72.人間は死ぬまで働かなくてはいけない ・・・ (2011/04/03)
ゴルフをテーマにこのホームページを作っているくらいですから、ゴルフ用品は90%インターネットで購入しているし、地方の美味しい和菓子などもインターネットで購入することが多いです。しかし、本だけは書店で買うのが好きです。書店の店内をぐるりと回って、ふと目に止まった本を買うという楽しみは捨てがたいのです。
今回も家内と広尾(東京・渋谷区)を散歩していて、立ち寄ったいつもの本屋さんでこの本と出会った。私は知らなかったのですが、この書店の売れ筋ベストテンのトップにランクするのだとか。まあ、私は売れているから買ったのではなく、私が考えていることと同じテーマについて書いてあるようなのでこの本を買ったのですが。
それはこの本の前半(第1章〜3章)あたりにあったのです。特に、第3章の「人間は死ぬまで働かなくてはいけない」は同感です。私自身、定年をスゴロクにおける上がりのようには考えていませんでしたので、読んで見て、まさに「我が意を得たり」という印象でした。勤め人としての「定年」は、単に、中学校(義務)が終わっただけ、先にまだ学べる場があるのだから次は高校(定年後の仕事世界)へ行こう、という考えて、60歳から自分で出来る仕事を見つけ、現在に至っているからなのです。
まずは以下の目次をご覧になってみてください。
第1章 なぜ老人は才覚を失ってしまったのか 高齢であることは資格でも功績でもない 老化度を測る目安は「くれない指数」 昔の老人には、老いる「才覚」があった 基本的な苦悩がなくなった時代が、老いる力を弱くした 戦後の教育思想が貧困な精神を作った 老人の使う言葉が極度の貧困になった 外国の人の会話は実にしゃれている 第2章 老いの基本は「自立」と「自律」 他人に依存しないで自分の才覚で生きる その時々、その人なりのできることをやればいい 自分の能力が衰えてきたら生活を縮めることを考える 人に何かをやってもらうときは、対価を払う 高齢者に与えられた権利は、放棄したほうがいい いくつになっても「精神のおしゃれ」が大切 自立を可能にするのは、自律の精神 健康を保つ2つの鍵は、食べ過ぎない、夜遊びしない 性悪説に立てば、人と付き合っても感動することばかり 第3章 人間は死ぬまで働かなくてはいけない ひと昔前まで、人は死ぬまで働くのが当たり前だった 老人になったら、若い人の出る幕を作ってあげるべき 老人が健康に暮らす秘訣は、目的・目標を持つこと 「何をしてもらうか」ではなく、「何が出来るか」を考える 料理、掃除、洗濯、日常生活の営みを人任せにしない 受けるより、与える側に立つと幸せになる |
曽野綾子/著 「老いの才覚」 ベスト新書
800円 |
余談:
私の母は大正9年の生まれ、この夏で91歳ですが、自分のことは何でも自分でします。90歳を超えた今でも(いちおう東京都の老人パスは持っていますが)バス停の数で4〜5つ程度の距離でしたら、歩いて行ってしまいます。町内会のゴミ集積場の世話役を頼まれると、まるでラッパ手「木口小平」の逸話、死んでもラッパは放しませんではないかと思うほど(笑)、カラス避けのネットの出し入などをしっかりと務めています。
近くにあるお寺に書かれていた文、「かけた情けは水に流せ、受けたご恩は石に刻め」を地でいくような「感謝」を持って人生を送っています。曽野綾子さんのこの本、母にとってはしごく当たり前のことだったようです。