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53.60歳になってからだと、六十肩っていうのかな? ・・・ (2010/02/17) 

  ※ ガーナ旅行記をご覧になる方は、1つ「前ページ」に戻り、そちらにあるページ目次からそれぞれの項目に進んでください。


 急に、寝返りをうつのも辛いほどの痛みが肩を襲った。痛みは拡散してきて、首筋肘の両側、そして手首へと痛みが分散してきた。もうかれこれ10年近く面倒を見て貰っている中国整体の斎藤先生を訪ねた。


 私は斎藤先生の技術をとても信頼している。たとえば。ガーナから帰国して、久しぶりに診療所を訪ねて体調を整えるべく施術を受けた時も、肩を押しながら「何か薬を飲んでいますか?」 と。ちょうど帰国して体調を崩し、薬を服用していたところだった。次ぎに私が「首筋が痛いのですが」と伝えると、「腸に問題がありそうですね」と。えっ、どうして分かるの?実はガーナから帰国して体調を崩し、診察を受けた北里大学病院で「腸閉塞」と結果を伝えられたところだったから。
 人間、指圧をしてもらうと誰でもそこそこ快感だろうと思う。しかし斎藤先生はその先、治療レベルが出来るのだ。だからこの先生が、恵比寿、末広町、溜池山王、六本木と勤務先を変えても、ずっと追いかけて治療を受けてきたのだ。


 さて、診察台に乗るために服を脱ぐが、そこからしんどかった。この日も寒かったので、出来るだけ前あきのシャツなどを着込んでいたので、まだ楽。それを1枚、1枚、イタタッと言いながら脱いでいった。まずは背中、肩から指圧していったが、「硬いな〜」と、なかばあきれ気味に笑われた。指でツボを押しているうちに指、手がどんどん温かくなってきているのが分かる。この暖かみも痛みと疲れを癒してくれる。

 背中の指圧が終わって、今度は裏返し。さて、ここからが更に大変。なにせ腕を上げるだけでも痛いところを押す、というのだから。まずは一番痛い肩はそのままにして、首、そして肘関節周りを。首はまだしも、肘関節の両側がめちゃくちゃ痛かった。斎藤先生いわく、肩のスジがこの肘両側に繋がっていて、痛みがこちらにも影響してくるのだと。「更にひどくなると手首が痛くなりますよ」と言われた。そう言えば、手首にも軽い痛みが。こりゃ、重傷だわ。

 さて、核心の肩の治療に入る。痛いヵ所、肩の前面部の周りを揉みほぐしていく。その時、どこのスジに問題が起きているのか確認したのだという。次ぎに疾患部を左手で押さえておいて、右手で私の腕を動かしたり、軽くひねったりしていく。「これ痛いですか?」、「これだとどうですか?」と確認しながら、治療を続けて行く。患部を左手で押させえておいてくれるのが痛みを和らげてくれているのを後で知った。というのも、左手を患部からそっと放すと、ズキッと痛いのだ。止まっていた血液が急に流れ始めるからだそうだ。

 終盤は、腰、足と指圧を進めていき、整えてくれる。その際、腰(両サイド)が痛かった。聞けば、「座骨神経痛の人はここに痛みを感じますよ」、とのこと。ヤバッ、せいぜい股関節を柔らかくしておかなくては。


 この日、1時間ほどの治療のお陰で、肩の痛みはかなり軽減されました。斎藤先生に「この痛みは何?」と問うと、五十肩だという。ん?ぶり返したの?あらあらなんでまた?と思う。ちなみに、先日60歳になったのだが、この場合は六十肩というのだろうか?それとも五十肩は、たとえいくつになろうとも五十肩と呼ぶのだろうか。

 斎藤先生、今は小さいながらも自分の診療所を開設している。またしばらくは斎藤先生のところへ通ってお世話になることにしましょう。そこで思い出したのが先輩の言葉。「ある年齢になったら自分の健康維持が仕事」、と思うようにとのこと。




  (2010/02/18) 斎藤先生に指圧をして貰って、確かに楽にはなったのだが、炎症を起こしていると思われる肩のスジの痛みは変わらない。頭をなでつけるのはまったく無理、歯磨きが辛うじて顔を歯ブラシに近づけることで磨ける程度。さて、どうしようかと考えて思いついたのが、ペインクリニック。ちょうどこの日はいろいろ外出の用事もあったので、ついでに電話で予約をしてみた。

  ペインクリニックに行ってみると、いつになくヒマそう。聞いてみれば、午前中に降った雪のため患者さんの予約キャンセルが続いたのだとか。たしかにこの診療所に来る患者さん、圧倒的に年配者が多いので、家族が”転んでケガでもされては大変”と止められたのだとか。

