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76.自信を持つことの大事さ ・・・ (2011/07/03)


宋文洲氏のメールニュース(第176号)  金ピカ先生 自信を持たせる教育を! より抜粋
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谷崎潤一郎の作品に「友田と松永の話」と言うのがある。読んだのは半世紀近く前なので詳細に関しては自信がないが、大筋は間違っていないと思う。

四年毎に恰幅が良くて明るく溌剌とした友田(以下Tと表記)としょぼくれて暗い松永(以下Mと表記)に入れ替わる男の話だ。Tは大阪?でキャバレーの経営者をやっていて、自信に満ちた人物だ。一方のMは田舎で農業をやっており、Tよりは老けて見えるし、活気がない。

MとTは体型まで違う。MとTとが同一人物だとは作品中で明言されていないが、ニュアンスとしては同一人物だ。同一人物でも環境と生き方次第でこんなにも変わってしまう。これは小説の中だけではない。故宮澤喜一氏は総理大臣を辞めると途端に老け込んでしまった。ところが大蔵大臣に復帰するやまた元の総理大臣時代の雰囲気に戻った。まるで「友田と松永の話」を地で行ったようなものだ。
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話しは変わりますが、先日我々の長女が結婚しました。両家族だけの式だったもので、新婦による、「育ててくれた両親への手紙」なるものの紹介はありませんでした。その代わりとして、娘は直接私に手紙をくれました。帰宅して読んでみると、こんなことが書いてありました。

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お父さんへ

結婚式で花嫁が読む手紙に、社会人になって家族を養ってくれた父親のありがたみがよく分かった、という話しを聞く事が多いけれど、私の思いはちょっと違います。だって、お父さんは基本的に仕事が好きで、人と関わる事が好きなんだろうなと思っていたからです。もちろん仕事にはやりたくない事やつまらない事もたくさんあるけれど、仕事を通してしか得られない何かがあるから今も仕事を続けているのだと思うのですが、いかがでしょうか?勝手な思いこみかもしれないけれど、そういう仕事に対する姿勢に私は深く共感します。
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実際、私が60歳まで仕事をしてきたなかで、家族のために犠牲になって働いたといった意識はなかったですね。いつも、もっと自分を実現する場があるのではないか、あればそれにチャレンジしてみたいと思ってきた。お陰で、定年までの転職経験数は片手を超えました。しかし、幸運にも変わるたびに年俸もあがり定年を迎えました。

さて、定年になって家族を養うためという大きな目的は終了した訳ですが、なおも私はあらたな仕事を見出し、やっています。それは60歳からの新しい目的、つまり仕事を通じて自分に「自信」を持たせるためのものなのだと思っています。

人が自信を持つためにやれることは、仕事をすること以外にも、いろいろあると思いますが、私にとっては「仕事を通じて」というのが一番分かりやすかったということです。さて、さて、いつまで続けられますかねこの仕事。

 


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