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294. 自分のことだけ考える  ・・・ (2020/02/02)


 いつの頃からだっただろうか。そもそもライブドア時代の堀江貴文には何の興味も沸かなかった。ライブドア社内のイベントでへんてこなコスチュームを着た部下たちと一緒に壇上に立ち、イベントだかを盛り上げていた堀江氏とその仲間に、なにか軽薄なものすら感じていた。それがだ、いつだったか彼の本を書店で立ち読みして「オヤッ?」と思い、買ってしまった。それがこの本(初版発行が 2010年10月)だった。

  詳しくは「以前の頁」をご覧いただくとして以下に目次だけ紹介しておきます。

「君がオヤジになる前に」 堀江貴文 著

目次
・  起業という選択
・  本当の働き盛り
・  趣味と仕事の境界
・  結婚と保険
・  「待つ」という言い訳
・  マイナス感情の克服
・  クリエイティビティとは
・  人脈とスキル
・  情報を得ることの意味
・  利益を生む経営
・  友人と包容力
・  充実した人生の定義



 しばらくブランクの後、彼の獄中記を何冊か読んだ。彼が証券取引法違反で逮捕され、獄中生活を綴った本を次々出版したあとだから、恐らくは私がそれらを読んだのは仮釈放になった2013年春以降だと思う。

 あれほど興味も沸かなかった堀江貴文という人の書く本、どれを読んでも面白かった。ストレートな言い方をすれば、なんだコノ人、結構良いことをいうじゃないか、という感じだった。


「炎上される者になれ!」

自分のことだけ考える。 無駄なものにふりまわされないメンタル術 (ポプラ新書)  

  堀江貴文 著 880円

 目次と一部抜粋が「こちら」にあります。


 恐らくは現在までに10冊近く彼の著作を読んだと思う。その中で一番しっくりきたのがこの1冊だった。たとえば、彼いわく、

自分が「正しい」と信じることを、やるしかない。

自分が「必要だ」と感じるものを、手に入れるしかない。

自分が「後悔しない」と言える、好きな道を行くしかない。

自分が「こうだ!」と決めたことを、努力し続けていくしかない。

 のだと言う。タイトル「炎上される者になれ!」は、どこか世の中に対し挑戦するかのようなタイトルだが、内容はごくごくオーソドックスであたりまえのことだ。60才で事業を始めた私にも上の4箇条はその通りだと思う。

 第1章の一番目に、「もっと自由に生きろ。人の目なんか気にする暇はない」とある。

 かつて新橋近くにあった英語学校の朝クラスに通っていたことがあった。当時私は30代半ば。話題が休暇の日数に及んだとき、私は最長2週間まとめて休暇を取ったことがあると話したところ、20代の生徒が「自分は連続だと5日程度しか取れない」と。で、アメリカ人の先生が、「それは休暇が無いから?それとも、あってもまとめて取得してはいけないという社内ルールでもあるの?」と質問してきた。これに対してこの20代生徒さんは、そのいずれでも無いと答えた。つまり社内での空気みたいなものがあって、長い休みはとりずらいという意味だったようだが、彼の英語力の制約もあってそのことを説明しきれなかった。

 振り返ってみると、私はこの頃(30代半ば)から「まずは言ってみよう」ということだったようだ(多分、留学経験をへてこうなった?)。そんな意味からも、「もっと自由に生きろ。人の目なんか気にする暇はない」は私の考え方にフィットした訳だ。


 こうして堀江氏の著書を読み進んでいて感じたのは、彼、もっとも苦手と言っていた「自由を制限されること」つまり投獄を経て人間が変わったような気がする。その一部が、獄中にいる時に面会に来てくれた人が、かつての社員たちの寄せ書きを持ってきてくれ、それを見た時に号泣したのだそうだ。恐らくは彼が獄中生活を余儀なくされることがなかったなら、今の彼のような考えには至らなかったであろうと思う。その彼が言うことが、なんとも私の生き方にもフィットする。

 前述の語学学校で出会った若手ではないが、「どうせ会社って(世の中って)こんなだよね」と考える人たちは、どうも年代に関係なくというか、むしろ若い世代に多いような気がする。そうであるのなら、堀江貴文氏がこうして活字にして発言してくれているのだから読んでみない手はないと思う。もっとも、ある種の人生経験を経ていないと、彼の言葉が心に沁みたりはいないのかもしれないが。

 まあいい、もしあなたが私のこのページをご覧になったのであれば、ウソはいわないから、図書館で借りてでも「この本」を読んでみられることをお薦めします。



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