  さて、昨年10月に古傷(五十肩の後遺症)の治療をして貰ったと同じやりかた。肩に神経ブロック注射(背骨から患部である肩への神経をブロックして痛みを軽減)を、次ぎに患部に近い前肩部分にヒアルロン酸注射をするというもの。

  今回の痛みはかなりしつこいようで、この痛み止めの注射でも、あいかわらず腕が上がらない(痛くて上げられない)状態だった。ペインクリニックのお医者さんによれば、痛みを軽減している中でせいぜいストレッチをするように、と。ところが、これくらい腕が上がらない状態だと、とてもストレッチなんて出来そうにない。そこで思いついた。いつもの中国整体の斎藤先生に指圧をして貰い、ストレッチ効果を得ようというもの。


  翌日、再度、斎藤先生を訪ねた。触診して、肩(肩関節と首の付け根との間)のスジがガチガチになっていると。まずはここを揉みほぐすのだが、かなり硬くなっていた様子。肩関節の痛みで周囲の筋肉が硬直してしまった状態のようだ。かなりの力で押したようで、うつぶせに寝ているベットがずれたほどだった。しかしここは名人、斎藤先生。これだけ強く押されても、痛くないのだ。

  痛かったのはむしろ肘関節両側の指圧。肩関節とこの肘とは神経路(?)が通じているのだとかで(経絡指圧)、ここが凝っている。肘関節を押されると、痛いこと、痛いこと。直接患部でもない肘にそれだけ影響が出ているのだろう。
  興味深いのは、右肩の治療時に、左足くるぶしを指圧する。先生に言わせれば、これも関連していて、ここを指圧することで肩の状態を良くする(痛みを軽減する)ことが出来るのだという。

  こんな具合に、患部である(痛みのひどい)肩関節には直接触れず、関連する周辺部分から、じわじわと攻めてくる感じて指圧を続けてきた。お陰で肩(肩関節と首の間)のスジも、ほぐれてきた(先生は、指が入る、という表現をしていた)。

  やってみたこの方法、つまり西洋医学のペインクリニックで痛みを押さえ込み、さらに東洋医学の中国整体で患部を癒すという組合せは相乗効果が出た。今まで、かろうじて歯磨きが出来る程度にしか上がらなかった腕が、髪をなでつけられるまで改善されたのだから。これを数回繰り返せば確実に改善されるだろう。
  それにしても、指圧のような個人の技量に大きく左右されるものはない。良い先生に出会えばしめたものだが、私にしても、斎藤先生に出会うまでに、多分30人程度の人に指圧して貰っただろう。



  西洋医学と東洋医学は出来ることが違う。指圧の名人、斎藤先生をしても、骨が変形しているものは(外科手術ででも治さなければ)指圧では治しようがない。時々、交通事故の後遺症で悩む人が来るそうだが、西洋医学で手術した後、リハビリ部分を担うわけだ。変形した患部を、痛みをこらえてリハビリをするのではなく、こうした痛みのツボを心得た専門家に揉みほぐして貰い、辛い思いを少しでも緩和しながら改善していくのも1つの方法なのだろう。


  これは、先生から聞いた話しだが、70歳の女性を指圧していて何か違和感を感じ、専門医に診て貰うことを薦めた。その後、しばらくぶりにこの診療所を訪れたその患者さんが話してくれたのは、「頭に1mm程度の小さな腫瘍が出来ていて、その手術を受けた」とのことだそうだ。指圧では腫瘍など治しようがないだろうが(また最初から腫瘍だと分かって病院受診のアドバイスした訳ではないだろうが)、たまたま指圧が腫瘍の早期発見に役立った、というお話し。

  ※ NHKの韓国ドラマ、チャングムを見ていると、脈診(手首の脈をみる)だけで病名を言い当てていた。
    斎藤先生にその話しをしてみると、さすがに先生でもそこまでは分からない、と笑いながら言っていた。


  今回の私の五十肩も、指圧だけで治そうと思ったら、かなり時間がかかりそうな気がしたもので、ペインクリニックという西洋医学と東洋医学の指圧とを組合せた訳だ。肩の改善状態からみて、今のところこれは正しいアプローチのように思えています。

  「ある年代になると、健康維持が仕事」、とは先輩の言葉である。まさにそう思う今日この頃です。



 (2010/02/24) 斎藤先生の指圧が効きました。今まで肩関節が痛くて、頭をなでつけるのは勿論、歯を磨くことすらしんどかったあの五十肩が、まだ少ししこりはあるものの、自分の頭髪をなでつけることが出来るようになりました。

