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62.「定年後の8万時間に挑む」 ・・・ (2010/08/01) 


 この本の書き始めがこんなふうでした。

 定年を迎えると、”8万時間”という財産が転がり込んでくる。

 20歳〜60歳まで会社勤めしたとすると、それまでの労働時間の総計が年間労働時間(2000時間)×40年=8万時間

 かたや定年後の世界、60歳〜80歳までの間の時間は、睡眠時間や食事時間を抜いた11時間×365日×20年間=”8万時間”になるという。

 定年後は趣味に生きるのだ、と宣言したとしても、”毎日10時間”もあると、趣味だけでこの時間をつぶすのかかなり大変になるはず、という。

 さらに筆者、加藤仁氏の言葉を借りれば、

 「まだまだ仕事をしたいと思えば、そうすればいい。学びたい、遊びたい、奉仕したい、と思えばそうすればいい。定年準備とは自分が望む方向へ突きすすむ心構えをし、わずかながらでも具体的に動いてみることであろう。大切なことは、自分にとっての”第一義”がなんであるかを見失わないことであり、”第一義”を握りしめていればおカネのやりくりや遣い方もおのづと落ちつくべきところに落ち着く。しだいにわがライフスタイルが築かれていくとみなさんが身をもって示してくれた。なにはともあれ、自分がやりたいことを思い浮かべてみる。すべてはそこからはじまるし、やりたいことのかなりが実現できる時代である。

 まさに名言です。


 同級生で、私より一足お先に定年退職した人間がいたもので、彼からいろいろ話しを聞くことが出来ました。データーベースに膨大な求人情報があったとしても、実際に我々シニアにフィットするものは、あまりに少なかったようです。それだけならよいのですが、応募しても返事すら貰えない、ということを繰り返すことによる消失感が気の毒に思えた。私のような転職経験豊富な人間と違って、大学を出て1つの企業に定年まで勤め上げた人間にとっては、人生初めて経験ゆえの辛さもあったことと思う。こんな友人の話を聞いただけで、私は、人などあてにせず、自分で何かを切り開くしかない、と思った。

 同様なことがこの本にも書かれてあった。

 ハローワークや人材バンクを訪れても、高年齢を理由に窓口で冷たくあしらわれるかもしれない。求職活動で神経をすり減らし、意気消沈の日々を送るのであれば、自分で仕事を創出するぞという気概を持って突きすすむ人もいる。


 国民生活金融公庫総合研究所の調査結果がこの本に紹介されていたが、それによれば、平成17年の起業においては50代24.1%、60歳以上が6.4%と、平成3年当時の調査結果の2倍以上の伸びを示していたそうな。この背景には、50代は「リストラ」によるものが半数近く。また60歳以上の場合は「定年後の自分の意思」によるものがほとんどだそうだ。今後とも、団塊世代が定年した後の「自分の意思」による起業は増加していくと推測されている。



  さて、私は、たまたまキャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)の人と出会うことが出来、そこで教えて貰ったのがコレ。適職を見つけるための「職業適正検査(テスト)」はいろいろあるようですが、私が一番シンプルでフィットしたのが、一人一人が仕事のどんな面に価値を感じているかを探すためのツール、バリューカード(ソートカード)でした。

 15枚のカードに「仕事を通じて得たい価値」例が書かれています。例えば、「他者への影響力」とか「社会的評価」とか「報酬と豊かな生活」とか仕事を通じて実現したいことです。15枚は一般的に人が仕事を通じて求めるであろうことが書かれています。ですから、選ぶと言っても、(読むとすべてが該当してくるので)取捨選択をするのではなく、自分にとってどれを優先させたいのか順位を付けよ!ということ。これ結構迷います。15枚の中から自分にとって仕事を通じて実現したいことの優先順位、上位5枚を選び、次にその5枚に更に1番〜5番まで優先順位を付けます。そうしたら、なぜ1番のカードがあなたにとって最優先なのか、改めてあなた自身に教えてくれるはず。

 私が優先順位1番に選んだのはこれ、「自立性」というカードでした。


 自分自身が思っていたことが、あらためて浮き彫りになってきた訳ですが、これによれば ”もう会社勤めはイイヤ〜”、と思っていることでした。これからは、人に指示をされるのではなく、時間も、やることも自分で決め、自分でやっていくこと。勿論、その結果(収入も含めて)はすべて甘受するつもり。

 59歳から60歳に変わって、今は体力もなにも、変わってはいないと思えるものの、(私の希望)70歳まではその仕事を続けていこうと思えば、60歳代”後半”の体力は今とは同じではありえないでしょう。前述のような形で(フレキシブルな時間配分で)仕事をすることが出来れば、きっと70歳まで続けていけるでしょう。(80歳以降をどうするかは、まあ、その時になって考えるとしましょう)


 さて、先日のこのカラムに書きましたが、私の失業保険の給付期間、150日が(7月で)終了しました。ここからは自分の手で稼がなくては、と思います。シニアの起業で大切なのは「経験」「人脈」「小資本」だそうです。これを心に、今月(8月)から具体的に動いてみたいと思っています。

 同年代の皆さん、お互いに無理をせず、きばらず、でもしっかりと前を向いてやっていきましょうね。




追加情報 (2010/08/08)









 こちらは三菱UFJモルガン・スタンレー証券の「団塊倶楽部」というシニア向けホームページに紹介されていた、定年後の時間試算です。こちらでは、平均余命82.58年までを算出しています。

 いずれにしても、見方によっては膨大な時間が残されている、ということなのですね。














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