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266. 小さく生んで大きく育てる  ・・・  (2019/02/03)  


学生起業家 ・・ 学生起業家といってもピンからキリまでありますが、まずはアルバイト感覚での起業を紹介します。

 先日30代前半の男性の話を聞く機会がありました。聞けば、我々中古車を扱う者に必須の資格「古物商」を持っているのだとか。なにゆえ?と聞くとこんなでした。
 彼、学生時代に大学の近くに住み、ふと起業を思いついた。昨今高齢化で後継者不足からか使っていない「空き店舗」を格安で借りた。この店舗と「軽トラ」が彼の起業投資。さて仕事はというとこんなこと。毎年2月、3月ともなると卒業生が引っ越しを始める。就職が決まって東京へ、もしくは地元に帰って役所に勤めることに。そうしたケースでは、アパート住まい時代に使っていた小型の冷蔵庫や洗濯機などの電気製品がじゃまになる。売るにしても二束三文だろうし、運ぶにしても低額商品なのでむしろ引っ越し料金が気になる。とまあ、あえて費用を払ってまで引っ越しに持って行く程の家電ではないし、また昨今は古い家電を処分するにも費用がかかる。こんな具合に処分に困っている彼等のところを訪問する。同じ大学の後輩だということで、ほとんどのケースがタダでそれらを貰い受けることが出来たのだという。


東京港区での廃棄についての説明


 まずは軽トラで冷蔵庫、洗濯機などを仮店舗に持ち帰る。それらの電気製品はたった4年しか使っていないので、さほど痛んではいないが、まずは磨き上げ、綺麗な状態にする。それを店舗に並べて4月の新学期に向けてやってくる新入生に販売する。新入生も4年後には大学近くのアパートを去るので、あえて新品を買わなくても良いと判断しこれらを購入してくれるのだという。

 とまあ、仕入れは基本タダ。貸店舗と軽トラ、ガソリン代、そして自分の手間賃だけがコスト。結構良い小遣い稼ぎになったようだ。ただし、彼が大学を卒業することでこのビジネスも終了した。 ・・・ 彼、その後30才を過ぎてからシェアハウスを個人ビジネスとして始めたそうです。


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シニア起業家 ・・ こちらもピンからキリまであるでしょうが、まずは気楽に始められる起業のケースを。

 パチンコや競馬が好きな高校時代の同級生に聞いてみました。彼曰く、ほとんどの人が楽しいからやっているのであって、これで生活しようとまでは思っていないはずだと。 OK、ならばシニアの「ゆる起業」も同様に考えても良いのかもしれませんね。儲ける起業から、楽しむ起業へ、ということです。むろん、定年時に所定の蓄えがあり、楽しむための資金があるというケースに限られますが。

 考えてみれば、趣味の世界、例えばカメラが趣味という場合でも、いずれもそれなりのお金が必要となります。つまり多少のお金を使ってでもそれで楽しめれば良いのだと考えれば、楽しむための「起業」というのも有りだと思う。
 私がやってきた中古車の輸出も、ピーク時には売上が2000万円程度になったが、基本は楽しいからやるのであって、今から社員を雇って会社を大きくしたいなんて考えているわけではない。稼いだお金で(2度アフリカへ、1度フィジーへ行ったが)こうして楽しめてより長く続けることが出来れば(既に8年が過ぎたが)私にはそれで十分なのです。

 起業ってパターンは1つなわけではないので、小さい規模でやるのもあり。ちなみに面白さの要素としては、たとえ小さくとも「起業」したという実感は得られます。まずは、個人事業であれば(株式会社でなければ)法務局に登記する必要はないが、最低税務署へは「事業開始届」を出す。中古車の分野でいえば、あと、最寄りの警察署で「古物商」の資格を取得する。この事実を持って中古車オークションの世界に加わると、オークション会社の社員はあなたのことを「社長」と呼んでくれます。

 企業規模で言えば、社長一人でもれっきとした会社。無職というのとでは大きな違いがあります。




小さく産んで大きく育てる



 米国の一般的な家はこんな感じ。ちなみにこの家は、スティーブ・ジョブスとウォズニアックがアップルコンピュータを創業した時の家。この家のガレージからビジネスをスタートしました。その後の活躍は皆さんもご存じのように、世界的な企業アップル社となったのです。

 小さくスタートをすることを躊躇わなければ、もっと気軽に「起業」というものを考えられるのではありませんか?





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