274. 定年起業シニアに関する調査 ・・・ (2019/05/01)
このホームページを制作しながら気になっていたのは、定年した皆さん、その後はどうしておられるのだろうか?ということでした。ある時インターネットのサイトを見ていて、貴重な調査データが掲載されているのを見つけました。出典元を調べたら私も以前講読したことのあるシニア向け「宿泊予約サービス情報誌」を発行している「株式会社ゆこゆこ」でした。
その中から定年起業に関連する項目だけリストしてみました。
こちらは定年退職された方々が、その後どうされているのかをグラフ化したもの。 これを拝見すると、私同様、定年後に事業を始めた人は8%なのですね。会社勤めをした人、NPOやボランティアをしている人を含めると約4割は、何らかの形で働いていて、残る6割の方が、定年後、特に働いてはいない方。 私の勝手な推測ですがこの6割のうち半分は私の住んでいる港区にいるシニアのように、もしくはゴルフ場で頻繁にお会いするシニアのように、そこそこ裕福な人ではないかと。 |
定年後も働いていて良かったと思うことは?という質問に対する答え。ここでは私と同じシニア男性の場合だけを考察しますが、その視点では、6割の人が「社会とのつながりを維持できている」と、「健康を維持出来ている」と回答しているようです。 まさに私が定年起業した最大のポイントがこれでした。なんだか仕事をすることを辞めてしまうと、社会との接点が無くなってしまって、同じ世界で生きていながら私だけ浦島太郎になってしまうのではないかと心配したことからでした。 また「趣味やレジャーなどに使えるお金が増えた」も私が考えたことの1つ。ただ私の場合の趣味はゴルフですが、ゴルフに使えるお金が増えた訳ではなく、月給が無くなった私(定年シニア)なのだから、ゴルフ代まで年金に依存するのではなく、せめて遊ぶ金(ゴルフ代)くらいは自分で稼ぎたいという思いでしたので。 あと、「時間を有効に使える」は生活にメリハリが出来ることによるものですが、面白いものですね、365日、いつでもゴルフが出来るなんて思うと、反対にゴルフの楽しみが半減してしまもの。普段忙しくしていて、たまにしかゴルフが出来ないからこそゴルフが楽しいのですね。これはちょうど、咽の渇きを我慢していたからビールが美味しいのと同様なのかも? |
こちらは退職したあと起業した人が選んだ職種だそうです。2番目に多い「農業」についてはイメージ出来るのですが、1番目のサービス業とはどんなお仕事なのでしょうね。恐らくは、大きな投資がいらず、自分の体とノウハウを使って何かをするイメージなのでしょうか。 |
こちら起業する際の経験についての質問ですが、これによれば未経験の領域で起業した方が36%いるのですね。私も、IT分野での仕事から、まったく畑違いの中古車輸出へと展開した訳ですが、同様な方がこれほどいらっしゃるとは思いませんでした。 |
こちら起業準備のタイミングについての質問です。これによれば4割以上が「退職したあと」だそうですが、私の経験でも(勤め人をしている間に準備が出来ればそれにこしたことはないのでしょうが)実際問題、勤め人であれば平日は時間的に拘束されますので、準備のためにどこかを訪問したり、などはやりようがありません。 結果、退職して時間が自由になってからハイスタート、となるのが当然かと思います。ただ、退職前にしておくべきことがあるかと思います。それは、起業の覚悟を決める上での「心構え作り」でしょうか。 |