  ペインクリニックでの治療は、痛み止めのための注射(神経ブロック)を肩にする。次ぎにヒアルロン酸注射を鎖骨下あたりに行う。つまり痛みを止め、動きを良くしてくれる。これで大人しくしていてはダメで、むしろ痛みを抑えておける間に関節を動かしておくことが大事とのこと。 ・・・ 詳しく知りたい方は「こちら」をご覧ください
  もっとも、今回の痛みはかなりなもので、「動かせ、なんて簡単に言わないでよ」、というレベルだった。ならば何を持って動かすかというあたりを指圧に頼った訳だった。結果から見ればこの方法は有効だったと思っています。少なくとも指圧の先生は痛みを最小限にしながらストレッチ効果を作ってくれました。結果、最小の痛みで、最大の効果が出たようです。


  さて、昨日も後遺症の緩和(まだ腕を動かしていると右肩の芯に痛みが残る)のために治療を受けた。その際のやりとりからすると、どうやら今回の五十肩はこういうことのようだ。
  治療の結果、左肩よりも右肩が動く状態になっているが、状況としては、左肩の可動域が少なく、現状、痛みは伴わないものの五十肩の状態としては左の方が悪い状態。アフリカの暖かい気候から一気に冬の日本に戻った。そんな気候の大きな変化の中で、忘れないうちにとこのホームページの原稿をまとめた(パソコンに向かって猫背姿勢を続けた)。それだけで肩に負担がかかっていた。もともと肩関節の硬い(関節の可動域が小さい)私の肩関節、すでにこの時、なんとなく(肩に)違和感を感じていた。

  さらにそれでいて練習無しにいきなりゴルフコースに出たのだから(先日行ったアジア取手に打席練習場所がないため)右肩の筋肉が悲鳴を上げるのは当然なのだろう。比較的、筋肉の柔らかくなる夏場ならともかく、冬場、体全体が硬くなっているところで、急に肩に負荷がかかった。それがとどめ(引き金)となって、肩の筋肉に炎症を起こしたようだ。若い時ならば問題とはならないのだろうが、60歳になった私の体には、冬場(別な意味で真夏も)のゴルフは注意が必要なわけだ。今回の痛みと治療費は、まさにそのことを学ぶための授業料となった。今後は、せいぜい肩を始めとした関節部分の可動域を広げることを日頃から心がけようと思う。




<補足>
  簡単にできる五十肩の診断と治療。 ・・・ 肘を曲げ、肘関節の折曲がる”シワの部分”を親指で押してみてください。内側(体に近い方)、外側(遠い方)に軽い痛みを感じるようであれば、五十肩予備軍。この痛む部分を指圧してあげてください。診断であり、かつ治療になりますので。
  ちなみに私の場合、肩に痛みを感じていた時は(肩関節は勿論)、ここを押されるてもメチャクチャ痛かったです。




<その後・・・訂正> 斎藤先生から、一部、私(管理人)に聞き違いがあったようなので、訂正されて欲しい旨、依頼がありました。(2010/03/01)


  まず紹介いただいたケースは、70歳ではなく30歳代の女性のことです。

  こちら、千代田区で働いている方で、当院に来られた時には顔が腫れあがってしまっていました。初めは「ホルモンバランス」か「リンパ」ではと疑い、専門の検査を受けるようアドバイスさせて貰いました。翌日ご来所いただき、「ホルモンバランス」か「リンパ」の問題は無かった、とのことでした。次に考えられることは脳ですので、念のため脳外科へ行ってみては?(MRIを撮る?)とお話ししました。

  (これは後からお聞きしたことですが)この方、それから6ヶ月間、脳腫瘍の摘出(1o程の物が5個)の為に入院されたのだそうです。腫瘍の場所も、私が「このあたりでは?」とお伝えした場所とほぼ一致していた、とお聞き、私としても驚ろかされたものです。というのも、何か問題がこの方の頭部で起きているとは思っていましたが、私がその分野の専門医だということでもありませんし、まして当診療所にMRI等の設備があるわけでもありませんので、その時は私の推測しうる範囲でアドバイスをさせて頂き、専門病院で診断して貰うことをお薦めした訳です。


  もう一つは70歳の女性、私が溜池山王の診療所に勤めていた時代の患者様。以前から、施術はまず足裏からでした。で、推測出来たのは糖尿病。その気(け)が有るので、出来れば専門病院で受診されてみては?とお薦めしました。検査の結果は、まさに糖尿病だったそうです。

  もう一ヵ所、精神的ストレスとあいまって心臓の方にも負担がかかっていたようですので、くれぐれも無理はなさらないようにと助言させて頂いたところでした。そんな矢先に、なんと、あるブデック内で突然倒れてしまわれたのだそうです。

  数日後に、出張施術を頼まれ、その方をお訪ねしました。施術(指圧)後、体調も落ち着きを見せてきました。再度、2ヶ月後のご依頼で、出張施術した際には、以前よりぐんと良くなっていて、ほぼ心配の無い状態となっていました。お世話させて頂いた私としても、ホッとした次第です。




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