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237. 定年後のこと(Part I 資産)  ・・・  (2018/04/02)  

 定年前から、資産の運用といったことはあまり考えたことがなかった。先日、たまたま乗った電車の中吊り広告が目についたので、そこから一般的に、どんなことが語られているのか週刊誌を読んで確認してみた。(ちなみに、政治がらみのトピックスではなく左側にある「定年後の安心マネー管理術」というトピックスについてです、念のため)




 まず目に留まったのが「自らの資産状況、お金の使い方を把握することが出発点である」。おっしゃる通りだと思う。

 自分で仕事をしてみると良く分かる。それまで勤め人だった時代には資金繰りなど考えたことはなかった。なぜなら毎月給料が入るという前提があるからだ。想像するに、ほとんどの人は私と同じだっただろうと思う。

 しかし、小なりといえど事業を起こせば(生活資金に影響を与えないよう)事業の資金計画を考えるようになる。手始めに行ったのは、いつのまにかあちこちに出来てしまっていた小額の預金を整理することから始めた。ちなみに終活のためにも、これはやっておくべきことなので丁度良いだろう。でないとネット預金の類は従来型の銀行のような通帳というものがないため、奥さんもその存在を知らないままになってしまいかねないからだ。

 前述のように、勤め人だった時代なら手持ち資金をすべて使いはたしてしまっていても、次の給与日には給料が振り込まれてくるから良いが定年後は事業を行っていようがいまいが、自分で支出の管理をせざるをえなくなる。でないと、退職金をざるの上に置いている状態で、いつのまにか資金が底をついてしまうことになる。

 私が行っているゴルフ場、会員用ロッカーで隣になった人と、たまたま組み合わせで一緒したが、その方(定年後仕事はしていない)が言うには「預金の額の桁が変わった時、愕然とした」と言われていた。桁がどう変わったのかは聞きそびれたが、自分で仕事でもしない限り、年金だけでは減少傾向に歯止めは難しいだろうと思う。


さて、週刊誌に戻るが、

1.リスクのある投資に騙されてはいけない

  老後を支える資金はリスク性の高い商品につぎ込むなんてあまりに無謀、、、と。元、証券会社勤務の人が書いた文によれば、定年退職者はもっとも狙いやすいターゲットだったそうだ。金融部門にでもいた人間ならいざしらず、現場部門にいて資金運用に無頓着な人ほど、甘い言葉に乗せられてしまいそうだ。気をつけてくださいね。


2.浪費クセが抜けない?

  以前、新聞で読んだ例では、今まで手にしたことのない資金(退職金)を手にし気が大きくなり、海外旅行を、それもビジネスクラスでの旅行を年数回行っていたという。ふと気が付くと退職金は大幅に目減りしていたそう。当然、なるべくしてなった帰結ですね。



◎定年時に一億円必要?

 定年後いくら必要ですか?と聞かれてもほとんどの人は即答出来ないだろう。反対にアドバイザーから手持ち預金以上の額を提示されたらどうするつもりなのだろう。むしろ定年後は今の預金+年金だと、年間いくらくらいでやりくりしていけばいけばよいと考えていますか?が正しい問いのような気がする。


 銀行などの相談窓口で提示されるのはキャッシュフロー表なのだとか。これはお金が誰にとっても同じ価値を持ち、全員が一律的お金の使い方をすることが前提なのだそうだ。

 アフリカ向けビジネス(中古車輸出)で私の感覚が変わった。中古OK、同じ商品なら高級仕様より普及品仕様を選ぶようになった。例えば時計。今や腕時計には1000円のものでもクオーツ(水晶振動子)が組み込まれているので誤差は日本標準時を知らせる原子時計と比べて生活上、遜色はない。
 また私の場合、ゴルフをする時に金属バンド付き時計の重量が気になるようになった。なので現在は1000円で合成皮革のベルトが付いたものを使っているが軽くて付け心地がいい。ちなみに電池交換は1000円くらいするそうなので、電池が切れたらまた新しい1000円時計を買うつもりだ。

 こんな具合に、自分が欲しい、買いたいと思うものがあったとしても、そこに求める価値、違いを見極められるようになったと思っている。

 原子時計は周波数標準器と超高精度の水晶振動子によるクォーツ時計とを組み合わせ、その水晶振動子の発振周波数を常に調整・修正する仕組みによって実現される。 原子時計を元に作られた正確な時刻情報は標準電波として放送されており、その電波を受信してクォーツ時計の誤差を修正しているのが電波時計である。


 そこで思い出したことが1つ。ご年配の方ならご記憶だろうが、その昔は宿屋に泊ると「貴重品をお預けになりますか?」と尋ねられ、時計を預けた。当時は時計が貴重品だったのだ。そんな時代ならいざしらず、今時時計に大枚払うなんて無駄と思える。


 これは一例だが、私の年代になってみると、そもそもステータスシンボルって何?と思ってしまう。かつては日経ビジネスを定期購読しようと思ったら大企業の役職者でないとダメだった時代もあった。(今、考えると笑える)
 また、クレジットカードでもゴールドカードは、ある種のステータスシンボルだった時代もあった。いまはネット系企業からメールで「今お持ちのカードをゴールドに変えませんか?」と勧誘が来る。つまり(今やクレジットカードの多くが年会費無料の時代に)誰でも、年会費を払う気がありさえすればゴールドカード所有者になれる。

 つまり、これらが言わんとすることは、ものごとの価値が、違いがきちんと分かる世代となったいま、有意義なお金の使い方が出来るはず、と。


 最後に、もう一度週刊誌に戻って、

 これだけ低金利の時代であればリスク無しで大きなリターンを得ることなど出来まい。とにかく自分が自由に動かせる現金または預貯金を一定額は確保しておかなければならない。

 資産の上積みが必要であれば、無理な投資に頼るのではなく自ら働くという選択肢を取るべきだ。 (週刊文春 2018/4/5 より)



 納得である。 私のやっている仕事など、ほんの小さな規模のもの。それでもウナギのタレよろしく、資産に多少のお金を、継ぎ足し、継ぎ足し、しているだけで、どれほど気分的に楽になるか。さっ、アフリカ向けビジネスが難しくなり、次に続けたニュージーランド向けも同様。こうして文章を書きながらも、次はあれをやってみようか、、などを考えている。




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