こちら起業資金として準備したお金の出所という意味かと思います。私の場合、最後の職場が外資系企業で退職金規定を持たない、つまり退職金はない会社でしたので、起業に退職金の一部を当てるという発想はありませんでした。でもまあ、一時金として受け取るか、月々のお手当として貰うのかの差ですので、基本、意味は同じかもしれませんが。 次にこれは起業に準備した「金額」が質問項目なのかと思います。これによれば100万円〜500万円だそうですが、出来ればもう少し金額の巾の段階を複数質問項目にした方が良かったのではないかという気がします。100万円と300万円では、すでに大きな違いがあるような気がしますよね。最低この金額巾を2段階に分けられると、もう少し何かが見えて来たかもしてませんね。いずれにしても、金額からすると、大きな設備、資本金が必要な事業というよりは、過去の経験、人脈を使った、あまり設備などを必要としない分野の仕事なのではないかという気がします。 さて、私の場合で言えば、オフィスは自宅で、人は雇わないと決めていたので、そんなに大金が必要な訳ではありませんでした。当初の心づもりとしては、中古車輸出ですので、まずは車の「買い付け資金」が必要と思っていました。ですので、MAX300万円とは考えていましたが、実際にはそんなに使いませんでした。(最高1日のオークションでの買い付けた金額は30万円くらいでしたので) 振り返って、一番お金を使ったのは、仕事のアイデアを得るために行ったアフリカ旅行でしょうか。それに50万円位は使ったかと思います。 |
この金額、50万円が大きいのか小さいのかは、どんな商いをするのかに寄るのでしょう。 私のやってきた中古車輸出の分野では、大きい時で年間売上が2000万円程度でした。ちなみにこの金額はニュージーランド向けに輸出した車の価格帯が50万円前後のものだったからで、この仕事を始めた当初のアフリカ向け中古車の場合は、1台あたりの車両平均金額は(ご存じない方は驚かれると思いますが)5万円程度ではなかったかと思います。ですので、沢山輸出した意識があっても、売上高としてはたいしたことはなかった、ということかと思います。 |
定年起業した方のビジネスの現状かと思いますが、これも起業後の年数別のデータがあると面白かったかもしれませんね。 というのも、初年度から黒字というケースはあまり多くないでしょうから。事業を開始して何年目で黒字化したか、といったデータがあると、より参考になったかもしれませんね。 シニア起業の場合、スタートするのが60歳とすると、何年がんばれるのか、割と先が見えているのかもしれませんから。 以前、税務署の方でご年配の方ともお話ししたのですが、定年起業の難しさの1つが、自分をドライブするモティベーションかと思います。特に、この稼ぎがないと生きていけない、といったことではないでしょうから、苦労してまで長く続けることには意味を感じないでしょうから。 |
「起業してよかったと思うこと」という質問項目の回答としては、私も同意見です。 私が起業前に自分の考えを確認する意味でつかったこのバリューカードにも出ていましたが、起業することの意味合いの最大のものは、この「自分の裁量で仕事が出来る」ことから来る仕事の面白さにこそあるのではないでしょうか。 |
元のデータに補足解説がありましたので、そちらを見てみると、以下のようなことでした。 >起業した人で満足出来ていないのは、 |
「この先、何歳まで働きたいか」という質問項目に対する回答です。 働けるうちは何歳までも働きたいという回答が、会社勤めをする人よりも、自分で事業を始めている人の場合の方が多いのは当然なのだろうと思います。 興味あるのは、「なるべく早くためたい」が、自分で事業を始めた人では6.5%なのに対し、会社勤めの人の場合は20.5%と高い。これはあたりまえですよね。自分で事業を始めながら、なるべく早くやめたいと思うのなら、それは早々に実現可能なわけですので。 実際に定年起業した私的には、もう少し別な視点のデータがあると良かったように思えます。例えば、60歳で始めた人の平均的な事業継続年数とか。たとえば、65歳まではやりたい、いや70歳までやりたい、もしくは70歳を過ぎても体力が続く限りやりたいのかが分かると面白かったかもしれませんね。 前にも言いましたが、シニア・定年起業で一番大変なのは、事業の継続意欲を”いつまで持続出来るか”のような気がするもので。ある年代になり、年金も出ている。また、お金の使い道として、海外旅行をするほどの体力も興味もなくなった時、それでも事業を続けたいと思えるだけの自分をドライブする「情熱」があるのかどうか、、、ですね。 |
ついでに、私の場合を紹介しておきますと、 |