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249. 起業の原則は世代によって違うの? ・・・  (2018/08/05)  

 東京しごとセンターさんから講演の依頼があると、いつも悩むのは参加者の世代の巾の広さ。私は、定年前には会社勤めをしていましたが、独立したいとか思うタイプではありませんでした。あくまで定年後、何をやろうか考えた中で何が自分らしいのかを考え起業をしました。私を定年後起業者として成功と評価出来るのかどうかは分かりませんが、まがいなりにも8年間仕事を続けてこれています。振り返ってみて、私が定年後取りかかった中古車輸出ビジネス、個人で始められた同業者さんと30〜40人の方と名刺交換させて貰いましたが、それから8年たったいまでも中古車輸出をされている人は、私が知っている限り(私以外には)一人しかいません。その意味からすれば、まあ成功している方だと言ってもお許しいただけるのかもしれません。

 話しを戻して。こんな具合に、勤め人だった私が(当時流行った言葉で言えば)脱サラしたいと思ったこともありませんでした。起業したのは定年後の話しで、こんな私が講師を務める「創業寺子屋塾」の受講者はというと30才〜60才までと巾広い年代層なのです。シニア世代だけを対象としているのならまだしも、若い世代、女性層に参考になるような話が出来ているのだろうかと、いつも気になっていました。
 幸い、コーディネータをされている東京しごとセンターの相談員の先生は、私の講演を褒めてくださり、そのままのアプローチで問題ないですよ、と言ってくださっていました。

 ある時気が付きました。年代に関係なく共通することがあることに。それは堀江貴文氏の本にありました。彼の講演には若い方が大勢参加し、彼の話す言葉を熱く聞いているのだそうです。そんな受講者に彼は注文をつけていました。それは今回理解出来たことを「行動に移すこと」を。しかし翌回、前回あれだけ熱っぽく聞いてくれた人に尋ねると、ほとんどの人は何も行動に起こしていなかったのだそうです。

 私の講演でも毎回お伝えしているのは、創業に未経験の人がトライするのだから、いくら机の前で思案しても前に進まない場合が多いのだ、と。ゆえにお伝えしているのは、「迷うより、悩むより、まずは行動を!」です。具体例(私の場合)で言えば、外資系企業でコンピュータソフトウェアを販売する営業だったのですから、その後始めた中古車輸出とはまったく分野が違います。むろん、過去のノウハウなどというものも役にはたたないわけです。そんな私が、まがいなりにも(多くの人が撤退してしまった中で)やってこれたのは前述の「迷うより、悩むより、まずは行動を!」の成果だと思っています。
 この点においては、堀江貴文氏が言う「(私の考えに共感するなら)行動を起こして!」とも共通する。つまり、どの世代であっても、考えるだけではなく、行動に起こしてのみ成しうるのだということは、真実のようです。


 されこれで私の講演時の不安が消えたかといえば、かならずしもそうではなかったのです。それは、ならば女性の場合はどうなのだろう、主婦の場合だったらどうなのだろうか?という疑問でした。それを吹き飛ばしてくれたのが、この番組でした。



 こちらご覧になったことあるかと思います。朝ドラに続く番組ですので、NHKの朝ドラを観ていれば自然とこの番組が目につくはずですので。

 7月30日(月)の番組特集は番組ホームページ(写真をクリックすると当該ページが開きます)のように主婦の企業がテーマの1つだったのです。

テーマはプチ起業が対象で目指すものは

・パート程度の収入を得る
・働く場所が自由
・自分の好きなことを仕事に出来る

 こうした活動に対して行政も後押ししている、とありました。確かに私が講演した場所で言えば、東京しごとセンターは東京都の外郭団体、ゆえに彼らの対象とする相手は、定年シニアだけでなく、主婦、30代、など巾広い方々が対象に含まれる訳です。


 ここでは、プチ起業の定義をこんな風に伝えています。

・起業をして、月数万円の収入を目指す。
・働く時間は、家事や育児に無理のない範囲。
・家計など自己資金で始める。

また、起業する際はある程度の初期費用が必要となります、とも言っています。

 女性の場合は、「やりがい」ばかりに目が向きがちですが、収入を確保するためには、事前に「売り上げ目標」「販売のターゲット」「スケジュール」などの計画を立てることが重要になるという説明でした。


 私がお話しのメイン対象としてきたのは、定年後のシニア男性。年金もあるし、子育ても終わっている。さらに住宅ローンも終わっているかもしれない。前述の主婦の起業同様の「ゆる起業」でもいいんじゃないか、という具合です。もっとも、がんばり次第では「ゆる起業」から本格的起業にも運べると思っています。私の場合で言えば、そんなにあくせくしないでも、一時、年間売り上げが2000万円を超えていました。とりあえずアルバイトでも雇えば、さらに売上を伸ばすことは可能だったと思っています。

 余談ですが、ならば何故そうしなかったのか?それはこのコラムでも書いたことがありますが、自分のペースで仕事がしたかったから(せっかく定年したのだから好きなゴルフも、もっとやりたかった)。会社経営をしている大学時代の友人から言われたことも大きなヒントとなりました。「もし自分のペースでやりたいのなら、人は雇わず、オフィスも借りず(つまり自宅でやる)が一番」、とアドバイスをされました。


 とまあ、まとめると、男性と女性の立場の違い、さらに30代、40代と、シニア定年後の男性とは、いろいろ状況は違うとは思います。ただ共通項としては、前回私が書いたような、項目になると思います。

1.あらたな仕事を始めるのだという「覚悟」、

2.分からないことを先人に尋ねることが出来る「コミュニケーション能力」、

3.そしてそれを着実に前に進める「実行力」


という部分は、すべて共通するものだと確信しました。

 最後に。いろいろな方のお話しを聞いていて感じるキーワードは、出来ない理由探しではなく、どうやったら可能になるのかを探すこと、ですね。





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