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298. 起業テーマなんて何でもいい? (Part II)  ・・・ (2020/03/1)


 前回の話しのなかで肝心なことが抜けていました。それは仕入れた(もしくは製造した)品物をどうやって「売る」のか、です。 私の場合は2010年にこちら、トレードカービュー (tradecarview) に加盟しました。(その後落ち込んで、身売りされたのですが)当時はソフトバンク系の会社でした。

 このサイトがあったお陰で次々と個人で事業を立ち上げた人が(私同様に)いました。当時、名刺を交換した方だけでも30〜40名いたかと思います。言葉を変えると、このサイトがなければ個人がアフリカの売り先(個人相手)に売りたい車をアピールする方法はありませんでしたし、私もこのサイトがあればこそ、始めたビジネスでしたので。



販売した相手からのアンケート結果、満足度が4.7(5点満点で)だったことが私の自慢でした。





小さな市場でも成熟してくると大手が進出してくる

 私が中古車輸出のビジネスを始めたのが2010年、このサイトを退会したのが2015年だったかと思います。理由は中古車輸出大手が tradecarview で力を付けて独自にサイトを構えたこと。中小零細事業者の集まった連合軍的な tradecarview とワンマン(?)経営者が号令をかけるB社との差はどんどん広がってきたのが2014年でした。

 B社についてのエピソードですが、ある日、ある中古車オークション会場(熊谷)で目にした札に、本日最高の落札事業者はB社、100台お買い上げありがとうございました、と。もはや個人事業者では太刀打ちできるレベルではないな、と思った瞬間でした。つまり資本力(資金力)の差はあまりに大きかったのです。

 みるみるtradecarview 加盟店の売り上げが落ちてきました。にもかかわらずtradecarview は加盟料を上げて自社の存続を図りました。この間違った経営方針は、それでなくとも苦境にある加盟店に止めを刺すことになりました。かつて名刺交換をしたtradecarview加盟店さんで今でも残っているのは(私の知っている限りで)1事業者だけだけ(輸出専業でやっている事業者ではありませんが)





物流の差、資本力の差

 tradecarview 加盟者が個人で乙仲さんを介して船会社に商品(中古車)を船積みして貰うのに対して、ワンマン(?)経営者が号令をかけるB社は下関からチャーター船を仕立て東アフリカ(右ハンドル地域)に向けて中古車を送っていました。恐らくはその輸送コストの差は我々のッ半分くらいだったのではないかと推測しています。もはや個人では太刀打ち出ないレベル差ですね。
 このB社、当時で月に15000台を輸出したことから、東アフリカの中古車市場はあれよあれよという間にB社に席巻されてしましました。(その後アフリカ市場がこの会社の中古車で飽和状態になった様子) B社、数をかせぐ意味で、一定期間に売れなかった車はどんどん値下げしていました(損切り)。月に15000台も輸出すれば、利益の出る車が大多数であれば、利益の出ない車(損をして売る車)があっても問題ない訳です。私のように、1台、1台でそれなりに利益を出したい個人事業者とは、この点においても、もはやレベルが違いますね。


 この戦は、ちょっとジャンルは違うかもしれませんが、amazon 対 楽天、というと皆さんには分かりやすいかもしれませんね。今、楽天が送料の問題で公取ともめていますが、amazon が独自「物流」を持つことが、ECであっても決め手となっていることが分かります。そんなことから楽天としては、公取になんと言われようが、加盟店が反対しようが、ここで譲歩したらあとがないのでしょうね。


<お話しのまとめ>

1.起業する際は、サービス?モノ?をどうやって売るのか、考えてからビジネスを始めてください。

2.よしんばネットで販売するものであっても「物流」が決め手となる可能性が大です。

3.今のやっているビジネスが未来永劫続くことはないかも?と常に心づもりしておくこと。(次の手を考えておく)

  


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