ホーム目 次 / 前ページ次ページ       


235. 人生100年時代をどう生きるのか?(PartV)  ・・・  (2018/03/18)  

   ◎  定年後、未体験の中古車輸出事業を始めた私

  中古車輸出の世界でも、楽天のような仲介事業者(私がアフリカ向けをやっていた当時の事業者はソフトバンク系の企業、トレードカービュー)が存在します。ただ、フランチャイズといったものでは無いので、経営の指導はしてくれません。また屋号も自前のものでビジネスをしていました。(余談ですが、User Review は私から車を買ってくれた人による評価ですが、5点満点で4.7だったのが私の自慢でした)



  当時のビジネスは、受け手(輸入事業者)が不特定多数のアフリカの個人だったもので、常に在庫を持ち、1台づつ値段交渉(無論、英語で)をする必要があったもので大変でした。ちなみに長期に在庫を持つと保管料がかさむため、どこかで損切りをする必要が出てくることが多々ありました。

  私の現在のビジネスですと、中国の中古車ディーラーさんが受け手(輸入事業者)としてニュージーランドに移住し、私に送り手(輸出事業者)をやって欲しいと頼んできました。このケースではオークション(調達)代行という形で在庫する必要がなく、リクエストがあった車両を仕入れ、そのまま港へ陸送し、輸出しています。


  まず、日本で中古車輸出の事業を始める場合に必要なことを説明します。

1.税務署に事業開始届けを提出
 (輸出事業は消費税の還付をうけられるが、それには事業者として届けが前提となります)

2.最寄り警察署に「古物商」の認可申請を提出し、許可を得る

3.仕入先として、どこかの中古車オークション会場に加盟する必要がある

 (日本最大の中古車オークション、USS入会条件例)
 ・古物商許可証を受けてから1年以上を経過していること

 ・常設の展示場と事務所を有し、営業活動をされていること ・・(ネット店舗でも大丈夫)

 ・連帯保証人をご用意いただけること

 ・保証金10万円を預託いただけること

4.陸送業者、乙仲さんは多数存在しますので、車の買い付けさえ出来れば自由に選べます。

 振り返ってみて、若い人が個人事業者として事業を立ち上げようとして難しいのが「連帯保証人」を頼む相手がいない場合。というのも、この保証人には、独立して生計を営み、不動産を所有する者を求められるので、そうした人が身近にいて、保証人を頼める関係を持っていることが必要でしたので。
 保証人がたてられないと、中古車オークションには加盟出来ませんので、その場合は、すでに加盟している人に調達を代行して貰うなどをする必要があります。当然、手数料を支払う関係で、それでなくとも少ない利幅がさらに少なくなってしまいます。

 幸いなことに、60歳で起業した私には、こうした起業要件はすべてクリアすることが出来ました。恐らく、私同様、シニア起業される方は、資金的にも、人脈的にも、若い方よりは有利 かと思います。

 ※ シニアの起業は、経験・人脈・小資本 を前提に考えられると良いかもしれませんね。


 恐らくはラーメン店を開業するにも、保健所等への届け出が必要なのかもしれませんし、また厨房設備などをあらたに揃えようとしたら資金的にも1000万程度用意する必要があるかもしれませんね。その意味では、アフリカ向けの古い年式、過走行車であれば10万円以下(私の経験で、7台まとめて落札し、総額が30万円以下だったことがありました)で入手可能ですので、海外向けネット販売であれば、開業資金は100万もあれば事業開始は可能かと思います。
 また、自動車についての知識ですが、私自身は特に詳しかった訳でもありませんで仕事をしながら覚えました。必要なのはメカ的な知識よりも、むしろマーケティング的な知識、例えば、どこの国で、どんな車種が人気があるのか、いくら位で引き合いが来るのか、といったことの方が大事です。その意味でも、私のような文科系、事務屋、営業職の人でも、中古車”輸出”は可能かと思います。


 最後に。この文を読んで、今から中古車輸出を始めたいと思ったとしたら、ちょっと待ってください。

 というのも、どの分野でも起こりうることでしょうが、市場が大きくなってきたら、より大きな資本力で進出、拡大してくる会社が出てきます。右ハンドルの国は世界の中で3割と聞いています。主には東アフリカ(ケニア、タンザニア、ウガンダ、モザンビーク、ジンバブエなど)。そこに毎月1万台を超える中古車を輸出する会社が現れ、みるみるうちに中小、零細事業者は駆逐されました。
 8年前、私が中古車輸出事業を始めた当時知り合って名刺交換した人は30人程度いましたが、その中で、今でも中古車輸出事業を営んでいる人はお一方だけです。ですので、今から中古車輸出を始めようとするならば、輸出先国に信頼出来る事業者がいる、などといったもの、つまりコネでもないと事業開始・継続は難しいだろうと思われます。ご参考までに。


 ※ 次回は、私がやっている事業、過去8年の推移をご紹介します。



ホーム目 次 / 前ページ次ページ  
 

inserted by FC2 system