まず始めに、今が一番楽しい、と書くと、なにもかもバラ色というように捉えてしまわれる方がいらっしゃるといけませんので、補足をさせていただきます。
過日、近所のゴルフ仲間夫婦と我々夫婦とで食事をした際に、「その後、新しく始めた仕事はいかがですか?」と聞かれました。いろいろな苦労話をした最後に彼が、「こんなに大変なんです、といいつつも、楽しそうに話してくれたので、心配はしていません」と。
そうなんです、けして悩みがないわけではないのですが、その悩みをどう超えていこうかと思案することも含め、楽しいと思えています。今は家族を養う為でもないし、まして上司の為に仕事をしているわけでもありません。自分がやりたいと思えばこそやっていることなので、もしイヤだと思うのなら、止めることも出来る訳です。
また、こうして自分で仕事を始めてみて始めて、いかにサラリーマン時代は責任ある決定をしてきていなかったのだな、ということが良く分かりました。上司に対して、もしくは社長に対して責任を負えばいいわけで、経営全体の責任を負うことはなどなかった訳です。
余談ですが、今から15年ほど前でしたでしょうか、所属する業界団体によるセミナーが開催され、関連中小企業の社長に加え、東京電力の副社長がパネラーとしてディスカッションに参加していました。私も聴講しましたが、司会者が、今後、当社はこうするぞという提言をして欲しいと話しを振ると、中小企業のトップ達は、皆、明確に「当社はこうします」と明言したのに対し、東京電力の副社長ははっきりとした提言は言えず仕舞いでした。
社長と副社長という立場の違い、更に言えば、大企業の場合、社長といえど、いろいろな組織のバランスの中にいますので、自分のカラーを明確に打ちだすことが案外難しいのだろうと感じました。
さて、話しを戻して。どうやって私が新しい仕事を見つけたか、についてお話しをさせていただきます。
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私が定年退職をして、その後、現在の仕事を始めるまでの9ヶ月間のステップ、試行錯誤がこちらです。
中古の日本製品を輸出してみてはどうだろうか、というアイデアは、昨年1月のアフリカ旅行が発端でした。ならば、次は、何を扱うのか、ということでいろいろ動き回り、辿りついたのが中古車、ということだった訳です。
ですので、最初から中古車輸出をやることを決めていた訳でもありませんし、ことさら車ビジネスにこだわるものは何もありませんでした。
この表の中で、一番お伝えしたいことは、待っていてもアイデアは先へ進まない、ということでしょうか。「悩むより、迷うより、まずは行動を!」といった感じで進めてきた結果、方向が決まった訳です。
このビジネス、現状で言えば、始めた直後の円高、また今回の大地震で多大な影響が及んできています。この分野においては、経験が浅いがゆえに、今後どう展開すべきなのかという予想がつきません。
幸いなことに、この仕事を始めてから知り合った方達がこの業界のベテランの方だったもので、そうしたことへのヒントを沢山貰うことが出来ました。 |
終わりに。私は、たまたま中古車輸出の仕事を始めましたが、誰にでもこの仕事が向くとは思っていません。ですので、皆さんは、皆さん自身がやってみたいと思うことを探されると良いと思います。ここからは、吊しの服を買うように、これを選べば良いのだ、という選択肢が用意されている訳ではありません。オーダーメイドで、自分がやりたいことを見つけ、それをクリエイトして行けば良いのでしょう。
少子高齢化は待ったなしで進んでいます。年金制度は、どうみてもネズミ講のような構造。そんな意味では、いつ破綻してもおかしくないと思っています。シニアの人も、いやおうなしにその渦に巻き込まれます。少なくとも、働けるうちは、自分の食い扶持、プラス奥さんを養うところまでは用意しておいたほうが良いのではありませんか?
それを見つけるには、前述のように「悩むより、迷うより、まずは行動を!」ということだろうと思っています。私の事例が、なんらかの参考になれば、これ以上の喜びはありません。
追伸:
この仕事を始めるにあたって、読んでみた本の中から、私が影響を受けたと思う本を紹介しておきます。
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「裸でも生きる」
「裸でも生きる(2)」 山口絵里子 著
講談社 1,400円
「必要なのは施しではなく、対等な経済活動」との言葉は、発展途上国とのお付き合いの基本と感じました。
ちなみにここで紹介されるのはアフリカではなく、バングラデッシュです。彼女が経営するマザーハウスのホームページ(彼女のブログへもリンクしています)
New ! http://www.mother-house.jp/
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【内容情報】
イジメ、非行…居場所がなかった青春。そして偏差値40からの一流大学への挑戦。大学を卒業し、本当の現場を見たいと渡ったアジア最貧国。腐敗にまみれた国で見つけた眠る素材、出会う人々。やがてバッグ造りで起業を決意。数々の失敗、挫折、裏切りに遭いながらも歩みを続け、途上国発ブランド、マザーハウスを軌道に乗せて各マスコミで注目の女性。明日へ向かう力に溢れたノンフィクション。
【目次】
プロローグ/第1章 原点。学校って本当に正しいの?/第2章 大学で教える理論と現実の矛盾/第3章 アジア最貧国の真実/第4章 はじめての日本人留学生/第5章 途上国発のブランドを創る/第6章 「売る」という新たなハードル/第7章 人の気持ちに甘えていた/第8章 裏切りの先に見えたもの/第9章 本当のはじまり/エピローグ 裸でも生きる
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