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244. 68才にして仕事再開 ・・・  (2018/06/10)  

 定年後に始めた中古車輸出先は東アフリカ諸国。特定の相手先があるわけでなく、インターネット上に中古車輸出の世界における楽天のような会社があり、そこに出店という形をとった。インターネットを使ってのアフリカ人とのやりとりは、驚きあり、楽しさあり、だった。 東アフリカ市場が大きくなるにつれて、大手にとってもうま味のある市場になったようだった。専用船を仕立て、毎月1万台を超える中古車を輸出する会社があらわれた。結果、私が中古車輸出を始めて3年目、中小零細はあっという間に蹴散らされた。

 さて、次はどうしようかな?と思っていたところに、以前中古車オークション会場で偶然出会った中国の人から、ニュージーランドに移住するので、日本での中古車調達を代行して貰えませんか?との打診があった。どうやら当初はすべて自分でやろうと思ったようだったが、非居住者には銀行口座は開設出来ず、また日本のオークション会場への入会資格すら持ちようがなかった。
 それで始めたニュージーランド向けの中古車輸出、3年続いたが今年に入ってピタっと止まった。彼も現地に慣れてきて、日本の大手がまとめて輸入してくれる車を買う方が簡単だと気が付いたようだった。なにせ、日本から輸入すると、ニュージーランドの彼の手に渡るまでにおよそ1カ月かかる。しかし、既に大手日本の商社が輸入してくれる車を直接目で確認して買い付け出来るメリットは偉大なものだったようだ。定年後、8年間続けてきた仕事だが、それも今回で終わりと思った。68才になった私ゆえに、ゴルフ、書道教室、ヨガ教室などを楽しむ時間を過ごしていた。


 そんな中、お世話になっている方からモンゴルの方を紹介された。奥さんは日本に留学していた人で、日本語はぺらぺら。ただ、ご主人も含め、中古車を扱った経験はゼロ。ゆえに、トヨタ・プリウスを買いたいというが、年式は?型式は?走行距離はどれくらいを希望するの?などを聞いても分からない様子。(大きく分けて、プリウスは4世代、さらにそこから派生したモデルもある)
 加えて、まあ外国籍ということもあるが、古物商ライセンスを取るなどに手間取っている。さらに、日本のオークション加盟には、前述の”古物商ライセンス”の取得後最低1年たつもの、という規定がある。さらに、さらに、オークション会場に加盟をするには不動産を持つ保証人が必要になる。ここは、日本人でも若い世代は苦労しているところ、まして彼らには高い壁となりそうだ。

 資格取得は目指して貰うとして、調達と輸出は私で肩代わり出来るので、先行して中古車の知識を広げて貰うことにした。まずは私の事業体のスタッフということで、都内の中古車オークションに出入りするためのIDカードを作ってあげた。これで、(入札こそ出来ないものの)車の下見、競りの状況の観察は出来るようになった。恐らく彼らだけで思考錯誤していたら、あっという間に半年たっても形が出来ない可能性が。

 この国向けも、ご多分にもれず大手が参入してきている。それは当然なのだろう、モンゴル輸出は、台数別統計でみると10位となっている(ちなみに1位はニュージーランド)のだから。今回、東京在住のモンゴルの人がいるので、当然、彼らは現地の言葉も分かるし、現地に居る親兄弟を通じて現地の車事情も分かるだろう。せいぜいそれらを駆使して欲しいと思っている。基本はアフリカも、どこも、同じで、どの車種に人気があり、いくらで取引されているかが分かればそれを日本で調達し、輸出手配すれば良い。ただ、問題は、コスト。大手に太刀打ちしずらい部分でもあるので、せいぜいニッチなマーケットを見つけて欲しいものだ。


 過去、乙仲さん5社とお付き合いした。最初の4社はアフリカ向けで、うち1社はあえて東京から離れた常陸那珂の業者さんを選んだ。というのも車両の保管料が安かったのだ。最後の1社はニュージーランド、オーストラリアを得意とする会社だった。担当者とは親しくなり、一緒にゴルフにも行った。
 さて、ならば今度はモンゴルに強い乙仲さんを探す必要がある。ネットのお陰で、それもほぼ検討がついた。あとは、モンゴル人夫婦を連れて、挨拶がてら情報収集に行ってみようと思う。

 加藤運輸株式会社のホームページ「モンゴルの物流」より



 彼らにも伝えたが、彼ら自身で中古車を調達し、輸出手配出来るようになるまでに最低1年はかかる(オークション加盟には、古物を取って1年以上という規定を持つ会場が多いため)。むしろ今の心配はほんとうに1年で彼らが独り立ちしてくれるかだ。私は68才。2020年の春には70才になる。ゴルフ税も安くなるので、以降はゴルフ三昧と行きたい。せいぜい彼らのお尻をたたいて、早く独り立ちして貰うべく支援したい。

 過去、ガーナに行ったのも、ウガンダに行ったのも、仕事半分での旅行だった。現地に知り合いがいるだけで、見てまわれる範囲が大きく広がる。我々が行きつけの、美味しいラーメン屋や焼き鳥屋には、けして観光客だけが単独で来ることは無いことからも分かるだろう。現地に知り合いがいればこそ、そうした場所にも行けるというものだ。
 今の楽しみは、モンゴルのお仕事で小銭を稼いで、モンゴルに行ってみること。つまり儲けた範囲で楽しめれば年金まで食い潰すこともない。いいんじゃないですか?仕事人生の締めくくりには。



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