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78.経営の視点、大きくても、小さくても基本は同じ ・・・ (2011/07/31)

 

 鉱石ラジオって(もしくは、もう少しだけ新しいと、ゲルマニウムラジオという呼び方になりますが)ご存じでしょうか?写真の右はソニーの高級ラジオで海外放送なども聴けるものなのですが、ラジオとしての基本機能は鉱石ラジオでも高性能ラジオでも同じで、(同調、検波、再生)の3つから成っています。その昔、アマチュア無線をやっていた私もスタートは写真左のようなラジオ作りから始めたものでした。

    (同調:聞きたい局を選ぶ、 検波:電波を音声信号に変換、 再生:音声信号を実際の音にする)

 今、個人事業主として仕事をしていると、自分はまるで鉱石ラジオのように仕事をしているのだな、という気がします。たとえ小さかろうと、経営としての基本形は備えているわけですね。

 個人事業の場合、「大胆さ」と「繊細さ」ということの両方が求められているような気がします。大胆さ、たとえば中古車のオークション会場で中古車を競り(オークション)で買う訳ですが、迷っていては何も買えません。ここは大胆に、えいやっと買わないと、いつまでたっても肝心の仕入れが進みません。

 方や販売となると「繊細さ」が求められるような気がします。私の知人は、中古車輸出の仕事を始める前から別な分野の事業を個人でやっていました。ですので、オークション会場での、えいやっのかけ声で競り落とすのは得意です。ただ、彼の場合、「繊細さ」に難がありそうです。ご存じのように、インターネットで中古車を売る、つまり通信販売をやっている訳ですので、写真はとても重要です。私の場合は、自前のホームページも持っていますし、楽天オークションで何度かゴルフクラブを販売した経験があります。そんなことから、買って貰うために、写真がいかに大事か実感しています。しかし、知人はそうした経験もなく、また性格的にもこうしたことには無頓着なようです。



コンピュータの発展」より

 成功した企業を見てみると、大胆に事業を進める社長の傍には必ずと言ってよいほど女房役がいるようです。例えばホンダ。本田宗一郎社長には女房役の藤沢武夫さんという方がいたのは有名なお話しですね。個人事業主の場合は、文字通り一人でやっている訳ですので、この女房役がいません。(少し大きくなると、奥さんに経理を頼む方が多いようです。これが文字通り女房役ですね)

 さて、分業が出来ないとなると(自分一人で運営しているとなると)、その昔流行ったパソコンの売り文句(日本IBMが発売したマルチステーション、5550)ではありませんが、1台○役、をこなさなければなりません。今、私が直面している課題、「大胆さ」と「繊細さ」というと、どちらかというと二律背反的な要素だけに、自分の性格とは異なる別の自分を用意するのは、結構難しいものです。


 なんだか話しが抽象的になってしまいましたが、約1年ほど個人事業をやってみて、難しいと感じるのはこの部分です。せめて足りないモノを外の人脈へと求めるのが良いのでしょうね。幸い、業界を超えて転職を果たした経験もありますので、知らないことに謙虚になりながら、頭をさげて、新しい人脈を作ろうとしています。こうした智恵で事業を進められるのも、長年の経験があればこそですね。


 創業寺子屋塾で教えて貰った、シニアの起業に必要なもの3つ、は「人脈」「経験」「小資本」でした。同感です。





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