ、何かをしようかと考えても、自分のやりたい事探しが大変でした。定年後になにをするか、またそれが成功するかどうかに、この「本当にやりたいことと出会えたか」、別な言葉で言えば、「本当に自分やりたいこと、分かってますか?」の問いに自分自身が答えられるかで、スタート地点が決まってしまうことでしょうか。


 この本の中で私なりにキーワードだと思う言葉が2つ。1つが「快適感情」で、もう1つが「限界突破」でした。「快適感情」とは、例えばダイエットを考えてみると分かりやすいでしょう。

 ダイエットは目的が明確なので、誰にでも出来そうなのですが、案外実現が難しく、であればこそ、成功した人の、俗に言う「ダイエット本」がもてはやされるわけです。実は、ダイエットには2つの「快適感情」があって、1つが「食べたい」という「快適感情」、もう1つが「スリムになりたい」という「快適感情」、と説明しています。続かないのは、根性がないからではなく、痩せることはあまり好きではなく、食べることが好きだから、と説明しています。
 つまり今の快適を優先してしまう人はダイエットが出来ず、将来、ダイエットして得られるであろう「快適感情」をしっかりと選べるようになれば、ダイエットは成功する、ということです。そのためには、ダイエットすることも意味をしっかりと見出し、より強い「願望」を持つこと、と定義しています。


 さて、もう1つのキーワードは、「限界突破」です。これは、たとえうまくいかなかったとしても、やり切っているかどうか。つまり、限界を突破した経験があれば、再チャレンジ出来ると説明しています。というのも、「限界突破」が「意識改革」を生み出し、更に先に進めるからです。そういえば、新人セールスを育てる時に、気配りしたのは、小さな成功体験を積ませてあげよう、でしたから。


 なんだか20代にHow to本を読んでいるような新鮮な思いでこれを読み上げました。60歳を過ぎていようとも、私がやろうとしていることがサラリーマン1年生同様な状態だからなのでしょう、とても新鮮に心に届き、次のステップへ進むエネルギーの1つになったような気がします。

 もし、自分は何事も長続きしない方だと思われるのであれば、読んで見る価値は十分あると思います。ご紹介までに。




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